コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

今こそ、日本国憲法に基づく国づくりを!

[加藤善正]

7月23日号の「週刊金曜日」に編集者の依頼で、これからの政治に求める提言を書いた。しかし、800時という制限だけに、日ごろ考えていた何分の一しか書けなかった。しかし、いろんなところから「賛同」の声が寄せられ、このブログにこの意見を書いてみた。もっと推敲していろんな資料を活用して、後日詳しく述べてみたい。

今こそ「日本国憲法」に基づく国づくりを!
 
1)民主党政治と選挙結果をどうみるか
 昨年の8月30日、日本国憲法で国の主権者と明記されているわが国の国民は、初めて自らの投票行動で「政権交代」を実現した。しかし、翌日から「言論NPO」が行なった有識者175人(全国の学者・研究者、メディア関係者、企業経営者、官僚などそれまで言論NPOの活動に協力していた人)への緊急アンケートでは、今日の民主党政権の揺らぎや今度の参議院選挙の結果を予測する内容が示されていた。
  09年度総選挙の民主党大勝という結果に対する印象では、「とても満足している」は11・4%に過ぎず、「満足はしているが今後に不安がある」が53・7%と半数を超えていた。また、民主党大勝の理由として「自民党のこれまでの政治に対する強い批判」が65・7%にのぼっており、「政権交代への期待」が17・7%と合わせて、8割以上の有識者が「これまで続いた自民党政治を終わらせたい」という判断が国民にあったと見ている。これに対して、「民主党の政策への共感や新しい政治への期待」を理由に挙げた人は1割程度であった。

  このアンケートにも示されているように、民主党大勝の総選挙の結果は、長い間続いた「自民党政治」の行き詰まりと矛盾、すなわち「財界とアメリカ言いなり」「既得権益と官僚政治」「貧困と格差の拡大」に示された自公政権・政治が、国民の求める政治との決定的な乖離があり、それが怒りとなって顕在化し、投票による戦後初めての政権交代が行なわれたのである。
 こうした国民の意思とは別に、民主党鳩山政権が誕生するや否や、マスメディアをはじめ、野党になった自公などの政党、学者・評論家やコメンテーターといわれる勢力が、「国の基本政策がない」「新しい国づくりのビジョンがない」「これまでの政権と何がどう違うのか」など、民主党政権の足を引っ張り、初めて政権についた若葉マークとも言うべき内閣への批判を続けた。それに加えて、「鳩山首相と小沢幹事長との政治資金問題」「日米同盟優先の普天間基地移転問題」が突然の首相交代を生み、更には代わった菅首相の「消費税10%導入検討」が突然急浮上して、今度の参議院選挙の結果が生まれた。
 1年前の「言論NPO」のアンケートにあるように、長年の自民党政治からの転換をもとめた国民の願いは、アメリカ追随の軍事・外交・金融政策、財界の要求する大企業優先の経済・雇用政策と税・財政政策、継続する規制緩和・構造改革路線、など、確実に自民党政治の延長線上で進行している民主党政治に対する「不安・期待はずれ」が、参議院選挙に示された。

2)目を覆いたくなるわが国の政治・経済・社会の姿

 最近の政治的・経済的・社会的諸問題は目を覆いたくなるほど深刻な現象を見せ、その悲劇的な姿は枚挙にいとまない。
 新自由主義・金融資本主義に突き進むアメリカをモデルにして「弱肉強食・市場原理主義」を掲げた「規制緩和・構造改革」を強行した小泉内閣が行き詰まり、安部・福田・麻生・鳩山とめまぐるしく変わる首相交代による短命政権は、結果としてわが国の議会政治や諸政策を弱体化させ、国民の政治不信・嫌悪感させ増大させ、国際的にもその地位を低落させている。政府の統計でも若者の就職難と失業・低賃金・不安定雇用は悲劇的ともいえる。青年が将来への希望も意欲も持てない社会ほど病的な国はない。更には子供たちへの虐待(相談件数は年4万4千件を超える)とこどもの貧困問題、教育の機会均等の破壊と貧困層の再生産、消えた高齢者と孤独死など、暗いニュースが次々と新聞を覆う。
  「生存権」など忘れたかのような社会保障制度の崩壊現象(国民年金に加入していない人が半数に上り、彼らはやがて無年金者になる)、地方と第1次産業・中小零細企業の切捨て、地方自治体財政危機と住民サービスの切捨て、あらゆる業界に広がる寡占化と格差拡大、高齢化・少子化・若者の職場喪失などによる地方の人口減少・限界集落、貧困・いじめ・虐待など子供と老人に襲いかかる強者の論理、毎年3万人以上の自殺者(未遂者はこの何倍も)など、これらの社会現象はかつて経験していない様相を見せている。

3)羅針盤も座標軸も失った、戦後社会の結果としての捉え方=憲法はどこへ行ったか

 わが国はなぜこうした「病める国」「未来のない国」になったのであろうか。私はその最大の原因が、政治家も公務員も経済人もマスメディアも学者研究者もそして我々国民も、「日本国憲法」に基づいた「発想・志向・論理・実践」を軽視し、時にはそれを無視・否定さえしてきたことにあると考える。
 憲法は単に「最高法規」であるだけでなく、高い理想と普遍的真理、最も重要な「国のあり方」「求めるべき社会・経済・国家の姿」を示しており、すべての国民の最大コンセンサスを創る基盤である。特に、主権者である国民が政治や国家に対して求めている「義務」が明記されており、第10章(最高法規)には次の条規が明記されている。 第97条=基本的人権の本質(この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。)、 第98条=最高法規、条約及び国際法規の遵守)(1、この憲法は国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部はその効力を有しない。2、日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。)、 第99条=憲法尊重擁護の義務(天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。)。
 たとえば、犯されつづけている国民の人権にしても、この最高法規である憲法が無視され、97条の基本的人権の本質が忘れ去られている証ではないか。また就職時「憲法遵守」の誓約書を書いた公務員は、この憲法に違反する自らの行為をどのように考えているのであろうか。生活保護を拒否された老人と無職の息子が、10年間も電気をとめられ「熱中症死」で発見された事件は、「生存権」「憲法尊重擁護」を無視した憲法違反そのものである。こうした状況は、政治家(屋)・公務員・マスメディアなどが、憲法を日常的に軽視・無視・違反することによって、現在の仕事・任務を続けている結果そのものである。
 また、98条との関係でも、「日米安保条約」は「極東」の範囲を明記しているにも関われず、その改正をしないままに「周辺事態法」「日米同盟」などにより、イラクやインド洋に自衛隊を派兵したことも、明らかに98条違反である。オランダは「イラク戦争検証委員会」によって、自国が派兵したイラク戦争が明らかに「国際法規」に違反する戦争であった、という検証結果を発表したが、「専守防衛のための最小限の実力」である自衛隊をアメリカの従属軍として派兵したことも、国際法規を尊重するという98条違反である。
 憲法九条に関する違憲な事実は枚挙にいとまないが、25条に違反する様々な事態・事件は、明らかに「基本的人権」を侵害し、第13条の「幸福追求権」を真正面から踏みにじるものである。憲法の3大原則にそってもっと判りやすくいえば、「国民主権(国のあり方を決める権利は国民にある)」を無視しない限り、多様化した国民の意思を反映しない「小選挙区制」そのものは成立しないのではなかろうか。比例代表の議員を削減することなど、この国民主権の考え方を否定するそのものではないか。この憲法を基本・原点に考えないから、政党助成金をそのままにして「自ら身を削る」などという「珍論」がまかり通っている。更に、「基本的人権の尊重(人が生まれながらにして持っている権利を大切にする)」が無視され、否定されていない限り、今日の悲劇的ないろんな社会問題が生まれるはずがない。また、「平和主義(戦争をしない・武器を持たない、争いごとは武力ではなく話し合いで解決する)」を平気で無視し、否定するから「日米同盟・日米合意」を優先して、普天間基地の辺野古移転を発想し・計画し・強行しようとするのである。
  このような今日の政治や行政の現実、特に日米軍事同盟に固執した外交・軍事・財政が続き、社会保障制度の崩壊・失業と雇用の不安定化・貧困と格差の拡大・子供や高齢者へのしわ寄せなどの社会問題が解決しないのは、明らかに日本国憲法という「羅針盤・座標軸」が喪失しているからである。これまでの自民党政治の行き詰まりとそれへの国民の批判と失望は、いわば「憲法違反・無視」の政治の結果が生んだものである。したがって、新しい政治が国民の信頼と支持を得る最大のカギは「日本国憲法」に示されている「国のかたち」「国民が政府に義務として与えた憲法の各条項」を忠実に実践する以外にないことも確かではなかろうか。 
  残念ながら、マスメディアも学者・評論家も、そして国民自身もこの「憲法の視座」から悲劇的な社会的事態・事件の分析や政治の混迷・政党政治のあり方などを論じることほとんどはない。少なくても山積する問題解決の方向性は、憲法を羅針盤・座標軸にしてこれからの基本的な方向性を発見する以外に道はないのではないか。
  そのためには、国民が日本国憲法を徹底して学び、それを武器にした大きな国民的運動をあらゆるところで展開する、そして、憲法に明記されている「国づくり」を実現する政治、政党・政治家を選びなおさない限り、我々の未来はないという決意を固めたいものである。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。