コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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2011年を振り返って

[大友弘巳]

 <私にとっての、この1年の大きなできごと、三つ>
 この1年を振り返ると、私だけでなくどなたにとっても、「東日本大震災と福島第一原発の重大事故」が最大のできごとだったのではないかと思われます。
 大震災の災害、とりわけ巨大津波の猛威をテレビ画像でリアルタイムに見聞したこと、水素爆発で崩壊した原発の建屋の映像(先日のNHKスペシャル「原発メルトダウン」で当時の真実が明らかにされました)、そして、7月上旬には宮城県と岩手県、8月中旬には福島県の被災地を訪問する機会を得て、自分の眼で確かめた災害の状況など、忘れられないものとなっています。
 9月19日に開催された「さようなら原発集会」にOB仲間と一緒に参加して、かつてのデモとは違う雰囲気のパレードを体験したことも、感銘深いことでした。
 二つめは、被災地の生協の活躍と、全国の生協による震災支援活動の取り組みです。
日生協の震災支援活動専用ブログが開設されて、情報交流がなされるようになったお陰で、被災地の各生協の頑張りも、全国の生協からの支援活動の様子も、迅速に見聞できました。

 被災の各生協が、地域の中で、事業を通じてだけでなく、助け合いの組合員活動を多彩に展開して、地域になくてはならない役割を発揮されていること、全国の生協からの支援活動も、生協の事業復旧、再建のための支援だけでなく、その後も様々な被災者支援、被災地支援の活動が息長く続けられていることに、「被災地に生協あり」の内容が一段と幅広くなっていることを感じてきましたし、生協間の連帯の力が、かつてないほど幅広く多彩に発揮された年だったと思っています。
 福島県双葉町から埼玉へ避難してきている人々への炊き出し活動に、さいたまコープが取り組むに当って、OB仲間が「震災支援OBの会」を作って一緒に参加することになったことも、貴重な経験でした。
 三つめは、首都圏3生協の合併の検討が続けられてきた1年だったことです。
3生協とも、内容の検討の段階から、組合員合意を得るための具体化段階に入りつつあり、来年秋の臨寺総代会で議決を目指すスケジュールに沿って進めていく様相になってきています。
 生協OBの多くの皆さんから、心配や懸念の声をたくさん聞いており、私も、自分の昔の経験の範囲で考えるだけではなく、新しい情報も集め、研究に努めて見ましたが、合併を進めることが適切とは思えないという考えをいっそう深めることになりました。
組合員からの理解と合意を広く得ることが不十分なまま総代会で合併を議決するようなことは、生協法改正の趣旨にも反する、という批判が、最近厳しく出されていると聞いており、組合員からの理解と合意の得方そのものも見直してほしいものと思っています。

 <この1年、全国的に生協の供給高が上向きに転じています>
 10月下旬に開催された久友会(日生協役員OBの会)の秋の交流会で、来賓として出席された日生協役員島岡常務から、全国の生協の経営概況が報告されました。
 東日本大震災で被災した生協では、当初営業が正常にできない状態で供給が落ち込んだ時期があったものの、他の流通業に比べて素早く復旧し、組合員はもとより地域の被災者のニーズに優先的に応え、暮らしを守るために奮闘してきたことによって、生協への信頼と支持が高まり、供給高が急回復し、前年に比べてみやぎ生協やいわて生協は大幅に伸びる勢いになっていること、経常剰余率も前年とは様変わりのレベルになっていること、そして、全国の生協でも、供給高は3年間続いていた前年割れに歯止めをかけ、この上半期は前年よりも僅かながら上回っており、経常剰余も前年は上半期では赤字だったのが、今年は黒字になっていることなどです。
 その後、コープネットグループの11月度累計の供給状況の資料によると、8生協トータルで前年比100.8%、首都圏3生協合計では前年比100.3%、北関東信越の5生協合計では前年比102.2%となっており、上向きに転じている点では全国と同様の傾向です。
 部門別に見ると、店舗でも供給の落ち込みが少なくなっており、宅配事業の伸びでカバーして、総合では前年を上回るという内容になっており、それは全国でも、コープネットグループでも同様の傾向のようです。
 デフレによる消費不況は続いており、競合はますます激しくなっている中、生協の供給高が今年度になって前年を上回ようになってきたことは、誠に貴重な変化と思います。
 しかも、被災地の生協が最も伸びていることは象徴的であり、東日本大震災の被災地に対する積極的、献身的な生協の支援活動が、組合員からはもちろん、社会的にも評価され、支援した側の生協でも、生協への信頼と支持、期待が高まってきていることの反映と考えられます。

<宅配事業の事業革新の広がりが、上向きへの転換を作り出す力に>
 先日、「チェーンストアエイジ」誌の12月1日号に掲載された「次世代生協『宅配』新事業を創造する!」という特集記事のコピーを、さいたまコープの理事長からもらったので、注目して読みました。
 コープネットグループの取り組みも2ページにわたって紹介されており、見出しは、「ワン・トゥ・ワンマーケティングを開始」「新たな事業モデルを模索する」となっています。
 新たな取り組みとして、以下の点が挙げられています
① 今年6月から、毎週配達の時組合員に届ける「お届け明細書兼請求書」を大版化し  て、右半分に商品広告を載せることにし、そこには、各組合員の利用履歴の分析に基づいて選択した商品を掲載する。一人ひとりそれぞれにマッチした商品を案内することで利用につなげるというもの。
② OCR注文書に、個々の組合員の購入頻度が高い商品名には「網掛け」をしてひと目で分かるようにした。 また、あらかじめ登録しておけばその商品が定期的に届くシステムの利用者には、注文書に商品名を印刷して毎回確認できるようにした。
③ 9月からはポイント制を見直し、従来購入金額500円ごとに一律1ポイントを組合員に付与していたのを(とちぎコープとコープながのを除いて)廃止した。替わりに、3ヶ月間に総額10万円以上の商品を購入した組合員に500ポイントを付与することにした。さらに、長期間にわたって毎週欠かさずに利用した組合員に多くのポイントが付与されるルールを設け、生協ファンを優遇し、利用率アップと長期利用を促進する。
④ 今後の事業の柱の一つとして、「御用聞きを」をベースにした宅配サービスを検討中。
  さいたまコープの2店舗で実験を進めている店舗配送型ネットスーパー、13店舗で実施している「あったまる便」(体の不自由な組合員を支援することから始めたもので、職員が電話をかけて注文を聞き、店舗から商品を届ける)、さらに、最近新たに始めた夕食宅配、これらと、宅配の配送センター、地域ステーション(集団的荷分け場所)とを組み合わせ、宅配のインフラを活用することを検討するという内容。
 ②は、コープみやざきの経験から学んだものと思われ、また、④は、業態ごと縦割りになっている事業を、連携する関係に改革していくという点で福井県民生協の発想に学んで検討しているように感じられます。
 ④は、これまではさいたまコープが率先して試行錯誤しながら進めてきたことが土台になっているように思われ、これからコープネットグループの取り組みとして位置づけられるように受け止められます。まだ具体的になっておらず、今後の検討次第ということですが、コープネットグループとして、事業革新の検討と取り組みに目が向いてきたことを感じます。
 既に改善・改革されたことも、まだ組合員に十分浸透していない段階と思われますが、こうした取り組みが徐々に利用を高めることに結びついてきており、長年低落の一途をたどっていた一人当たり利用高の低下にストップがかかりつつあると見られ、浸透が広がればさらに供給が上向いていくことが期待されます。
 コープネットグループの宅配事業の伸び率は、下期に入って上向き傾向を続けており、大震災支援などで組合員からの信頼と支持が高まっていることに加えて、事業革新の取り組みが成果を生み出しつつあるといえると思われます。

<各地の生協、とりわけ、コープさっぽろの宅配事業革新の取り組み>
 コープネットグループ以外の各地での取り組みとして、パルシステム(ライフステージ別カタログを大きく見直しなど)、ユーコープ(物流センターを刷新、高齢者対応商品を充実など)、コープこうべ(新規獲得から「利用定着」へ方針転換、ロイヤルユーザーを育成など)コープ自然派(「安心・安全にこだわる、簡便商品とサービスで強い支持獲得)、などの取り組みが紹介されています。
 特に感心したのはコープさっぽろの取り組みで、上期の宅配事業の供給高は前年比105.8%、経常剰余率は4.7%に及んでおり、全国トップクラスの業績を納めていますが、それをもたらした改革・革新のポイントは以下の通りです。
① 班配達と 個配とで配達手数料が違っていることで起きていた矛盾を解消するため、配達手数料を一人当たりではなく、配送1件あたり210円としたこと。班で利用する場合なら210円を人数分で均等分割する(5人以上は一律40円)。
その上で1件あたりの利用額が12,000円を超えたら手数料を無料とする。
  これによって個人でも利用の多い組合員を優遇するとともに、3人が4000円以上利用すれば手数料がかからないので、真面目に利用している班ではこれまでどおり配達料がかからない。
② 配達体制も班配達と個配を一本化し、効率化した。
③ 配達時間を、午前、午後に加えて夜間を設け、1台の車を1日3回転稼動とした。
④ 宅配(支部)センターから遠い地域への配達のために、中継点まで大型車でまとめて届け、そこで配達車に積み替える(ハブ&スポーク)方式をとることにして、配達車の遠距離移動時間を減らし、配達時間を増やした。 
 コープさっぽろの宅配事業の改革は、①②は5年前06年度秋から実施され、③は09年度、④は10年度と順次進められて、11年度上期に上記のような業績に到達したわけで、先駆的な取り組みが積み重ねられてきた結果として花開いたようです。
改革にはリスクも伴いますが、コープさっぽろの改革には、よくよく検討された知恵の深さを感じます。

 長期にわたって低下を続けてきた宅配事業の組合員一人当たり利用高が上向きに転じたことは画期的なことでした。これを大震災の年の一過性の成果に終わらせず、さらに改革を進め、上向き傾向を持続する努力によって、後年、この年がターニングポイントであったといわれるようになることを期待したいものです。 

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