コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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「2012年全国政策討論集会」の感想と問題意識のズレ

[加藤善正]
 このブログをご覧頂いている皆様、今年も宜しくお願い申し上げる次第である。100枚を越える年賀状では「おめでとう」と書きながら、今年ほど新年が「おめでたく」感じなかった正月は無かった。東日本大震災(地元の新聞にはこの災害のネーミングをこのように呼ぶことへの批判が多く、「平成三陸大津波」と呼ぶほうがよいという提言があったが、私も「東日本」という表現には違和感があるが・・・)による2万名近い死者・不明者の無念の死と一瞬にして「衣・食・住」を失い、「医・職・住」の先行きに目処がたたない多くの犠牲者の身に思いを寄せる時、「おめでとう」という気持ちが萎えて仕方が無かった。加えて、国民の声を無視して「TPPへの参加」「税と社会保障の一体改革」(一体改悪)「原子力ムラに巣食う輩の無反省な態度と再稼動の策動」「民主党内閣の防衛大綱・武器輸出3原則の緩和」「衆参院の憲法審査会の始動」など、新年を迎えた今年の我が国の姿は、民主主義を大きく後退させる出来事が目白押しという状況である。
 しかし、このおめでたくないこれからの1年を決して諦めることなく,99%の人びととの連帯を固めて、1%の人々が権力を振りかざして進める「利潤の最大化」の醜い策略と真正面から闘う決意に燃えた新年でもあった。

 

さて、例年の通り1月16~17日、日本生協連の「全国政策討論集会」が開かれ、参加者名簿では363名の数が記されていた。基調報告は矢野専務の「2011年度活動のまとめと2012年度活動方針の基調」であり、45分という制約もあり文字通り「基調」の域を出なかった。2011年度が、1)被災者支援と震災復興、2)2020年ビジョンの足元を固める、3)第11次中計の課題に取り組む、という3つの方針に取り組み、多くの成果と学びを得ることが出来、これからの社会の中で生協が果たしていく役割に確信をもてた年であり、供給状況は前年・予算を上回ったが、下期は楽観を許さないものである。という総括が述べられた。
 前日の全体発言(討論とはいえない)と翌日の分散会での発言や答弁を聞いて、私の感想のいくつかを報告する。また、全体を通じて何時ものことながら、現在の日本生協連と全国の生協の状況に関して持つ問題意識を述べて見る。ご批判もお願いしたいものである。

 ① 今回は最初に[東日本大震災に関わる取り組み]があり、基調報告も参加者発言もこれに関すものが多かったので、従来よりも「事業経営・商品政策・事業連合」などの課題が全面に出ない感じがあったが、全国の会員生協や2千万名を超えた組合員の共通の課題、その実践と総括が後に位置付けられている「計画上の欠陥」を指摘せざるを得ない。かつての日本生協連の全国方針はすべての生協の多くの組合員の暮らしや地域社会を取り巻く諸問題、今日的社会問題に対する生協という「理念・価値・モノサシ」に基づく「運動体」と、それらに対する運動や取り組みの課題が計画の前面に位置づけられており、この共通部分に対する組合員代表の発言や議論が活発に行なわれていた。しかし、ここ15年ほどの内容はあくまで事業経営の構造改革という名の収益性向上、事業連合への結集と商品管理問題が前面に出ており、事業連合に参加していない生協や組合員代表のこの部分での議論は後退していたが、今年もその形は継続されていた。「社会的役割」に関する課題」の議論も「運動」という言葉さえ使わず、「活動」に拘る計画と集約だけに、連帯しての取り組みや教訓が導き出されず、それそれの「発表」の域を出ないものであった。
 ② コープとうきょう・さいたまコープ・ちばコープの3大生協の合併に関する報告、コープかながわ・コープしずおか、市民生協やまなしの合併に関する発言も、当事者生協以外のこの問題に関する発言はなかった。但し、コープネットに参加しているいばらぎコープからは、コープネットと3大合併生協との難しい関係性の問題ではなく、生協法改正による県域撤廃を求める発言があり、少し異様に感じた。また、ユーコープの合併に関して、「店舗事業の赤字体質」とその要因の一つである「職員の体質改革」などの問題を解決するために、「新しい生協づくり」としての合併の必要性が強調された。しかし、「店舗事業の赤字」は生鮮部門や惣菜部門の弱体などが問題であり、職員の問題もTOPをはじめとするマネジメントの問題であることは明白にもかかわらず、その「原因と結果」「弱点の真因」を解明してその解決・実践ではなく「合併による新しい生協」が出来ればこうした問題が解決するような「思考停止」には、いささか驚きの感じを禁じえなかった。
 ③「TPP参加問題」[社会保障と税の一体改革」(とりわけ消費税増税問題)に関する運動の必要性、国際協同組合年にける「生協の社会的役割・協同組合間協同」「市場原理主義からく共生・協同の社会づくり」などを重視して、12年度方針における積極的な取り組みを求める意見も相次いだが、矢野専務は「消費者としては兼業農家としてTPPには反対だが、自分もしくは子供が近くの工場などで働いており、TPPに参加した方が給与も上がるかも知れず、消費者は二面性を持っており賛否を決めるのは難しい」などという、「迷答弁」で避けていたがTPPの本質や影響を「損か得か」という次元でしか捉えない問題認識に唖然としたのはわたしだけでないと感じた。
 ④ 私は「21世紀ビジョン研究会」(96年、1年半開催)で日本生協連常勤役員と激しく議論したのは、「運動」という言葉は「生協運動」という以外は使わず「活動」という、「グローバリゼーションは人類の長年の願いであり、歓迎すべきでありこれからの生協はこのグローバリゼーションのメリットを組合員に還元することである」という二点であった。すでに自明のことながら「運動」はその組織や運動体の理念や価値観・アイデンティティに基づき、目標・目的・めざすものを実現するための、賛同する人びとの取り組みであり、多くは世論や社会へ訴えてそれを変革する大衆的取り組みである。「活動」は必ずしも「運動」のような理念や社会的運動でなくても、参加者の自己満足も含めて取り組む「行動」のことである。
 私はいまこそ「運動体」としての生協を取り戻すことの必要性をあらゆるところで主張してきたが、日本生協連が発行している「生協運営資料」NO263、12年1月号に、浅田克己会長のインタビュー記事が掲載されている。その中で編集子が「国際協同組合年に当たる本年、全国生協が何に取り組むか、20年ビジョンの捉え方含めて、事業や活動に生かしていくのか」という問いに対して、浅田会長は二ヶ所にわたって「事業と運動の両面からの取り組み」を強調されておられた。
 賀詞交換会において、浅田会長にこのことを話て、会長も本当は運動が先で「「運動と事業」というのが必要だ。かつて高村会長も「事業は運動の具体化・理念の実践」といわれた。良いことを聴かしてもらった、といわれたが、さすが「コープこうべ」で協同組合運動の実践を積み重ねられた方だと敬意を感じた。
 ⑤ 翌日、18日に開かれた理事会では「エネルギー政策の基本方向」が決定されたという。この新しい政策は「原発に依存しない新しいエネルギー政策を求める」という、いわば「脱原発」の態度を打ち出したことは評価できる。この日本最大の市民組織である生協がこうした見解を社会的に発表する意義は大きい。しかし、問題はこの立場を全国生協の総意とするための学習と運動を他団体などと一緒に展開できるか否かである。
 同時に、消費税増税やTPP参加などの反対運動も、日本生協連合会(狭義)理事会が全国的生協の統一と団結を維持するために、賛成する生協の到達点を配慮して明確な態度表明をしない場合もあることは多くの生協は理解できる。その上で、生協運動の理念や価値、長年の運動の実践からも、反対する生協の自主的な取り組みとその交流などを推進し、卑しくも、こうした会員生協の組合員の討議やコンセンサスをつくる取り組みにブレーキになるような、「態度表明をしないことが正しい」という態度はすべきでない。生協運動の主体はあくまで組合員であり単位生協であり、「連合会理事会はいろんな生協を配慮して態度表明をして運動を推進しないが、あくまで会員生協の自主性、その交流による協同運動を妨げるようなことはしない」と明言すべきであろう。
 ⑥ この他にも、これからの日本の生協運動の健全な発展と95年ICAメッセージの実践、金融資本主義・市場競争原理主義の弊害が世界や日本社会の隅々まで現れている今日、国際協同組合年における日本の生協の役割、とりわけ地域社会の疲弊と崩壊が顕著になる中で、地域社会に対する生協の役割を最優先する路線が求められる。生協法改正問題でも、「県域撤廃」などはこうした生協の自殺行為と感じているが、自らの弱点を掘り下げないまま、組合員との真の合意をせず、形式的に総代会で決めるような大型合併に「生きる残る道を求める」流れを危惧した2日間であった。

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コメント


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加藤様のブログその他の記事を、私は本当に正しく感じ、人に話したり、知り合いの総代さんに電話をしたり、コープのネットコミュニティくらしるで紹介したりして、なんとかとうきょう、さいたま、ちばの合併を阻止できないかと、動いています。

でもパートをしている主婦としては、もっとわかってもらうにはどうすればいいのかと悩んだり、家事がはかどらず苦しくなってきたりして、毎日が大変です。

シェル | URL | 2012年01月21日(Sat)18:54 [EDIT]


 既に定年退職された役員OBの方々が、このような主張を公に展開されていることに驚きを禁じえません。完全に「老害」というべきもので、見苦しく思います。
 ちばコープ・さいたまコープ・コープとうきょうの組織合同を一般利用者の立場から熱烈に支持します。
 TPPは一部の生産者(JAなどの権益集団)が騒いでいるだけ。世論調査は賛成が多くなっていますよ。日生協の方針を支持します。

としあき | URL | 2012年01月21日(Sat)23:42 [EDIT]


としあきさん、

私はコープネットができてから産地がどういう思いでいるか、少し調べました。
産地はコープのことをなかなか悪く言えません。

それでも元の生協に戻ってほしいと思っている産地を2か所ほど知りました。
これは絶対にどうやって知ったか知らせられません。

としあきさんは何を調べましたか。

シェル | URL | 2012年01月22日(Sun)10:39 [EDIT]


加藤様、

私はさいたまコープを約17年利用していまして、コープ委員を3年ほどしました。
それ以外に生協についてそれほど学んだことはありません。
ただ、なんとなくコープが政権よりになっていっていて、産地をないがしろにしているのを感じていました。
合併はそれを促進させるものと思い、加藤様のブログなどを参考に学び、真剣に反対しています。

そのため加藤様のブログを理解するのに、生協用語を調べたり、とても大変でした。
普通の主婦には理解が難しいのです。
普通の主婦にも合併してはいけない理由を、わかりやすく書いていただけたらありがたく思います。

たださいたまコープのにじのひろば特別号の力をあわせてという部分はもっと理解できませんでした。
すごくうさんくさかったです。

最後になりましたが、合併は今までの産地、職員、組合員の努力を意味の薄いものにしてしまうと思っていましたが、私だけの考えでは他の組合員さんに合併してはいけない理由を説明するのは、難しかったと思います。

加藤様、大友様の意見が本当に助かりました。
心から感謝しています。
これからもよろしくお願いします。

総代の3分の1が反対すれば合併できません。
その人達に反対の気持ちになってもらうのは、不可能ではないと思います。
結果は11月までわかりませんが、色々と反対運動を考えていきます。

シェル | URL | 2012年01月23日(Mon)12:03 [EDIT]


今週、宅配で20年以上利用している永年利用組合員ということでプレゼントをいただきました。私は神戸、大阪と生協を利用し、転勤してきてさいたまコープの組合員になり、班が解散して個配利用になっています。ちば・さいたま・とうきょうの組織合同の動きが気になっていましたが、道州制などもできる前に県単位の組織をなし崩しにするような合併には反対です。あくまで地域に根ざした組織であるべきだと思うからです。友人が働いている社会福祉法人が生協と提携していますが、合併したらこれまでのような関係が維持できなくなるのではないかと心配しています。8つの生協の連帯だと合意作りに時間がかかるので大きな3つで先行してしまおうという性急さを感じます。どうしても組織合同するというのであれば、県単位の生協の自立性を保ったまま連邦するような形がよいと思います(山形県に連邦制の生協があるはずです)。
民主主義というのは単なる多数決ではないはずです。世論の多数派が必ずしも正しいとは限りません。不幸な戦争に突入した時も世論の多数派が支持した歴史に学ぶべきです。TPPなどもアメリカを中心とするブロック経済(これも戦前の状況に酷似!)に都合よく組み込まれるだけという本質にマスメディアも焦点をあてていない責任が大きいと思っています。
加藤さんのおっしゃる「1%の人々が権力を振りかざして進める『利潤の最大化』の醜い策略」についてですが、それが正しいと思い込まされている人たちが多数派であることをしっかり踏まえる必要があると考えています。原子力の平和利用政策もその一つでしたが、それに騙された結果が昨年の惨事を招いたのです。単に「絆が大事」というようなイメージ的なことで、社会を作り変える機会を逸しないようにしていきたいです。
私は「老害」だとは思っていません。浄土真宗のお寺から友人がもらった法語カレンダーにいい言葉がありましたので、以下にご紹介させていただきます。
「前(さき)に生まれんものは後(のち)を導き、後に生まれんものは前を訪(とぶら)え」

さいたまコープの永年組合員のひとり | URL | 2012年01月24日(Tue)23:35 [EDIT]


さいたまコープ永年組合員のひとり様

私が組織合同について反対の意見を伝えた人が、生協側の人と話した後に、うまく説明を受けてどちらかわからなくなっていっていたりします。

組織合同を阻止できるかどうかは本当に厳しいです。
コープネットのネットコミュニティくらしるで組織合同について話し合いがされています。
できれば参加して下さい。

どうか力を貸してください。

シェル | URL | 2012年01月25日(Wed)00:46 [EDIT]


>それでも元の生協に戻ってほしいと思っている産地を2か所ほど知りました。
 
シェルさん、
その産地は、埼玉産直センターと埼玉産直協同ですね。

春子 | URL | 2012年01月26日(Thu)00:50 [EDIT]


春子さん、

産地は違っていますが、その産地の気持ちも同じではないかと思います。
産地はコープを批判することは、なかなかしません。
前回のコメントも書いた後しまったと思っています。
でも削除ができないので、そのままにしています。

たぶん、つきあいの長い産地は同じ気持ちだと思います。

シェル | URL | 2012年01月26日(Thu)07:03 [EDIT]


今日のさいたまコープに臨時総代会でも合併が可決されました。

賛成460
反対26
棄権21

でした。

理事会は合併にむけて暴走していたと話していた総代もいましたし、私の考えが伝わっていると話していた総代もいました。
でも賛成多数で可決されました。

総代の世界も不思議なところです。

加藤様のブログにもお世話になりありがとうございました。

シェル | URL | 2012年11月16日(Fri)19:00 [EDIT]


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