コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

激化する生協間の競合!― 共同購入・宅配事業

[大友弘巳]

東都生協の埼玉への進出
 先日、埼玉県南部の戸田市に在住の方から、東都生協が近所で組合員拡大に力を入れて取り組みを進めている様子をお聞きました。
 さらに、その後、東都生協が埼玉県生協連の準会員となる加入申し込みをしていることも聞こえてきました。 
 東都生協は、これまでは基本的には東京都内だけで活動してきましたが、生協法が改正されたことを生かして、隣接県埼玉を活動区域に組み入れ、晴れて埼玉でも活動を広げることになったのだと思われます。
 埼玉県だけではなく、千葉県や神奈川県へも、同様に活動区域を広げることにしているようです。
 生協法改正の趣旨を踏まえてか、埼玉県全域ではなく、県境の都市を指定して新たな活動区域として定款に組み入れることにしているようですが、それでも埼玉の場合で言えば人口密集地帯であり、県内の世帯数の約3分の1は含まれるものと思われます。

 これまでも、東京都内では、コープネットグループ、パルシステムグループ、生活クラブグループ、そして東都生協の4つの生協が、共同購入・宅配で競合し合っていましたが、これからは、埼玉や千葉や神奈川でも、3グループでの競合から、4グループで競合しあう関係へと変化することになります。
 東都生協は、埼玉では馴染みが少ないですが、逆に、これまでの生協とは別の生協として新鮮な感覚で捉えられる可能性もあり、これまでにない新たな競合関係が生じることの影響は大きくなることも考えられます。

重複加入の広がり
 6月21日付けの当ブログの記事へのピカチュウさんからのコメント「『天下国家も語り』『腐った魚も売らない』生協職員にならないと!」の中でも紹介されていましたが、今や首都圏では、一人の組合員が2つ以上の地域生協へ加入している事例が増えています。
 「こだわる商品群はA生協から、価格優先の商品郡はB生協からという感じで」、二つの生協の共同購入・宅配を使い分けることによって、その組合員にとってのニーズへの充足度が高まり、しかも結果として週2回配達が受けられるメリットもあり、「商品政策の異なる生協を併用できると言うのは都会の消費者の贅沢だとは思うのですが、現状より後退させるというのはなかなか難しいことだと思う」とピカチュウさんは率直に語っておられ、「コープとうきょう、パルシステム、東都、生活クラブの四つの購買生協の合併と言うことは組合員感覚としてちょっとありえないという気がしています。」と述べています。
 私も、四つが全部一つの生協へと合併を進めることは難しそうだと感じますが、四つもが何時までも並存して競合しあっていられる時代とも思えません。
 こうした重複加入の実態をほとんど把握できていませんので、以下、推測の範囲ですが、二つの生協に加入して両方を利用するような熱心な組合員は、概ね利用が多いと思われ、両方の生協の平均的な一人当たり利用高を上回る利用をしている組合員が多く、どちらの生協にとってもありがたい組合員となっているのではないかと思われます。(だからこれまでは、一人当たり利用高を引き下げる要因として問題にならずにきたのではないのでしょうか)
 それにしても、一つの生協で全面的に利用結集する組合員が多いほうが、一人当たり利用高は高まり、共同購入・宅配の事業効率を高め、よりコスト率を引き下げ、より低価格を実現できる力を強めることは間違いないことなので、四つの生協に分かれて競合し、重複加入組合員が多くなっている現状のままでいて良いとも思えません。

商品政策は同質化に向かうのではないか
 これから、供給高の伸び悩みを克服するための努力の焦点は、組合員一人当たり利用高をどう高められるかになりますから、それぞれ全面利用結集を目指して商品政策を見直すことになり、「こだわりの商品」も、「低価格の商品」も両方揃えますという方向に向かうことが考えられます。
 コープネットグループの商品案内を見ても、以前に比べると、こだわり商品の取り上げ方が目立ってきています。
 そうなると、徐々に同質化が進み、イメージは違うかもしれないが実質はさして違わない商品での競合になっていくのではないかと予想されます。
 グループによっては、こだわりをますます深める行きかたを取るかもしれませんが、大方のグループでは、大局的に見れば、こだわりの商品も、低価格の商品も両方を取り扱う方向に進むのではないかと思われます。
 だとすれば、それらのグループ同士は同質化競争になり、お互いに足を引っ張り合う体力勝負のような競争へと陥って行くことが懸念されます。
 些細な違いを強調して対立的に競争するよりも、協力共同して、コストを引き下げ、ネットスーパーとの競合に対応できるように、生協の共同購入・宅配システムのレベルアップを図ることが検討課題になってくるのではないでしょうか。
 ピカチュウさんがこだわる週2回配達だって、大事な検討課題だと思われます。

委託業者に配達を依存している実態
 ところで、 個配(宅配)が共同購入に代わって成長発展してきた陰には、委託業者による配達への依存度の高まりが、どの生協にも共通しています。
 優秀な委託業者は、複数の生協から仕事を受託していますので、二つの生協を利用している組合員のところへ、実は同じ委託業者の別々の社員が配達に訪問していることが起きているかもしれません。
 生協によって、委託業者へ依存度に程度の差があるようですが、配達のあらかたを委託してしまっている生協もあるようで、委託業者はすっかり生協の共同購入・宅配事業の中に定着してきているのが現実です。
 個人的な意見としては、私は、生協としての人材育成という視点からすると、正規職員やパートタイマーでの体制補強にもっと力を入れるべきではないかと考えていますし、委託業者への依存を安易に増やしていくべきではないと思っていますが、現実にはそのように改革を進めていくことはそう簡単なことではないので、委託業者へのかなりの依存は今後も続くと思われます。

共同購入・宅配事業の競合から、共同化の検討へ
 40年間、日本の生協の成長発展の柱となってきた共同購入・宅配事業ですが、今年度に入ってから、一段と厳しい経営状況になっているようです。
 これまで他に比べれば比較的頑張っていた生協でも、利用人数が前年割れになったり、供給高が大幅前年割れになったりという事態が生じています。
 この状況を打開するため、埼玉でも東都生協を加えた四グループで、組合員拡大競争がこれまで以上に激しくなることが予想されます。
 80年代、90年代のようにそれぞれが成長発展していた時期であれば、お互いに切磋琢磨して、生協陣営トータルとして加入率が高まることは良いことと構えていて良かったのですが、近年は、各生協とも組合員の新規加入の伸びが低くなっており、脱退や利用休みは増えている中で、利用人数の伸びは僅かとなり、一人当たりの利用高は前年を下回るのが常態のため、供給高では前年並みか前年を下回る状態に陥っているわけで、もう余裕はまったくなくなってきているのではないかと思われます。
 他方では、大手流通グループのネットスーパーへの取り組みが広がっており、共同購入・宅配事業はいよいよ生協の独壇場の時代ではなくなりつつあるわけで、これからは生協同士で競合して足を引っ張り合うようなことは克服して、生協グループの協力共同の力でネットスーパーとの競合に立ち向かうことが必要になってくるのではないでしょうか。 
 共同購入・宅配事業の発展を支えてきた要素としては、組合員と職員と商品が大きいと思いますが、組合員は重複加入がかなり広がっている実態があり、商品政策と商品の内容は実質的に同質化が進んで行く方向にあり、職員についても委託業者に依存している度合いが高まっているわけで、同一地域以内でいくつもの生協に分かれて競合しているのは、もうふさわしくない状況ではないかと感じます。
 力を一つに寄せ合えば、今行き詰りかけている、共同購入・宅配事業の再生、新たな発展の道を切り開く可能性が見えてくるのではないでしょうか。
 これまで競合しあってきた生協同士が連帯共同化に向かうことは考えにくいことかもしれませんが、過去の行きがかりにとらわれて今後も足を引っ張り合っているようでは、今の行き詰まりから脱出することはできないのではないかと思われ、発想の転換を期待したいものです。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2010年07月25日(Sun)02:16 [EDIT]


同じ生協から週2回配達はいらないのです

日生協総会の記事への私のコメントから取上げていただきまして有難うございますm(_ _)m
都市部における生協への重複加入組合員の意識や感覚を代弁して書いてみました。ただし、大友さんに誤解があるようなのでそこについて今回はコメントさせていただきます。「生協からの週2回配達」ニーズのある組合員はそんなに多くないと思います。まず、商品案内書に目を通す手間、商品を2回受け取って発泡スチロール等の箱から家の中にしまう手間、それを回収してもらうことへの気遣い、の負担感を想像した上で、「週2回配達」の検討をしていただきたいです。確か1990年前後に九州の共同購入企画統一と同時に週2回配送を実験して大失敗した歴史があるはずです。私は当時の九州の常勤職員に大多数の組合員の生活や意識がわかっていなかったための失敗だったと分析しています。
私自身は職場で班加入、自宅で個配という重複加入利用をしていますが、同じコープネット会員なので商品案内書は同じ内容なので1回目を通せばいいので苦にはなりません。2回面倒な手間をかけて生協の配達を利用する組合員は、その手間隙をかける条件と意識が相当に高い層であり、多数派にはならないと思われます。
また、同じ生協の中でこだわり商品と低価格商品の品揃えがすすんでいることは承知しています。しかしながら、こだわる内容が例に上げた4生協でも相当に違うので、それぞれのこだわりを統一して一つの生協にするのはかなり難しいことだと思われます。たとえば、リユース容器規格の商品をコープネットが取り扱えるでしょうか?
>過去の行きがかりにとらわれて今後も足を引っ張り合っている......こういう点に関しては、大同団結の機会をもっとつくっていく中で、一歩ずつ共同をすすめていく取り組みが加速していくように願っています。

ぴかちゅう | URL | 2010年07月26日(Mon)13:10 [EDIT]


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。