コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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「新しい生協をめざして 検討報告」への疑問の補足と、事業連帯に関わる感想2点

[大友弘巳]

 このブログの9月23日付けのページに掲載した「首都圏3生協の『新しい生協をめざして 検討報告(案)』への疑問」で触れきれなかった点の補足と、近畿の事業連帯について、及び、コープネット理事長からの最近の提起に関しての感想を紹介させていただきます。

「社会的転換点に立ち」というなら、原発問題・エネルギー問題の検討こそ踏まえる必要があるのではないでしょうか。
  ~「合併をめざすことが必要である」という考えは妥当と思えません

  「新しい生協をめざして 検討報告(案)」によれば、8人の理事長・専務理事で構成する「組織合同協議会」の議論の中で、合併を進めるべき論拠の一つとして「東日本大震災を経て東日本の復旧・復興にとどまらず日本の将来の形が議論されるという社会的な転換点」という認識に立ったことが挙げられています。
  しかし、なぜか、東日本大震災だけが取り上げられて、組合員にとってさらに関心が高いと思われる福島第一原発の重大事故のことは、そこでは取り上げられていません。日本が原発の問題・エネルギーの問題についてこれからどうするのかは世界から注目を浴びており、日本の将来の形が議論されることにつながる重大な問題という点では大震災以上に大きく、重いはずと思われます。

 後のほうの「私たちをとりまく環境変化」の「東日本大震災と日本経済」の項に、原発事故の問題も少し触れられているものの、そこでも生協としてどう捉えるのかというような認識は示されていません。
 組合員はもとより多数の国民の中に、「脱原発」の声だけではなく、「持続可能性」の視点で、暮らしや消費の見直しなど価値観に関わる変化が広がっており、生協としての対応のあり方も問われる時に立っているにも拘わらず、「社会的転換点」とい言いながら、原発問題・エネルギー問題についての議論と認識の一致を踏まえずに、「『組織合同をめざすことが必要である』と考えました。」という結論は妥当なのか、疑問を感じざるを得ません。
 また、東日本大震災を大型合併推進の論拠とすること自体、妥当なのか疑問です。
 「東日本大震災を経て東日本の復旧・復興にとどまらず日本の将来の形が議論される社会的な転換点」とは何を意味しているのか、言葉はあいまいですが、結論は大型「合併が必要と考える」ということであれば、道州制の導入の動きや、東北地方の復興を東北州という枠組みで進めるべきと主張している経済界や一部の政治家の動きと似た発想とも受け取れ、生協としての捉え方がそんなことで良いのかと、深く疑問を感じます。
 今、社会的転換点という認識に立つのならば、人口減少、超高齢化、国の財政の行き詰まり、そして東日本大震災と原発事故、などを見詰め、日本の『生協の21世紀理念』「自立した市民の協同の力で 人間らしいくらしの創造と 持続可能な社会の実現を」を思い起こして、いまこそ、持続可能な地球、持続可能な日本の社会、持続可能なコミュニティ作り、人間らしい暮らし、持続可能な暮らし、そして、それらのことに役立つ持続可能な生協創り、などこそしっかり検討すべきなのではないでしょうか。
 社会性を持った運動課題にしっかり取り組んだことが復活の原動力となったイギリスの生協の経験に学び、原発・エネルギー問題に先駆的に取り組んでほしいと願うものです。

「事業連帯を発展させること」と「合併」はひとつのことではないはずです。
   ~「合併」は「生協法」の定めに基づいて厳格に検討すべきです。

 上記と同じ文章の中で、合併を進めるべきと考えた新たな論拠がもう一つ挙げられています。「現在の事業連帯をさらに発展させることと組織合同をめざすこととをひとつのこととして捉え」という行です。
 生協法では「合併」という言葉が使われているのに、3生協では当初から「合併」といわず、「組織合同」という言葉が使われてきていますが、正確な用語とは言えません。
  「事業連帯を発展させる」ことと「組織合同(=合併の意味なら)」とは本来別のことなのに、あえて「ひとつのこととして捉える」と述べているのはなぜなのか、については説明がなく、論理に飛躍があり、常識的に考えれば意味不明です。
 かつて、生協法が改定される前に、コープネットグループでは「実質合同」という言葉が使われていた時期がありました。
改定前の生協法の下では、県域を越えた合併はできないなかで、実質的に合併に近い状態まで会員生協の機能を事業連合の下に統合を進めることを「実質合同」と呼び、「事業連帯を発展させる」という言葉のもとで、商品や物流、加工、店舗開発などだけでなく、事業所運営マネジメント、経理、人事などまで機能統合してきた結果、現在の姿は、「実質合同」に限りなく近づいている状態となっています。
 会員生協に残っている機能は、組合員組織と地域活動、機関運営、事業所運営への部分的関与くらいだけになっており、一口に言えば「組織」だけしか残っていません。
 そうした下で、機能論だけで考えれば、「組織合同」とは「実質合同」の仕上げに過ぎず、もうここまで統合を進めてきたのだから、名実ともに合併したいという立場で考えれば、「事業連帯を発展させることと組織合同をめざすことをひとつのこととして捉え」たいという考えかもしれませんが、それは一般的に妥当な捉え方とは言えず、ひとつの主張に過ぎないと思います。
 もし「合併」を進めたいのであれば、定義もあいまいな「組織合同」などの言葉を使うのではなく、生協法が規定する「合併」としてきちんと提案すべきです。
 「合併」は、組織の統合だけではなく、経営の統合でもあり、資産の統合でもあります。
 組合員の活動や運動、地域とのつながりで築いてきた信頼や信用など、無形の財産の統合でもあり、それらを適切に継承発展させられるかどうか、大きな問題です。
 もちろん赤字の店舗や不良資産、負債なども、引き継いで統合することであり、「組織統合」という言葉のイメージで表されることではありません。
 組合員一人ひとりの出資金の統合でもあり、これまで努力して積み立ててきた準備金や基金、積立金などの財産も統合することです。
 一人ひとりの組合員の権利や利害に関わる問題だからこそ、生協法でも「合併」と「解散」については、総会または総代会で3分の2以上の賛成を得る必要があることが定められています。
 民主的運営を大切にし、コンプライアンス(法令順守)を大切にする生協として、「組織合同」ではなく、「生協法」に基づく「合併」として厳格に検討し、組合員が判断する上で必要な情報を積極的に開示し、組合員が的確に判断できるようにすることについて真摯な努力をされることを願ってやみません。

「自立と協同」の事業連帯を活力としている「コープきんき」の会員生協
~会員生協相互の主体性を尊重し合い、協同しながら、競い合うように共々頑張っている様子に、バイタリティを感じます

 前回の「疑問」で、「おおさかパルコープのような見直しはできないのでしょうか」として、おおさかパルコープがきんき事業連合に統合していた生鮮と日配の商品部機能を自生協に戻したことについて紹介しましたが、残念ながらコープネットグループでは前向きに受け止めて学ぶような気運にはなっていないと思われます。
 「これまで積み上げてきた連帯を後退させるのではないか」、「良いところ取りの連帯に陥るのではないか」、など否定的な捉え方から脱しきれないようです。
 私は、その後さらに、日本生協連の職員で関西の生協の事情に詳しい人や、おおさかパルコープの前理事長山本さんから、近畿の事業連帯の実情や各生協の状況をお聞きして、以下のようなことが分かりました。
① 近畿の各生協は、店舗事業の商品については、事業連合で共同化しているのはグロッサリーと非食品だけで、生鮮と日配の商品部の機能は各生協が自分で持ち続けている。
② 宅配事業の商品についても、共同仕入れ、共同企画しているのはグロッサリーと非食品を基本としており、生鮮分野では共同化を進めつつも、各生協に商品部機能を持っているので、独自企画等の対応が行われている。独自企画は会員生協がその地域性やこれまでの経過を踏まえ、事業連合の統一規格を補強する内容で取り組まれている。
おおさかパルコープでは、特に大阪市内への対応を重視し、少量企画の充実、店舗の商品との連動、産直品、地場産品などへの対応強化などの重要性を考え、生鮮と日配は、自ら仕入れと企画を行う道を選択し、商品部機能を自生協へ戻すことを決断した。
③ このことについては「きんれん」の場で足掛け2年間にわたって議論した経過があり、突然のことではない。 いろいろな角度からの議論を重ね、最終的に事業連合理事会の場で確認されて、今年度から実現した。グロッサリーと非食品の共同仕入れ、共同企画については引き続き力を合わせて取り組んでおり、決して事業連帯、『事業連合の意義や存在を軽視したものではない。
 つまり、近畿においては、事業連合の歴史もまだ浅く、機能統合の将来的な戦略が確認されているわけではなく、「一致できるところからの協同」が現在の到達点であること、その下で、どう連帯することが組合員から支持され、競争に対応する上でベターか、実利が伴うかどうかについてシビアに見詰め合うことが共通の価値観となっており、それぞれの会員生協の主体的な判断を尊重しあっているということです。 
  「自立と協同」の連帯が根付いており、協同し合うと同時に、それぞれ自分の生協を成功させるために、互いに競い合うように頑張っている様子が伺えます。
 今年度8月度までのコープきんきの会員生協の業績は、店舗事業も宅配事業も、一部の生協の例外を除いて、供給高は前年をクリアし、経常剰余率も昨年に比べ大幅な改善が進んでいるとのことであり、今回のことで事業連帯が後退したり、マイナス要因になったことはないようです。
  おおさかパルコープでは、第2四半期から宅配事業で供給高が上向きに転じたばかりではなく、このブログの9月6日付のページで加藤さんからも紹介されていた通り、店舗事業で上期は増収・増益となり、今年度は黒字を出せる見通しになっているようです。
 また、大阪いずみ市民生協では、売り場面積700坪のスーパーマーケット型店舗作りにもチャレンジして成功し、その店が早期に経常剰余で黒字を出せる見込みの勢いとのことで、注目されます。大阪いずみ市民生協が学ぶ対象にしているスーパーマーケットチェーンは、何と埼玉の「ヤオコー」だそうで、大勢の職員がヤオコー通いをしているとも聞いており。さいたまコープ以上に熱心にヤオコーから学んでいるようです。
 設立以来まだ10年に満たない「コープきんき」グループが、試行錯誤もしながら、荒削りかもしれませんが「自立の協同」の連帯をしっかりと築きつつあると感じます。
 実質合併・能統合路線の先輩格のユーコープグループが苦境に陥っている現実を見詰め、コープネットグループも過去の成功体験やしがらみにこだわることなく、コープきんきグループの経験から虚心に学ぶことが必要なのではないかと思います。

事業・経営の革新について、合併に捉われない議論が期待されまれます。
~「克服すべき課題」についての踏み込んだ検討を出発点に。

 コープネットの部内報9月号のコラム「コンパス」欄に、赤松理事長が提起した「組織合同について考えましょう」に注目しました。
 「克服すべき課題は、組織合同をすれば自動的に解決するものではありません。具体的な中身を作ることが必要であり、今からできることもあります。」と述べている点です。
 「克服すべき課題」は、いずれも合併をすれば自動的に解決するものではなく、とりわけ事業改革・事業革新の取り組みは、合併したからと言って自動的に進むものではなく、 合併する、しないに関わらず、これまでももっと早く検討を進めなければならなかったし、「今から」でも推進しなければならないことであることは言うまでもありません。
「具体的な中身を作ること」は、「ありたい姿」を実現するための道筋を示し、作っていくことに通じることと思われ、まさに「必要」なことと受け止められます。
 さらに注目したのは、「克服すべき課題」の③のなかで、冒頭に「集中と分散のバランス」が強調されていることです。
 冷凍セットセンターの被災で宅配の冷凍食品を1ヶ月間供給ストップしたことを教訓として、施設の集中化だけでなくバックアップも考えた配置の検討などが考えられていることは以前から資料に表現されていましたが、今回このように強調されていることは、冷凍セットセンターのことについてだけでなく、もっと幅広い課題について「集中と分散のバランス」の必要性を捉えているのかもしれないと感じます。
 もしそうだとすれば、前向きの変化として受け止めたいし、合併待ちではなく、「集中と分散のバランス」を見直す立場で、「現場発」の事業革新への取り組みを着実に進めてほしいと期待するものです。
 「克服すべき課題」の中のその他の課題についても、合併に関わらず踏み込んだ検討が必要と思われます。
 「コスト構造対策」も、合併しなくてもできることがあるはずです。
 「事業と組織活動の連携強化」については、会員生協それぞれが主体的に取り組むことに事業連合の職員が積極的にサポートするように努めるようにすれば大いに前進するはずです。
「地域強化、社会性発揮」などは、事業連合として交流する場を設けるなど、サポートを強化すれば、会員生協が主体性を持っている現状のほうがさらに進むはずです。
 「迅速な意思決定と運営のスピードアップ」については、生協という組合員組織において、合併して権力を集中してスピードアップすることと、民主的な運営によって合意を深め、組合員からの理解と協力を得ることとをどう両立できるかという検討が必要ですし、課題によっては分権的運営のほうが的確でスピードも速い(例えば店舗運営ではヤオコーのように分権的運営が成功を納めていることは先に紹介しました)という事例もあり、合併が万能でないことも押さえておかなければなりません。資本の論理そのままの発想であってよいとは思えません。
 3生協が合併したとしてもコープネット事業連合は存続するという現実のなかで、事業・経営についてはコープネット事業連合の責任が大きいし、3生協以外の5生協を含めたコープネットグループ全体の運営については、コープネット事業連合理事長に主たる責任があります。 
 合併する、しない、に関わらず事業革新を進めること、「克服すべき課題」全般についても、合併に捉われず踏み込んだ検討を進めることを期待したいものです。




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| | 2011年11月24日(Thu)14:05 [EDIT]


Re: 検討報告について

コメントをありがとうございました。
合併のことについて真剣にお考えのご様子に、敬意を表します。
生協で働いてきたOB仲間の多くが心配していますし、組合員理事OBの方々も同様です。
このブログを、多くの皆さんに見ていただければと願っています。


> 初めて書き込みさせていただきます。
> さいたまコープの組合員でエリア委員をしている者です。
> 私は、足元がしっかりしていないのに大きくなることばかり考え、合同を急ごうとする経営陣のやり方には反対です。
>
> 11月地区総代会で総代の皆さんに「新しい生協をめざして 総代のみなさんへ」という、9月の検討報告(案)の内容を少しいじった資料が配布されました。
> それを読み比べて見て、役員に不信感を持ちました。
>
> 私は9月の資料を読んだ時に、「事業連帯を進めていく方向性はどこに行った?両方の検討内容を提示すべきではないか」と役員に意見しました。
> その時の役員の回答は「最初から合同しか考えていないので、連帯を進める方は検討していない(だから書いていない)。」とのことでした。
> しかし、11月の地区総代会の報告書には、
> これまで検討してきた「事業連帯を進めていく方向性」の中で浮かんできた「現状の課題」を克服するため、…略…組織合同をめざすことが必要であると考えました。
> ・・・このように書かれています。
> これまで検討していた?してないって言ったじゃない。
> 合同するために都合よく書き換えたのかな…と驚きました。
>
> 私たちエリア委員は総代会で議決権もないし、地区総代会でも意見を言ってはいけないことになっています。
> 組合員のつどいなど、組合員さんに組織合同について語っていただく場でも、運営側なので自分の意見を組合員さんに言うことはできません。
> 「みなさん、もっとよく考えて!」「ほら、誰かあれ質問してよ~」といつも心の中で叫んでいます。
>
> まだ合同の検討をご存じない組合員さんも多いので、周りの組合員さんに差し障りの無い程度の情報提供をし、多くの方に知ってもらうことから始めようかと思います。

少老朋友 | URL | 2011年11月25日(Fri)15:39 [EDIT]


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