コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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宅配事業の競争激化~セブン・イレブン  動き急

[大友弘巳]

セブン・イレブン 弁当宅配配達料無料化、都内の一部でスタート  
  10月31日から、東京都世田谷区、杉並区などでセブン・イレブンの宅配弁当の配達料が無料となりました。
  これまで、1,000円以上の注文があった場合に配達料200円で配達しているのを改め、上記の地域から、500円以上の注文があれば配達料無料でお届けするサービスを開始しており、来春以降全国にそのサービスを広げていくと表明しています。(詳細は下記のURLをクリックしてお読み取りください。)
http://www.sej.co.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/004/599/2011102603.pdf
 しかも、日替わり弁当の価格はワンコインにこだわり、500円のまま据え置くのをはじめ、惣菜なども価格はこれまで通りのままで、注文金額合計が500円以上であれば配達料を無料とするということです。
 店舗で販売するよりは明らかにコスト増となるのに、価格は同じということで合理性はあるのか、これで採算が合うのかと疑問が湧きますが、配達料収入が減ることへの対応は、フランチャイザーとしてのセブン・イレブン・ジャパン側(子会社「株式会社セブンミールサービス」)が、奨励金などの形で店舗(フランチャイジー)側へ一部保障するようです。

 注目されるのは、これまでは配達はすべてヤマト運輸に委託していたのを改め、ヤマトに配達してもらうこともできるし、セブン・イレブンの各店舗のオーナーの判断で選択し、店長や従業員が配達することもできるようにするとしていることです。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111026/biz11102615010018-n1.htm
 コンビニエンスストア業界でも、1店舗あたりの売上高の伸び悩みがかねてから問題となっていましたので、宅配で売上を伸ばすこと、店の外へ打って出ることに目を向け、弁当配達で顧客の家庭へ訪問することをきっかけとして、弁当以外のものも売り込むチャンスとすることを意図しているのではないかと推測されます。
 セブンミールのWebカタログ11月号を開いてみたら、弁当や惣菜、日配だけではなく、生鮮3品からコメ、グロッサリーまで品揃えされて64ページにも及んでおり、いつからでも御用聞きで積極的に注文をとるようにできる条件が整っていることが分かります。
http://www.7meal.com/contents/0110/0111/flash.htm
 店舗から毎日弁当配達に出ることになれば、オーナーや店長は当然、どうせならもっと注文をとって、一緒に配達しようと努力するようになるものと思われます。
 最初は宅配弁当利用者から始まるとしても、店に近い世帯には、弁当の利用者でなくともそれ以外の食料品での宅配を広げることが考えられますし、店から少し遠いところへの配達はヤマト運輸に配達してもらうようにすることも考えられ、これからこの新制度の運用がどう進むかが注目されます。
 いずれにせよ、セブン・イレブンにおいては、店舗での販売がメインとしても、宅配の注文は、店舗でも、サービスセンターでも、インターネットでも、携帯電話でもでき、注文を受けた商品のお渡しは、店頭でも、店舗からの配達でも、ヤマトの宅急便での配達でもできて、店舗と宅配が一体になった取り組みで対応できることになり、小売事業としての大きな事業革新を実現していくことにつながっていくものと考えられます。

移動販売にもセブン・イレブンによる実験が進行中
 11月20日(日)の「朝日新聞」朝刊、「大震災と経済復興へ向けて」という特集記事の中の、「移動販売車 大手 高齢化社会にらむ」という見出しの記事に注目しました。
 宮城県南部の山元町にある仮設住宅で、移動販売をしているセブン・イレブンの移動販売車「セブンあんしんお届け便」が住民に親しまれ、利用されている様子が紹介されています。
 販売車は、「軽トラックを改造し、冷凍から冷蔵、常温まで四つの温度帯で商品を運ぶ機能も備え、電子レンジまでついている。セブン&アイ・ホールディングスが、被災地支援で吸収したノウハウを詰め込んだ。」「平日、(毎日)8箇所の仮設住宅地を回る。『切手? 明日持ってくるから』と気軽に注文に応じる。近くに商店がなく、買い物に不便を感じる住民にはありがたい存在だ」などとされています。
 この販売車を営んでいる宮城亘理南店のオーナーは、「昔の酒屋の『御用聞き』が生きている」と話しており、販売車を担当している従業員とお客さんが顔見知りとなり、親しみを感じていただけるようになることが、売り上げ増につながっている様子が伝えられています。
 さらに、「買い物支援は、移動販売車だけではない。ナガワ仮設住宅では7月、NTT東日本が各戸に専用通信端末を無償で配った。イトーヨーカ堂やセブンミールなどグループ各社のインターネットサイトを通じて、日常品や食事などの宅配を頼める仕組みだ」とも書かれています。
 「小売り大手の買い物支援は収益性が高いとは言えず、試行錯誤が続く。それでも乗り出すのは『生活インフラ』との使命感に加え、ここで得たノウハウを全国の『買い物難民』向けのサービスに生かそうという考えもある。高齢化社会を見据えた、企業戦略だ」とこの記事は締めくくられています。

 同じく11月20日放送のNHK総合テレビの番組「サキドリ」でも、「地域の絆が客を呼ぶ 買い物支援サービス」というタイトルで、その一つ目の事例として、茨城県城里町におけるセブン・イレブンの移動販売車の事例が紹介されました。
月曜から金曜、専用車に200種類の商品を積んで毎日巡回。半年たって移動コンビニとして親しまれ、販売員とのおしゃべりが高齢者の楽しみになっているようです。
 お客との会話の中で、お客のニーズが細かく分かり、寿司セットが好まれていること、ラップなど日用品が予想以上に利用されていることなど、気がついた点を生かして、店の品揃えや、陳列位置・フェ―シング増などを進めて店の売上アップにつながった事例も紹介され、顧客とのつながりの強まりの中で、ポスレジデータでは捉えきれていなかったくらしの実ニーズを捉えるチャンスともされているようです。
 現在7台の移動販売車が稼働中で、今年中に20台に増やす準備を進めているとのことで、セブン・イレブンは移動販売車の実験も積極的に進める構えです。

 「地域の絆が客を呼ぶ買い物支援サービス」の二つめの事例として、さいたまコープが上尾市の原市団地内の空き施設内に1年前に開設した「ステーション」の取り組みが取り上げられましたので、その内容を少しだけ紹介します。
 現在150人の組合員が、毎週1回の宅配の注文書をステーションの職員に渡し、配達日には、商品を受け取りに集まる形で生協の宅配の商品を利用しており、組合員と職員の会話、ふれあいも含めて、買い物に不自由していた高齢の組合員のお役に立つとともに、その施設を活用して、サークル活動やイベントが取り組まれるなど、組合員のたまり場、協力共同の場としての役割が高まっており、住民から喜ばれています。

生協の夕食弁当、及び、宅配事業への影響
 生協として夕食弁当への取り組みを最初に始めたのは、2007年「コープやまぐち」でのことで、2009年に3生協、2010年に7生協が開始、2011年に入って加速し、8月までで13生協が開始、すでにコープこうべ、コープさっぽろ、ちばコープ、コープかながわなど含め累計24生協に及んでおり、1日25,000食の弁当を届けています。(日生協ホームページ プレスリリース参照)
http://jccu.coop/info/pressrelease/2011/09/24125000.html
 その後、さいたまコープやコープとうきょうが秋からスタートしていますので、僅か4年目でもう全国的な取り組みへと広がってきていると言え、年明け1月には、日生協主催で「全国弁当宅配事業交流会」が開催される予定となっているようです。
 生協の夕食宅配を最初に始めた「コープやまぐち」が取り上げたのが「ワタミタクショク」の弁当だったため、「ワタミタクショク」の宅配と同じ仕組みで、毎週月曜から金曜までの5日間のお届け、一人用1食当たりの品目と価格は、日替わり弁当が540円、おかず570円の2種類となっています。
 やまぐちの経験から学んだその後の各生協も、ほとんどが毎週平日5日間のお届け(さっぽろは6日間)、価格も1食当たり500円から600円の間で、配達料は無料とし、主として高齢者のための役立ちとして取り組んできています。
 それに対してセブン・イレブンは、1年365日受注し、翌日お届け(1週間単位での注文も受付)、メニューも多いので1日2食分でも3食分でも利用できる、デザートや飲み物も一緒に利用できるなど、選択の幅が広く便利性に優れていますが、これまでは1回の利用金額2,000円以上を対象に、配達料を1回200円としているため、配達料を含めた価格では高く付き、利用はさして伸びていないようです。
 そうした中、生協の夕食弁当が配達料無料で急速に伸びているのを見て、セブン・イレブンも配達料無料化を打ち出すことで急速拡大をめざすことにしたのではないかと推測されます。
 日替わり弁当の価格を据え置いたまま配達料を無料にすると、価格でもセブン・イレブンの方が生協よりも安いということになり、生協の夕食宅配の広がりにブレーキがかかる可能性が出てくるものと思われます。
 まずは、日替わり弁当について、生協としてどう対応するか、何を価値として組合員・利用者に支持されるようにするか、あらためて明確に打ち出すことが必要になると思われます。
 さらには、弁当だけではなく、セブンミールとして食料品全般の宅配も含めて1回の利用高500円以上は配達料無料とすることになると、今度は、ほとんどの生協で宅配の配達料を200円前後としていることが、セブン・イレブンより高いとみなされる関係となります。 
 生協でも個配の配達料を無料とするのか、その場合グループ(班)荷受けの組合員と同じになるわけで、グループ(班)の維持をどうするかなどの検討が必要ですし、それ以上に、配達料を無料にしても宅配事業の採算が合うようにできるのか、という問題に直面することになる生協も出てくるものと思われます。
 さらに、訪問販売、移動販売車でもセブン・イレブンと競合することになる可能性があります。
 この先、生協の宅配事業は、セブン・イレブンとクロネコヤマトが連携したグループとの競合関係が全国的に、全面的に広がっていくことが予感されます。
 とりわけ、宅配の本体部分で、セブン・イレブンが、セブン&アイグループトータルの商品力、及び、バックアップシステム力と、セブン・イレブンのフランチャイジー1万3千400余店のオーナーたちの商人(自立した経営者)としての人間力の発揮を結びつけて、顧客の一人ひとりのニーズに対応するレベルを高め、利用高のアップを図る取り組みを進めることが予想され、注目されます。
 生協として、宅配事業の事業革新をどう進めるのか、宅配事業と店舗事業の連携をどう進めるのか、そして一人当たり利用高を高められるようにどうするのか、などの検討を、いよいよ待ったなしに急ぐべき時を迎えていることを痛感します。

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