コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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韓国生協訪問記

斎藤 嘉璋

意欲的で元気なICOOPグループ
 9月17日から3日間、韓国を訪問した。拙著「現代日本生協運動史」(新書版)の韓国版が出版されたのを機会に、翻訳・出版をした韓国の生協グループ・ICOOPが企画した研修会に講師として招かれたためである。
 韓国には1987年と1995年に訪問しており、今回が3度目である。87年の時は市民生協グループの有志の企画だったが、皆さんとは別に私は初めて日本生協連の幹部が訪問したということで韓国消費協同組合中央会で日本の生協の現状について報告、交流した。当時、生協法制定要求運動が始まっており、日本の生協法とその規制条項などに関心が高かった。2度目の95年は「韓国平和の旅」の企画であり、生協も訪問したが、植民地時代の施設見学や慰安婦問題などの交流だった。
 今回は講演をしたICOOPグループの役職員研修会の前後に施設見学と幹部との交流ができた。もう15年以上も前のことなので前回と比較するのは問題かもしれないが、今回の第一印象は韓国の生協は「元気で、意欲的だ」ということだった。

01-韓国 講習会全体
ICOOPでの講演会風景(講師は折戸さん)

 韓国は日本の植民地支配から「解放」されたあとも「朝鮮戦争」とその後の軍事政権の継続で、生協など民主的な組織と活動の立ち上がりは遅れた。87年当時、中央会には17の生協が加盟していたようであるが、ソウルで見学したのは生協施設でなく発展の早かった信用組合の店舗だった。95年の時はハンサムリム生協の共同購入事業を視察したが、まだ初歩的な取り組みだった。しかし、1998年に生協法が施行され、以降は着実に発展し、2010年には生協法を改正させ、昨12年には協同組合基本法を実現させるなど前進を続けてきている。

韓国の生協には現在①ハンサムリム生協、②ICOOP生協連合、③ドゥレ生協連合、④女性民友会生協の4つのグループがあるが、私が訪問したのは歴史の若いICOOP生協連合で、1998年に首都圏の8生協が結成した事業連合である。ドゥレ生協連合は韓国生協全国連合会の事業部から独立した事業連合で、このグループあるいは全国連を訪ねると全国状況がもっと分かったはずだが、今回は訪問できなかった。そのためICOOP中心の印象記である。
 ICOOP傘下の生協は75組合、組合員15万8,000人、供給高300億円強、店舗116店とネット注文による宅配事業を行っている。韓国の生協法は10年に改正されるまで、員外規制だけでなく取扱い商品も農産物を中心にする食品に限るなど規制が強く、また運動的にも「親環境有機農食品」を中心に取り組んできたこともあり、組織・事業ともまだ規模は小さい。しかし、「意欲的で元気」である。(ハンサムリム生協の組合員は約30万人、ドゥレ生協などの最近の数値不詳だが全体で組合員60万人、事業高880億円と聞いた)
 日本比べれば小規模なグループのICOOPが拙著「現代日本生協運動史」を翻訳出版したこと、あわせて同じコープ出版の「わかばさんの見てわかるお店の仕事」も翻訳出版し、その著者・折戸功さんと私を一緒に呼んで今回の役職員研修会を開いたこと、などにその意欲が伺われた。
 ICOOPはグループ結成のころから日本のパルシステム連合の皆さんと積極的な交流をしてきているが、そのようなこともあってか日本語版の年次報告書をカラー刷り冊子で出している。日本では単協や事業連合で英語版の年次報告を出しているといったところはないので感心した。
 研修会は折戸さんの生協の店舗のあり方の話と私の日本の生協の歴史と現状についての話、ハムサムリム生協の方を含めたシンポジュウムといった形で70人ほどの参加で行われたが、その雰囲気にも韓国生協の若さ、元気さがあふれていた。

 小店舗と宅配事業
 ソウルで100坪ほどの生協店舗を2店見せてもらった。生協法の改正もあり取扱い商品は日常雑貨まで増えてはいるが、有機農産物やフェアートレード商品などが中心の店。折戸さんには「なぜバナナがないのか?日常生活に対応できない品揃えだ」と指摘されていたが、2店ともベーカリーがあり、1店は魚も対面販売でやっており、小店舗としては魅力をだす努力が伺えた。店舗組合員は300人ほどで小規模だが、特徴的なのは「会費組合員制度」があり、「店のコストは会費でカバーする」「会費組合員は特別な割引がある」ということで、100を超す小店舗で赤字店舗は数店だという。その仕組みの詳細や、出店は組合債で賄っているということであったが、それらの経営、財務構造は詳しくは分からなかった。08年に38店だった店は10年に96店、11年115店と増え、生協法上の規制が緩和された今、規模の拡大をふくめ出店に意欲的であった。

01-韓国 店舗表
生協店舗(クリック)

01-韓国 店舗1
店内

01-韓国 魚売り場
魚売り場(クリック)

 ICOOPグループでは店は単協直営のほか(株)コープストアの直営(8店)があり、宅配をふくめ(株)コープサービスが物流を担い、農産、青果、畜産などは「農業会社法人」が担当するなど20ほど数の別法人が分担している。今回のICOOPのリーダーたちとの懇談では、これらの株式会社などの組織は新たに制定された協同組合基本法に基づく生産あるいは労働協同組合に転換していきたいという意向もうかがえた。
新たに制定された協同組合基本法では「社会的協同組合」として「生産、流通、消費、教育、福祉、医療、スポーツ、娯楽など社会生活のあらゆる分野・領域に大小さまざまな規模と業種の協同組合を設立することが可能になった。」といわれる(丸山茂樹「韓国の『協同組合基本法』について」協同組合学会報)。グループの運営組織、事業組織は規模の割には複雑な印象だったが、これも新しい法制度のもとでの協同組合的組織としてな整備が進むものと注目された。そのような試みにも韓国生協人の協同組合運動への意欲が感じ取られた。(次回につづく)

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