コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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韓国生協訪問記2

「斎藤 嘉璋」

韓国生協の特徴―「倫理的消費」をかかげて

 韓国のICOOPグループの年次報告書の表紙(写真)には「倫理的消費を選ぶ人は美しい」と生協の理念がうたわれている。その1ページ目には「生協とは人と人との協同を通して食の安全・安心、教育、育児、女性、環境、農業などに関わる問題について組合員自らが対策を作っていく事業体です。」とうたい、店舗(「自然ドリーム」と呼んでいる)では「産直による安全安心の環境にやさしい農産物」「お母さんの視点での商品選定」「社会の食品安全基準」づくり、「私と隣人、そして地球を生かす倫理的消費を「実現します」とうたっている。めざす「持続可能な社会づくり」は日本生協連の理念と共通する。

つづく

「倫理的消費」については「人間と生産」「食品安全」「農業と環境」を3つのキーワードとしているが、人間らしい生産活動の立場から「正直な生産」「労働者の権利を尊重する」する考えでフェアトレード商品などを重視しているのが特徴の一つである。
韓国ICOOP


ICOOPは政府機関から「2011年雇用創出優秀企業100」に選ばれ、日本以上に格差と失業が問題になるなかで最低賃金の引き上げなどに挑戦しているとの話も聞かされた(店長は本部の指示どおりに賃金を上げられない悩みを語っていたが。)すでに述べたように新しい協同組合基本法のもとで、新たに生産、労働に関する組織づくりを検討しており、「倫理的消費」の理念はイメージとはちがい、狭いものではない。
組合員組織は地域の集い、商品選定、食品安全、教育、給食、分かち合い、広報、水田湿地などの委員会があることからわかるように日本の生協と共通するところが多い。意欲的で特徴的なのは組合員や理事などリーダーに対する積極的な教育・学習の取り組みである。

活発な教育・学習
 ICOOPの2011年の組合員向け各種テーマ、レベルの教育に参加した組合員は32,800人(活動家数は8,830人)に上り、会員の75単協の理事長研修や「理事コース」研修、理事コース修了者むけの「生協カレッジ」(11年度は100名を超す活動家が受講)があり、さらにさまざまな講座やワークショップが行われている(11年度、5,415名参加)という。日本の生協でも発展期にあって役職員も組合員も大変意欲的だった頃は教育、学習は盛んだったが、組合員16万人規模でこのような取り組みと参加はなかったのではないか。
国際協同組合年ということもあり、自分が招待された研修会をふくめ、ICAの理念や原則問題などの学習が活発なことは日本の現状にくらべ感心させられた。

“がんばれ日本”と“従軍慰安婦問題”
 組合員活動については詳しく聞かなかったので省略するが、日本にも関係することでは“がんばれ日本”カンパキャンペーを全国展開、日本生協連とパルシステムをとおして被災地へカンパしたこと。このような取り組みは他の国の自然災害に対してもおこなっている。
 もう一つ印象的だったのは挺身隊(従軍慰安婦)問題に取り組み、毎週水曜日に行われている「水曜デモ」に参加し、日本大使館前の通りに建設予定の「平和碑」建立のためのカンパ活動を行っていることである。1995年に「戦後50年企画」で「韓国平和の旅」を実施し、全国の組合員リーダーと一緒に挺身隊問題の関係者の話も聞いたが、竹島問題が政治化しているいま、日本の生協の取り組みはどうなっているのであろうか?平和活動の伝統のある日本の生協では今こそ韓国や中国とのかっての戦争の歴史の学習強化が期待された。

生産加工・物流総合団地建設も
 組合員、リーダーの活動に支えられ事業の拡大も意欲的である。昨年は2つの「自然ドリーム・パーク」建設に着手したが、これは生協と産地生産者が共同出資の食品加工・物流総合団地であり(その一つは総面積190万坪に加工場やDCなどの他、公園などを計画)、さらに店舗についても12年度には新規出店20店をめざしている。すこし心配になるほど意欲的である。
 韓国の生協は組合員60万人、事業高880億円とまだ規模は小さい。しかし、生協法改正、新協同組合基本法制定といったなかで、この間の経験を生かして様々な意欲的な取り組みを進めている。
 残念なことにそれぞれのグループごとの協同連帯は強いが、全国生協連への結集は日本生協連ほどには強くはないようである。ICOOPは首都圏だけでなく、釜山や済州島の生協も参加する全国連帯組織になっている。日本でも事業連合ごとの連帯は都道府県連や全国連での協同連帯と矛盾する面があり、それがグループごとに単協が県域を越えて合併するとなると地域でのグループごとの生協間競合の激化など、さらに問題がむずかしくなる。韓国の現在の各単協は小規模であり、行政区や学区単位を望ましい単位としているようである。日本のように規模拡大、組織合併などが課題になる場合は、現在のグループの枠を超えての合併もふくめて連帯の在り方が検討課題になると考えられる。韓国の生協は日本からいろいろと学んでいるようであるが、連帯組織のあり方問題については一層慎重に学んでもらいたいと感じた。
 今回の訪韓では最終日は生協のことを離れ、30年ぶりにあった友人と懇談し、韓国の政治経済や日韓問題などで個人的な交流ができた。ホテルが漢江にちかく、そこを散策しスケッチもでき楽しかった(ブログ「かしょうの絵と雑記」掲載)。生協間の交流と日韓友好が一層強まることを期待し、訪韓印象記を閉じます。 

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