コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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がんばっぺ いばらきコープ

「寄稿」

[西村一郎]

はじめに
 東日本大震災は茨城県にも大きな影を落とし、特に北部では震度6強の地震と津波によって、建物や道路や船舶等の被害が大きかった。死者と行方不明者24名、負傷者636名、建物被害1780、道路損壊307にも及び、首都圏で一番被害の大きな県である。さらに放射能汚染で、農業や漁業への重大な影響が拡がっている。
 そうした茨城県の全域を対象にし「いばらきコープ」は、約28万人の組合員の支援だけでなく、地元22の市町村との災害協定に基づき、地域社会の復興にとっても大きな役割を果たしている。
 今回は天災と人災が重なり、日本の防災やエネルギー政策だけでなく、過剰な経済追求の日本の在り方にも深い問いかけをし、生協にとっても課題が多い。各地の生協における協同した取り組みを通し、共に生協像を考えたい。

いばらきコープの被害
 まず組合員では残念なことに1名と、職員の岩手県に住む親1名が亡くなっている。
共同購入の15ヵ所の事業所では、12ヵ所でシャッターの破損や天井とか壁が落下したが、それでも翌週からは欠品がありつつも通常に配達した。
  店舗は4店全てで建物や什器が損傷し、2店はすぐ復旧したが、他は店頭販売でしのぎつつ、「ひたちなか」店は3月21日から、水戸店では4月1日からの営業再開となった。
 また本部の建物では、シャッターや壁や天井などが何ヵ所も損傷し、総額約8000万円の被害である。
 幸い職員で死者はいなかったが、本人2名と家族6名が怪我をし、そして職員の家屋の被害は462名で39%にも及んだ。
 それでも大半の人は、翌週から日常の業務をこなしている。我が家のことは後回しにしても、まずは組合員や地域のため、 生協の仕事をすることが大切であるとの判断をされたからで頭が下がる。

緊急支援物資を被災地へ  
 地震が発生した翌日から、県と災害協定を結んでいる茨城県生協連や、個別に防災協定を結んでいる市町村からの要請を受け、生協は緊急支援物資を18の市町村に搬送した。3月17日までに搬送した物資は、飲料水、茶、カップ麺、おにぎり、パン、菓子、バナナ、トイレットペーパー、紙おむつ、粉ミルク等であった。必要な商品を素早く確保し、かつ被災地まで生協が配送したことに対し、行政の担当者から感謝のお礼も届いている。

移動店舗で地域に貢献
 いばらきコープでは、買い物困難者の支援を目的に、2トン車を使った移動店舗ふれあい便を、2月下旬から水戸市内で週3日巡回させていた。震災当日に商品調達先の水戸店に戻ると、被災して営業ができなくなっていた。そこで店の前に車を停め、エンジンをかけてレジも動く状態にし、暗い店内からパンや乾電池やガスボンベ等、被災者が求める商品を探して運び、夜の9時まで特別の営業をし利用者に喜んでもらった。
 翌週からは、水戸店が営業できないため生鮮品はなかったが、組合員からの要望は強く、米やカップ麺や紙製品などに限定して通常の巡回をした。
 また19日には、地域外の日立市の「絆プロジェクト」と協力し、断水した団地の高齢者約80人に対し、水や果物や米等を販売した。これには団地自治会の役員も協力してくれた。

組合員も協力して青空市
 震災によって断水と停電が続き、またガソリンも入手できず、食料が不足して困っている北茨城市の団地で、3月24日と31日にコープネットの応援も得て生協が青空市を開催した。生協の職員と地域の組合員たちが協力し、水、米、パン、カップ麺、菓子、缶詰等を並べ、団地自治会の協力を得て2カ所で開催し約200人が利用した。
 利用者からは、「ガソリンもなく買い物に困っていたのでうれしかった」、「今日はカップ麺、パン、お菓子を買い助かりました」の声をいただいた。
 このときの売上金20万円は、4月6日に北茨城市役所を訪問し義援金として届けた。対応した副市長は、「復興には時間もお金もかかります。これからも協力をお願いします」と生協への期待を話していた。

デイサービス「菜の花」での介護
 生協では、「住み慣れた地域で、いつまでも自立した生活がしたい」の思いを大切にし、介護保険の認定者の支援として、居宅介護支援や訪問介護サービスやデイサービスを水戸市中心に実施している。その施設が「菜の花」で、震災の日に自宅では不安な独居の3名が、職員4名と一緒に宿泊した。そのときの利用者の感想である。
 「家に帰れず泊めていただいて感謝しています。トイレでは懐中電灯で足元を照らしてもらい、一晩中ほとんど寝ないで面倒を見ていただきました。もし菜の花に泊めてもらえなかったら、怖くてとても一人ではいられなかった。職員の方は家族もありながら、一緒に泊まっていただいて本当にありがとうございます」
 組合員の安心を最優先する生協らしい介護である。

風評被害防止を
 原発事故による放射能汚染の拡がりは、全国の生協にも新たな課題を投げかけている。その1つが風評被害への対応であり、茨城県生協連の理事長と専務の連名で、3月21日付けの「茨城県産農産物についてのお願い文書」を、日本生協連経由で全国の生協に発信した。
 「(略)「茨城県産ほうれん草」から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質が検出され、出荷・販売の自粛要請が出されています。しかし、同じく検査した路地栽培のネギ・キャベツ・レタス・レンコンと、ハウス栽培のトマト・イチゴ・キュウリ・ニラ・ミズナ・チンゲンサイ・ピーマンは、暫定規制値未満という結果でした。「暫定規制値未満となっておりますので、安全であることを周知徹底する」との、県知事声明も出されております。
 にもかかわらず茨城県産の農作物ということだけで、店頭から撤去されたり、納品が拒否されたりという事態も生まれております。組合員や地域の皆さんが、科学的知見に基づき、冷静に判断し行動できるよう、生協としての格段の対応を、よろしくお願い申し上げます」
 内容が3月23日付茨城新聞に掲載され、いばらきコープの産直野菜ボックスの7産地でつくる茨城ふるさと産直ネットワークより、「見識のある対応、リーダーシップに心から敬意を表するとともに、感謝申し上げます」との言葉が生協に届いた。
 風評防止には正しい情報が何よりも大切で、貴重な注意を茨城県の生協から発信している。

職員と組合員へのメッセージ
 復興を迅速に進めるには、何よりも職員と組合員が元気にならなくてはいけない。そこで理事長と専務の連名で、3月23日付けの「いばらきコープで働く皆様へ」を発表し、以下の4点を強調した。
1、 組合員さんにはもちろん、働く仲間や地域の皆さんに、感謝の気持ちを持って笑顔で元気よく挨拶しよう!
2、 早急に通常の事業が開始できるよう全力を尽くすとともに、組合員さんに情報をしっかり伝え、利用継続いただけるよう丁寧に対応しよう!
3、 こんなときだからこそ、安全運転の励行と自分自身の健康管理に十分気をつけよう!
4、 東北の被災地は更に大変です。私達も国民の一人として、節電や節水に心がけ、できることから支援していこう!
  震災に立ち向かう職員の気持ちを整理し、生協のさらなる役割発揮を目指している。        
  また4月12日付けの「組合員のみなさんへ」では、生協の基本的なスタンスを表明した。
  「(略)「組合員さんとの絆」「全国の生協同士の絆」そして「お取引先様との絆」のすばらしさを実感しました。(略)「今できること、目の前にある一つ一つのこと」に取り組むと同時に、これまでの暮らし方自体を見つめ直し、新しい暮らし方を築くことが私たちに求められています。
 生協は「助け合い、支えあい、分け合い」を基本とする組織です。被災された皆さまの想いにしっかりと寄り添い、「新しい暮らし方」を築くために知恵と力を出し、組合員の皆様と一緒に生協としての役割を担っていきたいと思います。(略)」
 復興が長期化する中で、組合員同士の絆や一般県民との絆づくりなど課題は多いが、ぜひ引き続き「いばらきコープ」らしい活躍を期待したい。

*写真 組合員も協力した青空市(北茨城市)
いばらきコープ写真

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