コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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組合員の財産の統合について、きちんと検討と説明を

[大友弘巳]

<生協の合併は、組合員一人ひとりからの賛同が必要な理由>
 以前にも述べた通り、合併とは、事業の統合、組織の統合だけではなく、経営の統合、資産の統合も行うことです。
 資産の統合の一部として、組合員一人ひとりが出し合っている出資金や、事業経営の中で生み出された剰余金(それは積立金や準備金の形で組合員の共同財産として蓄えられています)などの財産の統合(いわば財布を一つにする)も行います。それらはすべての組合員に権利があることですので、その取扱いについては、組合員一人ひとりから賛同いただくことが当然に必要なことと考えなければなりません。
 生協法でもそのように配慮して決められており、改正されるまでは、文字通り過半数の組合員が出席する総会で3分の2以上の賛成による議決が必要でした。
 組合員数が多くなって全員が一同に集まることは困難になった中で、書面による議決参加を取り入れ、過半数以上の組合員の書面による議決参加を得て、その3分の2以上の賛成を得て議決する方式が一般的になりましたが、それはまぎれもなく総会の一つの方法であり、大方の組合員の賛同を得ることによって、すべての組合員にそれに従っていただく拘束力を持てることになっています。

 生協法が改正されたとき、大規模な生協や、長い歴史を経て組織管理が崩れて総会の開催が困難になっている生協などへの対応として、合併を総代会でも決めることができることが認められることになりました。ただし、組合員からの異議申し立てが多数(さいたまコープの定款では5分の1以上)出た場合は総会を開かなければならないことも決められており、そうした事態を招かないために、総代会で決める前に、大方の組合員からの理解と納得を得ておくことの必要性が議論し合われた経過があります。
 首都圏の3生協は、大規模生協になって組合員一人ひとりへの対応が困難になっているとはいえ、出資金や剰余金など個々の組合員の権利にかかわるような事柄について、大方の組合員からの理解と、納得、支持、賛同を得るためにこだわって努力することは、組合員の出資、利用、運営参加の三位一体を原則とする参加型民主主義組織としての生協として、何よりも大切にしなければならないことはいうまでもありません。
 そのように努力しなければ、組合員は生協に無関心になることもありますし、また、不信感をもたれた場合には、出資金を減らしたり、利用結集を弱めたり、運営参加を弱めたりすることになり、最悪の場合は脱退してしまうことにもつながりかねません。

<対等な合併とは、対等に応分に拠出(負担)しあうことがあってこそ>  
 先に行われた「夢アンケート」が、合併の賛否を問うものではなかったことは、多くの組合員の共通認識ですし、社会的常識に照らしても、合併についての賛否を問う内容ではなかったことは明瞭です。
 これから通常総代会で、合併の進め方などを検討するに当たっては、あらためて合併契約の内容について、大方の組合員が理解し、納得できるところまで時間をかけて努力を尽くすと共に、賛同の意思を確認するための賛同署名、または賛否を問うアンケートなどを行うことが求められて当然です。
 その場合、合併契約書(案)に盛り込まれる重要事項の内容を提示して、組合員に分かりやすく説明する責任が、各生協の理事会にあることは言うまでもありません。
 特に今合併の検討を進めている3生協の間で、組合員一人当たりの出資金や剰余金についての格差がかなり大きいだけに、格差があってもそのまま新生協へ引き継ぐようにしたい理由を明らかにし、丁寧に理解と納得を得る努力をする必要があると思われます。 
 ところが、先日のコープミーティング資料に掲載されていた内容では、組合員一人当たり財産の格差が大きいことについてはいっさい触れられておらず、単に総額をそのまま新生協に引き継ぐとしか書かれていません。原文は以下の通りです。
 「(1)財産引継ぎの考え方 ①人と人の結合である生活協同組合の性格と対等な精神で組織合同するという基本にしたがって、財産については3生協の組織合同前の適正な帳簿価格で新しい生協が引き継ぐこととします。」
 純資産(=出資金+剰余金)の総額にさほど大きな違いがないことは確かです。添付されている3生協概況表によれば、ちばコープ=373億円、さいたまコープ=392億円、コープとうきょう=389億円となっており、大差ありません。しかし、これでは対等とは言えません。組合員数や事業高の規模に応じて、大きい生協はそれなりに多くの純資産を拠出することがあってこそ、はじめて対等平等といえることであるはずです。
 「人と人の結合」「対等な精神」を謳うのであれば、組合員数に応じて応分に財産を出し合ってこそ対等平等と言えることです。つまりは、組合員一人ひとりが出し合う財産が対等であってこそ、真の意味での対等平等と言えることではないでしょうか。
 通常総代会への提案が、コープミーティングへの報告のままの内容であって良いとは思えません。少なくとも、以下に紹介する格差の実態についてきちんとした説明と、今後どうするのかの方針を明らかにする責任が理事会にはあると思います。

<組合員一人当たりの純資産、出資金、剰余金の格差の実態>
 「3生協概況表」から数字を拾って、組合員一人当たりの財産(純資産)を計算してみると、以下の通りです。
 ちばコープ=57,474円、さいたまコープ=46,282円、コープとうきょう=31,268円。
 ちばコープの金額を100としてみると、さいたま=80.4、とうきょう=54.4となり、ちばコープの組合員は、コープとうきょうの組合員より1.8倍強の財産を新生協へ拠出することになります。
 出資金について同じように計算してみると
 ちばコープ=30,971円、さいたまコープ=27,598円、コープとうきょう=16,960円。
 ちばコープの金額を100としてみると、さいたま=89.1、とうきょう=54.8となり、ちばコープの組合員は、コープとうきょうの組合員より、これまた1.8倍強の出資金を新生協へ拠出することになります。
 長い期間努力して積み立ててきた剰余金(積立金、準備金などの形で計上されています)について同じように計算してみると、
 ちばコープ=26,503円、さいたまコープ=18,634円、コープとうきょう=14,308円。
 ちばコープの金額を100としてみると、さいたま=70.3、とうきょう=54.0となり、ちばコープの組合員は、コープとうきょうの組合員より1.85倍の剰余金を新生協へ拠出することになります。
 このように見詰めてみると、今回の3生協の合併提案の内容は対等合併といえるのかどうか、いささかならず疑問です。
 出資金は、どの生協でも、宅配利用組合員と店舗利用組合員との間では格差がある実態から、店舗利用組合員の構成比が高い生協では一人当たり出資金が低いことは止むを得ないと言う考え方もありますが、今回の場合、本当にそのように大目に見てよい範囲かどうかの検証が必要なレベルの格差の大きさではないかと思われます。
 なぜなら、店舗利用組合員の構成比でコープとうきょうとさほど大きく違わないさいたまコープとの比較でも、組合員一人当たり出資金でみると、さいたまを100とすると、とうきょうは61.4という大きな格差があるからです。
 実態を組合員に正直に知らせて説明すると共に、この格差をどう縮めていくのか、あるいは、当面格差があっても組合員にとって合併を進めたほうが良いと判断される妥当な理由があるのなら、それを明らかにして、組合員からの理解と納得、賛同を得られるように努めることが必要と考えます。

<さいたまコープの過去の合併の経験から>
 私は、こうした組合員一人当たりの財産の拠出額に格差がある場合の合併にはいっさい反対だと言っているわけではありません。
 さいたまコープでもかつて、二つの源流である埼玉中央市民と埼玉南部市民生協とが合併したときは、経営破たんしていた南部市民生協の経営再建にまず協力し、赤字店の閉鎖など手術が終わった時点で事業を受託。黒字経営に転換して2年間で累積赤字をほぼ解消してから、合併を実現した経験があります。
 それは隣り合わせの南部市民生協が倒産するなどの事態になれば、県内生協全体の信頼性に大きなダメージを受け、埼玉中央市民生協にとってもマイナスの影響が大きくなることが心配されたこと、当時の埼玉中央市民生協は共同購入が急速に発展し、収益力も高かったので、その力で支援して南部地区での共同購入を広げていけば赤字解消は短期間で可能と判断されたこと、そしてそのことを埼玉中央市民生協の組合員から信頼され支持していただけたことがあって可能となったことでした。
 このときはもちろん、両生協の組合員が出し合った財産は対等とは到底言えない状況でしたが、南部地区の組合員の生協再建への熱意は高く、職員と一緒になって組合員自身による共同購入の組合員拡大が急速に進みつつあり、中央市民生協に準じて出資金も増強できると見込みが立っていたなかで、組合員から合併への賛同が得られたのでした。
 埼玉中央市民生協と埼玉市民生協の合併(当時としては大型合併でした)のときは、3年がかりで市民生協さいたま事業本部、組織本部、管理本部と機能統合を進めると共に、その連帯、統一の力で共同購入のセットセンターや、共同購入と店舗の両方に対応する生鮮加工センター、精米センターなどの建設、そして各地にSM店舗を順次開設を進めるなど両生協の飛躍的発展を目指そうとしていました。
 そのためには資金が足りないことが明らかで、両生協とも出資金の大幅な増強が必要という認識で一致し、埼玉中央市民生協が先行して1万円増資運動に取り組んだことに続いて埼玉市民生協でも5千円(ただしなるべく2口1万円を呼びかける)増資の大運動に取り組みました。 どちらも組合員の約3分の1から大金の増資協力を得、結果として、僅か2年ほどの間に、組合員が大きく増えたこともあって、埼玉市民生協では出資金総額で約2.2倍化、埼玉中央市民生協では約1.8倍化を達成、組合員一人当たり出資金でも、埼玉市民生協では4,061円から7,064円へと1.7倍強に飛躍、埼玉中央市民生協でも、5,950円から8,649円へと1,5倍近くに高まり、両生協間の格差も大幅に縮めることに成功しました。
  このように、さいたまコープでは、合併を進めるに当たって、多数の組合員からの理解と納得、協力を得て、一段階飛躍する貴重な機会となることを経験してきたと言えます。とうきょうやちばでも、きっと同じような経験をしてきたはずです。
 合併を飛躍の機会とできた要因は、組合員の討議を徹底的に進めて、出資、利用、運営参加を強める機会とできるよう努力してきたことだったことは間違いありません。

<合併はさまざまな違いについて厳密な検討が必要です>
 今回の合併の検討は、まだ内容の検討が不十分な上、組合員の討議が不十分と感じています。大規模組織になった生協同士で、多様な組合員の大方からの理解と納得を得るためには、それなりの実のある提案と、大きなエネルギーをかけての討議、反対意見や慎重論も紹介して、それを乗り越えるほどの提案の練り上げなどが必要と思われます。
 かつて県内で合併を進めたときには、事業連合の設立が認められておらず、事業連帯を本格的に進めるためには合併を進めるしかなかったのですが、その後事業連合の設立が認められるようになり、コープネット事業連合が設立されたわけで、事業連帯をより充実発展させるか、合併を進めるか、選択肢が出来ている中での合併の選択については、組合員にとって十分に納得できる説明と検証が求められます。
 事業連帯であれば、組合員が拠出している財産のレベルの違いまで問題にすることは必要のないことですが、合併となると、財布を一つにすることだけに、違いを見過ごすわけには行かないことは当然です。
 組織体質の違い、出資金に対する考え方の違い、などなど、大事な点での違いがあるように見受けられますが、それらをどう一致させるのかも見えてきません。
 組合員の貴重な財産のことも何ら具体的に明らかにされておらず、組合員に賛否を問う前提が整っていないと思います。
 そのため、大方の組合員はまだ関心が薄く、理解と納得、支持、賛同はごく一部にしか広がっていないのが現状ではないかと思われます。既に支持、賛同しているとされている方々も、組合員の財産の拠出について格差があることなどは気がついておられない可能性もあり、合併契約の内容次第によって意見が変わることもあるのではないでしょうか。
 そうした中、5月の地区総代会、6月の通常総代会で合併の方向を決めることは、「時期尚早」と言わざるを得ません。

<組合員の財産は、これからの競合など危機に備える上で決定的に大事です>
 先日報告したように、セブン‐イレブンが弁当宅配配達料の無料化を始めるということで、生協の宅配事業にとってかつてない競争を迎えようとしています。店舗でも上尾市をはじめ各地で異常なまでの競合激化を迎えようとしています。
 これからそれらに立ち向かうためには、これまで組合員が積み上げてきた出資金や、組合員と職員の努力で蓄えてきた剰余金は、各生協がそれぞれ自生協の組合員のために優先的に活用すべきものであると思います。
 なぜならそれらは、自分たちの生協のために、ひいては、その生協の組合員のために活用することを前提にして出資され、蓄えられてきたものだからです。
 合併を進めて、財布が一つになってしまえば、その中のお金をどう使うかは、新生協の財布の管理者(常勤役員)の判断に大きく委ねられることになります。(もちろん理事会でチェックされますが、それはその投資が適切かどうかの判断が主となる範囲です)
 その判断が、組合員一人当たりの財産の拠出が多かったところにはそれに応じて使われるということになる保障はありません。
 結果として、拠出に応じた使われ方がされなくなる、つまり、多く拠出していた生協の組合員にとっては合併前よりも自分たちのために使われる金額が減ってしまうことになる可能性があることが考えられます。
 それではこれまで出資し、蓄えに賛同してきた組合員の思いと違うわけで、私は、さいたまの組合員が拠出している財産は、さいたまの組合員のための事業を持続的に発展させるために使える状態にしておくことが必要な時だと思います。差し迫ってくる危機への備えとして、一時的に赤字になっても頑張れるための資金として大事にしなければならないと思います。 そう考えると今は合併どころではないと考えざるを得ません。
 今は、合併して巨大化する新生協のために、分不相応の負担を請け負うようなことが妥当な時とは思えません。
 もしどうしても合併を進めたいのなら、それだけの必要性や大義があるのなら、それを組合員に訴え、一人当たり出資金が少ない生協では大増資運動を進めて組合員一人当たり出資金を引き上げ、合併相手の生協の組合員に心配をかけないようにすることが必要と考えるものです。
 安易に合併を進めることは、生協の強みを薄めることになってしまう恐れがあり、体格が大きくなっても、体質が弱体化するようでは、これからの怒涛のような競争に耐えていくことが難しくなるのではないか、と懸念されるからです。

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コメント


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財産の格差について、わかりやすくまとめていただきありがとうございます。

私は3生協の合併を考えるときに、約10年前に合併した、さいたま市(大宮・与野・浦和)のことが浮かんできてしまいます。
住民投票は行われず、3市の市民たちの意思を確認することもなく、合併は進められました。

合併して11年たちますが、合併時に約束されていたさいたま新都心への市役所の移転はいまだに行われず、市役所は浦和のまま、また、予算の大半は浦和の開発につぎこまれています。
大宮の北部にあった医師会市民病院は、老朽化を理由に浦和寄りの西区に移転されてしまい、「命も浦和優先か?!」と怒る人も多いと聞きます。

対等合併であったはずなのに、大宮と与野は浦和に吸収されたようなものです。


>これまで組合員が積み上げてきた出資金や、組合員と職員の努力で蓄えてきた剰余金は、各生協がそれぞれ自生協の組合員のために優先的に活用すべきものであると思います。

私もそう思います。
さいたま市でも、旧大宮市民が支払った税金は大宮のために使えるようにするべきだと訴える議員さんがいらっしゃるようです。
大宮市が保有していた優良な土地が、合併後に民間に売却されてしまった例もあります。

さいたまコープの財産が納得のいかない使い方をされたり、知らない間に資産が売却されることがあってはならないと思います。
合併後に「こんなはずじゃなかった…」と泣きたくありません。
合併は本当に必要なのでしょうか?
経営陣には本当のことを語っていただきたいです。

さいたママ | URL | 2012年05月07日(Mon)10:46 [EDIT]


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