コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

上尾市での流通業激戦化にどう向き合うか、大いに議論を

[大友弘巳]

<「地域でいちばん大切にしたいお店」~OB仲間からの意見 その1> 
 上尾の激戦の難局をどう乗り越えるか、私より若く、しかし経験豊かなOB仲間たちから寄せられた傾聴に値する意見を二つ紹介したいと思います。 
 一つは、3月31日の朝日新聞「be」版に、2ページにわたって紹介された「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者「坂本光司氏(法政大学教授)」の経営論から学ぶ必要があると言う意見です。
 「経営層の仕事は、徹底して社員のモチベーションを高めることであり、顧客満足度や業績向上は社員の仕事である」、というシンプルな経営論です。「情報を伝え、現場の職員・パートさんの主体性を引き出し、本部(さいたまコープとコープネット)がバックアップするというのが基本です。利用しやすい買い場、清潔な買い場、親切で気持の良い瀬客応対、負けない鮮度と応分の価格など、『コープへの信頼』を高めなおすチャンスにしないといけないでしょう」と述べています。

 コープの店舗が、多くの組合員、地域の住民から、「地域でいちばん大切にしたいお店」として信頼され支持されるようになることを目指すべき、という意見と受け止めました。
 それは主として店舗の現場の力によって実現されるものであり、現場の力を引き出せるようにし、バックアップするのがトップと本部の役割、という主張です。
 「日本でいちばんたいせつにしたい会社」はベストセラーになっていて、昨年末に「第3集」が発売されており、その本の「はじめに」の中で、著者は以下のようなことを述べています。
  「およそ40年間、全国の中小企業を訪問し、その経営の現場をひたすら見てきて、そのうちのおよそ1割の企業は、好不況にかかわらず、その業績がほとんどぶれていないことに気がついた。……それらの企業には、景気は関係なかった。……こうした企業の最たる共通項とは、人を大切にする、人の幸せを念じた経営が貫かれていること」ですと。
 この本に紹介されている企業は、取引先や消費者から「たいせつにしたい会社」として固く支持され、結果として着実に発展している現実があるわけで、真摯に学ぶ価値があると思います。
 昨年8月28日付けのこのブログの記事「ヤオコー躍進の原動力~一つひとつの店を地域一番にしていく『理念と戦略』」で紹介したことと共通性があり、「チェーンストア運営では坂本教授の経営論は当てはまらない」などと言うようなことはないはずです。
 ましてや、人と人との助け合い、協力共同を目的とする生協の組織においては、一般の企業以上に大切にすべき経営論と思われます。

<「出資に託した組合員の願いに応えるトップと専従者集団」~OB仲間からの意見 その2>
 もう一つの意見は、拙著「生協の持続的発展を願って」に寄せられた感想文の中の一部であり、上尾の競合激化への対応と言う想定で書かれたものではありませんが、今の状況にマッチした意見と受け止めました。 上記の意見その1と共通している内容が多いのですが、組合員の出資の意義に触れられている点が特徴です。
 「優れた企業には、共通項があります。個人の特殊な能力と言うより、生き生きと働く社員集団がいるということです。そして、それを可能にしているトップの理想とリーダーシップの発揮。生き生きしているから、個人個人が創意工夫できるのです。それが原動力となって、さらに発展する。私は“生協再生の鍵”はここにあると思います。
 理想の原点は、生協の出資金に体現されています。消費者ひとりひとりが自分の買いたいものを買うために、自ら出資した組織と言うことです。」
 「もう一つの鍵は、受け止めて、期待された商品やサービスの実現のために汗水をながす“専従者集団”がいるということです。(中略)この原点を徹底することが生き残れる道でしょう。規模の大きさなどは誇るにたりません。どれだけの人から、生協があってよかったねと実感をもたれるかが、存在価値の全てです。」と述べています。
 生協は、消費者一人ひとりが自分の買いたいものを買うために、「自ら出資した組織」である、としているのは、出資金には組合員の願いが込められていることとして捉えられ、その願いを体現する理想をトップが実践しようとするとき、トップへの信頼が高まり、その理想を受け止めて、専従者集団が汗を流そうとする自覚と意欲が高まるという関係を指していると受け止められます。
 この点は一般企業では考えられない関係性であり、だからこそ、組合員からの期待や要望に応える内容の理想と、それを実現しようとするトップの熱意とリーダーシップが、一般企業以上に求められると思います。
 以上、二つの意見はいずれも極めて大事な問題提起をしていると思われ、これからどうするかの議論のために大いに役立つはずと考えて紹介させていただきました。
 
<単協のトップのリーダーシップが発揮しやすい組織を作ることが前提>
 上記の二つの意見の実践のためには、トップのリーダーシップが発揮しやすい組織であることが必要ですが、コープネットグループの3生協は、単協のトップの重要な機能である店舗運営指導まで事業連合に統合しているため、単協のトップのリーダーシップがストレートには発揮しづらいと言う矛盾を抱えています。
 2年前(2010年1月)、コープ新所沢店が、ヤオコーの出店によって西友と挟み撃ちとなり、激戦にもまれたことがありました。
 あの時点では、危機を感じたさいたまコープのトップが現場に強力に対応して新所沢店で働くパートさんも含めた職員の頑張りを引き出し、コープネットの店舗運営部や商品部もそれに呼応する関係が出来て、共々頑張って競合対策に取り組んで供給ダウンを食い止めたと聞き、それは良かったと思っていましたが、その後、通常の運営に戻ったせいか、その頑張りを長期にわたって持続することができず、2011年度上半期では供給高がかなり前年を下回る状況(前年比91%)となり、赤字店に陥ったようです。
 ヤオコーの地域一番店主義、それを支えている店舗に権限を与える分権的運営の強みが発揮され、ヤオコーがコープ新所沢店をマークして着々と改善を積み重ねていることに押されている結果と思われ、競合相手がヤオコーの場合は特に大変なのだろうと感じます。
 上尾の二つの店舗に限らず、これからはどこでもますます競合が激化していくことは避けられないことを踏まえて、現場の力の発揮とその向上を持続的な取り組みとするためには、単協トップがリーダーシップを発揮しやすい組織に改めることが必要であることを痛感します。
 そもそも、チェーンストア理論の原理原則でも、リージョナルチェーンとは、ローカルチェーンの集合体であり、店舗はローカルをさらに分割したエイリア単位でエイリア・マネジャーの権限と責任でマネジメントすること、特に競合対策については、エイリア単位でそれぞれのエイリアの地域状況、競合状況に応じて戦うことと教えられてきたはずです。
 チェーンストア理論原理主義は万能ではないと思うことについてはこれまでたびたび述べてきましたが、人間一人の能力には限界があり、分業による役割分担が必要であることは当然のことと私も考えています。
 個店やエイリア単位での競合対策までコープネット事業連合のトップが請け負うこと自体に無理があることはチェーンストア理論に照らしても明瞭であり、エイリア・マネジャーに権限と責任を委ねること、そしてエイリア・マネジャーを指揮するのはローカルチェーンマネジャーであることを踏まえ、店舗の運営指導は単協のトップに戻すことを急ぐべきです。 
 もし3生協が合併を進めることになった場合でも、各都県には都県本部長を置くことが考えられているのですから、その場合でも運営指導はその都県本部長が担うことが必要なはずであり、運営部を単協(ローカルチェーン本部でもある)に戻すことにためらう理由はないはずです。
 そのことの改革が遅れれば、それは競合対策で持続的な取り組みを積み重ねることが出来ない状態を続けることになり、上尾市以外にもこれから各都県各市町村で激烈な競合が起きることは間違いない状況に的確かつ迅速に対応することができず、コープネットグループの店舗事業の崩壊を早めることになると懸念せざるを得ません。

<生協組合員の出資、利用、運営参加の三位一体の原則を生かして>
 人と人の助け合い、願い実現のための協力共同の組織として、組合員から信頼され支持を広げて発展してきた生協として、この難局を乗り越えるためには、組合員が『出資し、利用し、運営に参加する』という三位一体の組織であることを生かした実践が今こそ大事になっていると思います。
 出資と利用を高めていただけるかどうかは、運営参加を高めていただけるかどうかが鍵となっていると思われます。
組合員自身が進める活動の組織については、かつての班や地域(あるいは店舗)運営委員会のような組織を再構築しようと考えても難しいわけで、自主性、自発性に基づくゆるやかな組織を、ネットワークしていくことが基本だと私も思っています。
 そして、それを促進するためにはまず、教育(学び)の活動を、協同組合原則の第5原則(教育、訓練および広報)に基づく実践として、もっと充実強化することが必要になっていると思います。楽しくためになる活動として創意工夫すれば、大いに可能性があるはずです。
 そして、もう一つは、組合員の声、要望・意見を出すことでの参加を基本活動として徹底的に取り組むことが考えられます。
 ひとこと運動などこれまでも取り組まれてきましたが、最近は弱まっていることはないのでしょうか。
 先日取り組まれた「夢アンケート」のような郵送方式だけでは、多くの方々からの回答を得ることさえ困難になっていることが明らかとなったわけですが、それであきらめているわけには行かないと思います。
 激烈な競合に巻き込まれても、生協の店を、自分たちのお店、「地域でいちばんたいせつにしたいお店」として利用し続けてくれる組合員を増やしていくには、一人ひとり組合員の願い、要望・意見をしっかり伺い、その実現のために努力するとともに、組合員にも利用や協力をお願いする、そのような関係を着実に作り、広げていくことが、欠かせないのではないかと思われます。
 本気で徹底的に取り組もうとすれば、店頭ではもちろん、地域へ入り、各戸を訪問して意見をお聞きすることも必要となるはずです。
 その店舗で働く人たち、その地域で宅配の配達を担当している人たち、周辺エイリアの事業所で働く人たちからの応援、OBや組合員のボランティア応援、などの参加が得られれば、多くの組合員から声、要望・意見を出すことでの参加が得られ、生協への信頼回復、利用の再開や来店頻度アップのきっかけにもなるはずです。新たな組合員の加入を得ることにつながる可能性もあると思います。
 こうした取り組みと合わせて、店舗現場で、声、要望・意見に応える仕事に取り組むこと、それを店舗運営部がサポートすること、そして本部の商品部が迅速に対応すること、
こうした連携がスムーズに進むように単協のトップが仕事をすることが求められているのではないでしょうか。
 既に、上尾では、組合員の中から、生協はどうなるの、コープ今泉店は大丈夫なのと言う心配の声が広がりつつあり、同時に頑張ってほしいという、期待や要望の声も聞こえてきています。生協からの対応を急ぐべきと痛感しています。
 組合員からの要望・意見に真摯に耳を傾け、上尾での激戦をどう突破していくか、大いに議論し、「地域でいちばんたいせつにしたいお店」になっていく道筋を明らかにしてほしいと願っています。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

ジェフ・ベゾスの思想

今朝、こんな興味ある記事をよみました。
「「顧客中心」と言い張る企業の“嘘”を教えよう 米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEOインタビュー(前編)」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120427/231454/?P=1
Amazonは、現在は生協の競合とはいいにくいかもしれませんが、参考にすべきはたくさんあるように感じます。(そう遠くない将来、強敵となって登場する=そういう商品分野へ彼らが進出する可能性も低くはないと感じています)
もしも、Amazonで買い物した経験がなかったら是非経験していただきたいと思います。なぜ、Amazonが一人勝ちしているのかすぐに分かります。(Amzaon.co.jpとamazon.comの両方使ってみるとより納得できる)

前田 利人 | URL | 2012年05月01日(Tue)07:48 [EDIT]


上尾での競争激化の問題ですが、大店法時代から生協の店舗開発力は特に立地選定においてあまり得意とはいえなかったように思います。また現在も同様のように思えます。さて、既にSM業態はオーバーストアが当たり前になっている地域が全国的に増え、得意分野の少ない企業は何れの地域においても苦戦しております。

もうそろそろ、生協スタイルを作る必要性が高まっているのではないでしょうか。隣に非常に強力な店舗が出店してきても、客数が落ちるどころか、むしろ隣の店の集客力までも自店のお客とする店舗が、これから生き残る店舗ではないかと思っています。雑草型店舗とでも申せましょうか、如何なる逆境でも生きてゆける「したたか」な店舗(無店舗販売も含む)で在り続ける事を生協も目指して行かなくてはと、アウトサイダーの勝手な言い分です。

田村洋三 | URL | 2012年05月01日(Tue)22:07 [EDIT]


Re: ジェフ・ベゾスの思想

前田様

貴重な情報をお知らせいただきありがとうございました。
拙著「生協の持続的発展を願って」をアマゾンへ注文して購入して下さった方がかなりおられましたので、私もアマゾンの便利さを知っておりますし、私自身も買い物をしたこともあります。
友人たちの中にも、アマゾンを利用したことがある人が増えているように感じています。
仰るとおり、生協は大いにアマゾンを研究し参考にすべきと思っています。

大友弘巳 | URL | 2012年05月01日(Tue)22:36 [EDIT]


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。