コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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「第3次列島改造」で大都市から地方への逆移動

[加藤善正]
 大震災・原発事故からの「復旧・復興計画」なるものが、各方面から出され始めました。その中には被災地住民や自治体の意向を意識的に排除して、財界の代弁者的な「野村総研」のレポートがHPに踊っており、宮城県知事などはその提言を下敷きに「復興計画」なるものを打ち出しております。
私は過日、朝日新聞の提言論文募集に字数オーバーの拙文を出しましたが、そのポイントは次の通りです。
1)震災前の被災地や東北地方の人口や生産力がいかに減少していたのか、その実態から発想する必要性。そのためには、経産省の2005年12月発表の「二〇三〇年地域経済シュミレーション」に示されている、「人口減少と地方経済の衰退」の数字を前提にする。大都市一局集中の矛盾(東京大震災・東南海大震災などのリスクも大きい)と地方の少子化・経済悪化のシュミレーションを明確に示すこと。地方の人びとも「茹で蛙」的な感覚でしか捉えていないのではないか。
2)戦後日本は「高度経済成長」の「国策」のもとに、集団就職列車・出稼ぎなど、地方から労動力(若者)を大都市・太平洋ベルと地帯・一大工業基地に誘導し、ヒト・モノ・カネ・情報を集中し、国土の均衡ある発展を破壊してきた(第1次列島改造)。田中角栄氏はこの結果を憂いて「日本列島改造論」を表し、高速道と新幹線による地方への逆移動を狙ったが、結果は土木型公共事業による地方の時価高騰や土建国家の地方分散、高速交通網も「ストロー効果」を生み、自由化推進も強めて第1次産業の衰退は、益々地方の弱体化を速めた。その上に、小泉改革による地方切捨て、「三位一体」と社会保障制度の崩壊、誘致企業の海外移転など、大都市の一極集中と地方の衰退がきわまった。

 これらは「第2次列島改造」ともいえ、地方の人口減少・経済縮小は目を覆いたくなる。よく「少子高齢化」といわれるが、「少子化」と「高齢化」は区別して捉えなければならない。「高齢化」はめでたいことであり、医療や介護の社会的コストが増加するとはいえ、今日の日本の経済力を作り出してきた高齢者に対する「尊敬」の念を社会的に確立しなければ、「姥捨て山」の悲劇的な社会風潮を生む危険がある。
 問題は「小子化」である。特に東北の人口減少は若者の働き口が年々無くなり、「婚姻率」ワースト3は秋田県・青森県・岩手県である。したがって、わずか地元に残る若者は雇用が不安定で収入が少なく結婚もできず子供も生めない。高齢者の増大で総人口の減少が若干緩和されているが、若者の人口減少は極めて深刻である。
 このことが地域の元気がでない最大の要因であり、地域経済の縮小再生産を生んでいる。
この現象を解決するには、これまでの国策とは「真逆の国策」、すなわち、都市から地方への「モノ・カネ・ヒト・情報」を移動させ、特に若者が働ける職場を構築し、地方での結婚・子供の誕生・安心できる子育て・大学などの誘致など、文字通り「国策」として「第3次列島改造」を推進することでる。
 3)今度の大震災・原発事故からの復興はこの「第3次列島改造」計画として構築し、確実な実践をスピード感をもって展開することである。そのカギは、自然エネルギーの基地を東北地方に集中して建設し、その内容も若者の雇用が創造できるものにする(大規模ではなく、既存の協同組合やNPOや労働者協同組合的なもの)。また、食糧自給率を50%以上にするために東北を「食糧増産基地」にして、若者の就農システムを数千億円規模で構築する。例えば、毎年1万人の若者を募集して、3年間、毎月20万円支給し、農業技術を教える農民には毎月5万円の指導料を支給する。この3年間の費用は一人当たり300万円、1万人で300億円、3年間で900億円で住済む。また、3年後本格的に農業を行なう者には、無利子で2千万円の資金を貸し与え(5年据え置き15年払い)、農地や農機具、住宅などの生産手段を確保する。

 私はこうした考えを地元の岩手日報紙に投稿したが、それを追加する。
日報論壇
復興は若者の働き口こそ     加藤善正

 東日本大震災からの復興ビジョンが国・自治体・財界シンクタンクなどから、次々打ち出され始めた。岩手県も「三陸エコタウン構想」として災害時エネルギー自給などを、復興ビジョンの柱にするという報道があった。
 私は、二〇〇五年経産省が発表した「二〇三〇年地域経済シュミレーション」を取りよせ分析をしていたが、それによると、二〇〇〇年対比で人口は、釜石市は三〇・六%、宮古市二四・九%の減少が予想され、域内総生産(GRP)は釜石市二五・七%、宮古市一六・5%の減少とシュミレーションしている。
 この調査検討は小泉内閣の絶頂期(?)の二〇〇四~五年に行っており、その後の「貧困・格差・三位一体改革・第一次産業の衰退」などの影響を考えると、二〇三〇年(十九年後)はこの予想を遥かに超える減少が推定される。
 三陸地方だけでなく、全国的にも十万未満の都市では二四・六%、町村では二九・七%の人口減少が予測され、その原因は、東京など大都市への一極集中の反面、地方の人口減少が主因とされている。
 人口減少の最大の要因は、若者の働き口・雇用の喪失とその結果の少子化である。若者が地方に定着できず、子供が生めない所は人口の減少が必然であり、この問題に真正面に取り組まなかった政治・経済政策がもたらしたことは明らかである。
 戦後の高度成長政策、田中首相の「列島改造計画」などの「国策」が国土の均衡ある発展を破壊してきた。今度の大震災や原発事故を教訓に、新しい日本の国づくりに取り組もうとするなら、その「入り口」として被災地の復興ビジョンを構想すべきである。
 このように考えるなら、震災前の我が国の社会・経済状況、とりわけ大都市一極集中と地方の衰退・やがて来る「限界地域」の現実を解明し、いわば「列島改造」として、地方に若者の働き口・雇用を構築する「国策」こそ、すべての柱にならなければならない。
 その具体的内容として、第一に、原発に代わる自然エネルギーとしての、風力・木材や畜産を生かしたバイオ発電・小型水力・地熱などの開発は、若者の雇用が保障されなければならない。
 第二に、農林漁業の復興・再生も若者の雇用が可能なシステムが不可欠である。こうした第一次産業を希望する若者に対する支援を、「国策」として抜本的に強化し、数千億円の「列島改造予算」として確保すべきである。
 私は野村総研などのシンクタンクが提唱する「復興計画」ではなく、被災地だけで無く衰退する地方が元気になる最大の「国策」として、若者の働き口・雇用が確保でき、結婚でき、子供が生める政策こそ、地方の自治体・経済界・諸団体の共通の課題にして、「都市から地方へ」の大転換、「列島改造」こそ、復興ビジョンの「ベース」に位置付けたい。

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