コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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この間の情報2件について思うこと

[大友弘巳]

<1、「イタリアの生協の動向」を読んで>
 3月に生協総研から発行された生協総研レポートNo.69「欧州生協の動向2011」に、第3章として「イタリア生協の動向」が報告されていました。
 まだイタリアの生協連の2011年度の年次報告書は発表されていないとのことで、イタリアの生協の全国的状況は2010年の年次報告書に基づく報告であり、2011年度のことは、イタリア第2位の生協コープアドリアティカからの速報的報告の範囲での情報です。
 ギリシャに端を発した欧州の経済危機がイタリアにも及び、ベルルスコーニ政権の崩壊、マリオ・モンティ首相による財政均衡政策の実施などの激動の下でも、イタリアの生協は、2011年度も引き続き着実に前進を続けていることが報告されています。
 2010年度は、全国での組合員数の増加は例年並みの3%(740万人へ到達)でしたが、2009年に開催された第7回全国組合員集会で論議された組合員の参加を強めるための方針の実現に向けた活動の最初の年として、全国的に以下のような点への取り組みが進められており、組合員参加の強化のための努力が真剣に重ねられていることが注目されます。

① 経済的参加(組合員の店舗利用率アップ74.7%へ、近年上昇が持続)
② 出資者としての参加(総会や地域総会への参加者数は前年より10%増、7.6万人、組合員と役員が予算や生協のあり方について議論する会議や政策論議の会議、組合員投票を行う定款や規約の改正など)
③ 社会的参加(組合員による自主的な活動に加えて、選挙によって選出する委員による様々なプロジェクトによる活動)
④ ガバナンスへの参加(意思決定と執行を二分するガバナンス改革、組合員理事による経営計画策定への参加、経営委員会の執行への監視など)
⑤ サービスへの利用参加(組合員の店舗への評価の声を集め、最も要求の高かった課題での改革を実行)などが進められており、組合員参加の強化のための努力が真剣に重ねられていることが注目されます。
 また、9大拠点生協のひとつコープアドリアティカは、2011年度に新たに11店舗を開店し、組合員数は4.3%増で115.6万人へ、事業高は2.4%増で20.82億ユーロとなっており、中北部ではハイパーマーケット中心から近隣型店舗にシフトし、歴史的中心部での新規開店と再開発が進められているとのことです。
 2009年11月に訪問した日本の生協からの視察団の報告では、9つの拠点生協が更なる合併に動き出した(3つずつ1つにしていく)。コープアドリアティカの人々が口々に、「これからの競争に勝ち抜くには9人の意思決定では遅すぎる、3人で迅速な意思決定を目指さなければいけない」と語っていることに驚いた。イタリアではここ数年のうちに9つの生協が3つに統合される見込み、などとされていました。
 しかし、コープアドリアティカの2011年度の活動の報告の中では、同生協を含むアドリア海地区の3つの拠点生協合併のことについては何ら触れられておらず、現実には2009年視察団報告のように進んでいる様子はうかがえません。重要な問題ですから、もし進行しているのなら、中心的な話題として報告されるはずです。
 2年半前に聞いてきたことと、2011年度報告の内容との落差が大きいことを感じ、その理由は何なのか、更なる調査と報告がされるよう期待したいと思います。
 イタリアの生協から、もっと深く、真摯に学ぶことが必要ではないかと痛感します。
 
<2、流通業界で進む再編、経営統合や買収、提携について>
 4月から5月にかけて、流通業界で進む再編について、新聞報道が相次ぎました。
 4月中旬には北海道から東北へとグループの輪を広げている「アークス」が、岩手を主な基盤としている「ジョイス」と経営統合を進めることを発表。5月12日には、家電量販店第5位のビックカメラが、6位の「コジマ」を買収して子会社とすることが発表されました。
 そして、5月16日の朝日新聞の埼玉県版には、「ヤオコー、ライフと業務提携へ 『元気印』さらに強く」「東京・神奈川出店攻勢」という見出しの記事が大きく報道されました。
 これまでどこのグループにも属さずわが道を歩んできたヤオコーが、スーパーマーケット業界首位のライフとの提携に踏み切ったことが注目されます。
 こうした経営統合や買収、提携などが進められている目的についての解説を読むと、仕入れの統合や独自ブランド商品の共同開発など、規模によって価格競争力を高めることが中心的な目的であることが共通しています。
 アークス・グループ(253店、売上高3,481億円)については、このブログの今年1月7日のページに紹介した通り、グループ企業が資本を出し合って持ち株会社アークスに「資本提携・経営統合」し、それぞれがCGCグループに加入して進めてきた共同仕入れをさらに強化して価格メリットの追及することを目的としています。 
 その一方で、参加企業は形としてはアークスの子会社となるものの「連邦・分権」を大切にする「八ヶ岳連峰経営」の考え方、運営を取っており、ジョイス(36店、売上高400億円)の場合も、引き続きジョイスとして、これまで通り地域に根ざして自立した事業運営をいっそう強化することになるものと思われます。
 ビックカメラの場合も、コジマの株の過半数を握ることによって子会社とし、仕入れを統合することで規模のメリットを実現することが目的と社長が語っており、コジマという会社がなくなるわけでもコジマを名乗る店舗がなくなるわけでもないとされています。
 ヤオコーは埼玉県を中心に118店舗を擁し、売上高2,873億円、営業利益107億円、ライフは近畿圏と首都圏の二つのリージョンで合わせて227店(首都圏では100店)を展開し、売上高5,031億円、営業利益は110億円、両者の売上高の合計は7,404億円となり、ライフとヤオコーと合わせたグループとしては、業界2位のアークス・グループを大きく引き離し、断然トップの規模となります。
 両社が提携して進めることは、商品の共同調達やプライベートブランド商品の共同開発、店舗で使う資材の調達、生鮮品を加工するプロセスセンターの相互利用などとされています。、
 ヤオコーの社長は「現在の路線を一層強くしていくための提携だ」と強調しており、単独だったこれまでよりも、グロッサリー部門などで規模のメリット、価格競争力を強めることを主な目的としているものと考えられます。
ヤオコーとライフの場合は、経営の統合でも資本の統合でもなく、まったく対等の提携(協力共同)の関係であり、それぞれの事業戦略や自立性は一層生かされ、発揮されるものと思われます。
 以上の通り、経営統合や買収の場合でも、提携の場合でも、まとまることによる規模のメリット、価格競争力の強化が目的となっている点で共通していると同時に、上記三つの事例のいずれもが、店舗の経営については各企業の自立、これまで築いてきた地域での信用やつながりを大事にし、それぞれの経営者と従業員が頑張ることを大切にすると言う点でも共通しています。
 生協の各地の事業連合は既に20年前後の歴史を積み重ねてきており、共同仕入れ、商品の共同開発など、リージョナル単位での規模のまとまりだけでなく、日生協の下、全国の規模をまとめての共同もかなり実現するなど、まとまることによる価格競争力強化の仕組みは概ねできており、それ(事業連帯)に磨きをかけることこそが生協の課題と思われます。
 店舗や宅配事業の運営では、アークス・グループやヤオコー&ライフグループの行き方から学ぶべきことが多いと考えさせられます。
 


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