コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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Dさんへの手紙

[吉永紀明]
 政治が停滞して、出口の見えない堂々巡りの暗闇の中にいるような感じのする今日この頃ですが、如何お過ごしですか。
 古希を迎えて、そのことを意識すると、身体的・気分的に落ち込みそうな気がしますので、年のことは忘れるようにしています。

 昨年末の大晦日にテレビで、柴田トヨさんという女性が、90歳を過ぎてから詩を書き始めたという番組を見ました。
 その時、小さなメモ用紙に名前を書いたのですが、2~3日してそのメモがどこかにいってしまい、名前も忘れてしまいました。
 近くの本屋さんに別の本を買いに行ったときに、詩集のことを思い出して探したのですがみつかりませんでした。店員の女性に「90歳を過ぎた女性の書いた詩集はありませんか」と聞いて見ました。
 女性はすぐに「その本は今品切れです。いつ入荷するかわかりません。詩を朗読したDVDならあります」と言って、その売り場まで案内してくれました。
 そのDVDに「柴田トヨ」いう名前をみつけました。仕方なく、詩集が入荷するまで待つことにしました。
 暫くして、街に出る用事があったときに別の本屋の前を通り、寄ってみることにしました。
 新刊を売っているいるところに行くと、これから並べるために本を積んだ荷車があり、その一番上に、黄色とピンクの柔らかな表紙で「くじけないで」という題名と「100万部突破!」の文字の横に、毛糸の帽子を被ったおばあちゃんの顔がありました。「アーッ、これだ」と本を手にしました。飛鳥新社の出版でした。

 家に帰って、一気に読みきりました。
 優しい言葉、懐かしい言葉、心温まる言葉、そして自分も同じような経験をした思い出など、ひとつひとつの言葉に共感し、感動しました。
 本の題名になった詩です。
                 くじけないで
        ねぇ 不幸だなんて      私 辛いことが     
        溜息をつかないで       あったけれど
                       生きていてよかった
        陽射しやそよ風は       
        えこひいきしない       あなたもくじけないで

        夢は
        平等に見られるのよ

 柴田トヨさんは、1911年(明治44年)栃木県生まれ、今年6月に100歳を迎えます。
 トヨさんの詩は息子さんの健一さんと二人三脚で作っています。
 ノートに思いついた言葉を書き留めて、毎週土曜日に様子を見に来る息子さんに見せて、朗読をしながら何度も書き直して完成させるそうです。
 詩を読んで感じることは、詩の最後の2~3行の言葉に力がこもっていることです。
               思い出
     子どもが            働くからな」           
     授かったことを         そう答えてくれた
     告げた時         
     あなたは            肩を並べて
     「ほんとうか 嬉しい      桜並木の下を
     俺はこれから          帰ったあの日
     真面目になって         私の 一番
                     幸福だった日

               朝はくる
     一人で生きていく        (私は不幸せ・・・)
     と 決めた時から        溜息をついてる貴方
     強い女性になったの       朝はかならず
     でも 大勢の人が        やってくる
     手をさしのべてくれた
     素直に甘えることも       朝陽も
     勇気だと わかったわ      射してくる筈よ

 丸っこい顔のやさしい瞳の写真を見ていると、2ヶ月前に札幌で会ったお袋を思い出していました。
 今は認知症で施設に入っていますが、95歳のお袋の顔も、過去の苦労を心の奥にしまいこんで、おだやかな顔をしていました。
 親孝行といっても、特にすることもなく、何ヶ月かに一回は顔を出すことしかできませんが、これからも長生きをしてほしいと思います。
 トヨさんは、裕福な米穀商の家庭に生まれましたが、父親が怠け者だったようで、家が傾き料理屋などに奉公に出て苦労されたようです。
 私の家も、職人を3~4人も雇う洋服屋をしていましたが、父が他人の借金の保証人になり、保証倒れをしてしまい、土地も家も手放して、札幌市内を転々としました。そんな中で、母は貧しいながらも5人の子どもをしっかりと育て、11人の孫に囲まれています。
 そんな母の姿と重ね合わせてトヨさんを見ています。
 まだまだお元気で、沢山の詩を書いてほしいと思います。

 インフルエンザが流行っています。三寒四温の変化が激しい季節です。
 風邪を引かないように気をつけてください。またお便りします。

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