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41年前、岡山で原発建設をストップさせた

[吉永紀明]
 先日、岡山で「イレブンアクション岡山実行委員会」主催の「41年前、原発誘致を阻止した岡山県民」の講演会に出席した。
 当時この活動に関わった、元県議会議員で現在社会民主党岡山県連合幹事長の福島かつ美さんが講師でした。
 この問題は、中国電力から建設候補地に挙がった日生町(ひなせちょう)と県議会の関係者などのかかわりだけで、必ずしも岡山県全体に広がったものではなかった。しかし、地元のがんばりで、建設を阻止した意義は大きかったのではないかと聞いていて思った。
 福島第1原発事故以来、全国的に脱原発の動きが広がり、検査のために停止された原発の再稼動は難しくなっている。また、原発建設を計画している地区でも地元住民の反対運動などで、工事が進まない状況が出ている。
 今までも、原発を建設しようと電力会社が企画しても、地元の理解を得るのに苦労していた。
 それが、1974年6月3日に電源開発促進税法、周辺地域整備法など「電源三法」が成立をして状況が一変した。この法律に基づき、立地自治体や周辺自治体に多額の交付金が支給されることになった。
 各自治体に交付された金額はこの間、数十億円から、島根県松江市では300億円を越えていて、市町村財政への大きな貢献となり、大型施設の建設に使われてきた。
 これ以前は、原発が立地されると、固定資産税が増えることが目玉だった。

 1964年(S39)9月の日生町議会で「広島通産局で、鹿久居島に原発を建設するための実地調査をするそうだが何か相談はあったか」と質問が出され、町は「新聞を見て驚いた。何も関知していない」との答えがあった
 それから6年後の1970年(S45)1月30日に、中国電力から町長と町議会議長に、現地調査の協力要請がされた。鹿久居島は瀬戸内海国立公園の中にあり、環境庁の所管でもあった。
 鹿久居島が候補地にあがった理由は ①用地は国有地なので買収に都合が良い ②島に民家が少ない ③水島、播磨工業地帯の中間地点に位置する ④すでに中電は島根県鹿島に原発1号炉を建設中なので、今度は山陽側に建設予定である ⑤日生町は誘致運動をするのに都合よく保守的である としている。
 計画では、軽水炉型で総工費450億円、着工1974年度、営業開始1978年度の予定だった。
 その後、日生町議会に原発特別委員会が作られ、中電との交渉が行われ、鹿久居島島民や漁業組合とも話し合いが行われた。
 当初、町は原発が建設されれば、2~3億円の固定資産税が入ることにも期待があったようだ。
 また、漁協もあくまで反対だが、一次調査はあえて妨害しないとの態度を決定していた。
 町議会特別委員会や町民や漁協などが、福井県敦賀、美浜、島根県鹿島の原発推進地の視察などを行い、科学者の講演や原発の記録映画の上映会なども行われた。視察した町民は「想像したより安全だ。危険がないのなら・・」と消極的賛成が大半だと当時の新聞は報じていた。
 県議会でもこの問題が取り上げられ、長崎の爆心地から2キロで被曝し、1年以上も闘病生活をした経験を持つM議員は核の恐ろしさを強調して質問をした。知事は、鹿久居島での原発は、わが国の内海最初のものであり、厳正な調査をする必要があると答弁した。
 その後、日生町長の辞職にともなう町長選挙があり、保守系の候補と社共の統一候補が戦い、僅かの差で保守系候補が当選した。
 この当選を受けて、中電は「鹿久居島原発は関西電力と輪番制で開発したい。出力も75万キロワットと大きくしたい」と発表した。
 この発言に、県は事前に何の相談もないと態度を硬化させた。
 一方で、厚生省の自然公園審議会管理利用部会は、中電が申請していた建設のためのボーリング調査を認め、環境庁から正式認可が下りることになっていた。
 その中で、状況を一変させる事態が発生した。
 1971年(S46)2月に、運転中の敦賀原発付近の海で獲れた貝類が放射能に汚染されていることがわかり、5月にアメリカ原子力委員会が日本でも多い軽水炉型原子炉の緊急冷却装置の欠陥を指摘した。
 日生町漁協は、のりの養殖、カキの養殖に力を入れており、海の汚染に対しては人一倍気を使っていた。
 この敦賀での放射能汚染を聞いて、「基本的に反対」から「絶対反対」に態度を硬化させた。
 また、固定資産税についても、新設後5年間は3分の1、その後5年間は3分の2しか課税できず、さらに、2~3億円の固定資産税を歳入に加えると標準額をオーバーして、国からの交付金が不交付になることがわかり、推進を考えていた人たちには大きな痛手となった。
 2月10日、環境庁の発表を受けて、2月13日、14日の2日間で、日生、頭島漁協が原発反対の署名活動を行い、日生町民7800人のうち5200名の反対署名を集めた。
 また、3月13日岡山県議会総務委員会で、日生、頭島両漁協及び家島町民・漁協から提出の『鹿久居島原発反対の陳情書』が満場一致で採択された。
 これらの活動を受けて、2月16日に大石環境庁長官が「鹿久居島原発は不許可にしたい」と表明した。
 そして、3月16日の岡山県議会本会議で「瀬戸内海の原発は特段の考慮を払われたい」という意見書を採択し、関係大臣に提出した。
 3月18日、日生町定例議会は、「原子力発電所建設に関する決議案」を採択して、特別委員会を解散し、調査研究は中止とすることにした。
 鹿久居島周辺の水深は5~8メートルと浅く、しかも入り江になっていて、潮の干潮の差も少なく、潮流も弱いので、日本海や太平洋に面している原発立地とは明らかに違うという状況があった。仮に日生町に原発が作られていたら、海水汚染や、海水温度の上昇など様々な問題が起こったのではないかと思う。
 41年前にこのような運動があったことはしっかりと銘記しておく必要があると思う講演会でした。

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