コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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なぜ、「3生協合併」に賛成しないか     ~その3

[大友弘巳]

 3、地域社会の中での協同連帯こそが生協の価値を高める    
① 地域の中での協同連帯の重要性
《ICAジュネーブ総会基調講演でのリフキン教授からの提起》
 「生協運営資料NO252号2010年3月発行」に掲載された日生協芳賀専務からの報告によれば、昨年11月に開催されたジュネーブでのICA総会では、「協同組合こそがこの時代に対応する能力を持っている」としきりに言われていたとのことです。
 「社会的な善と一致した事業を行っていることがこれから生き残っていける大前提」ということで、協同組合こそが社会的な善と一致した事業の担い手であるとの自負に基づく認識と思われます。
 総会で基調講演を行ったリフキン教授(エントロピーの法則で知られるアメリカの科学者・文明評論家)は、世界が直面している三つの危機「経済、気候変動、エネルギー」のうち、特にエネルギー危機を取り上げ、以下のような話をされたと言います。
 「21世紀に求められているのは、脱炭素社会を構築する第三次産業革命です。その基本的な考え方は、エネルギーを地域社会に取り戻すこと。すなわちコミュニティ単位で考える分散的エネルギーの創出と供給です。そしてそのコミュニティを実現させるためには、地球の危機のために取り組むという共感と共鳴が重要です。生協はまさに、協同組合の理念への共感と共鳴に基づいて集まった人々の組織であるから、この第三次産業革命を担うにふさわしい組織であります」と。

 もっと前後を読まないと分かりにくい点が残りますが、エネルギー問題だけでなく、食の安全・安心、環境、子育て、高齢者福祉、などの問題を考えてみても、地域の中での協力共同がますます重要になっていることは明らかですから、これからの時代には、コミュニティの中で共感と共鳴に基づく人々の協力共同が重要であり、協同組合にその担い手としての役割が期待されているということには誰しもが賛同できると思います。

《「生協の21世紀理念―自立した市民の協同の力で人間らしいくらしの創造と持続可能な社会の実現を」に基づく実践を強力に》
 ICA総会での議論を受けとめて日本の生協の現状をみるとき、1997年の日生協総会で採択された「生協の21世紀理念」が、今この時代の中でますます重要になっているように思われます。
 組合員のくらしが大変な状態になってきている中で、生協の事業経営にも困難が深まっている今、事業経営の立て直しに奮闘するだけではなく、生協が「人間らしいくらしの創造と持続可能な社会の実現」のための活動を強化することが大事になっていると思います。
 組合員はもとより、地域の中で多くの人々や諸組織へ共感と共鳴を広げて、「自立した市民の協同の力」を大きく発揮するような具体的な活動に積極的に取り組むことなくして、「人間らしいくらしの創造」も「持続可能な社会の実現」もありえず、生協への共感や支持を広げることもできるはずはありませんし、事業経営の現状の困難を突破することも難しいのではないでしょうか。
 さいたまコープ、コープネットグループでの社会的役割発揮の取り組みを見ると、「食と商品」「環境」「こども子育て」「くらしの安心」の4つを重点にさまざまな活動が取り組まれてはいるのですが、この間の様子では、例えば「くらしの安心」の活動の一つとして位置づけられている「核兵器廃絶の署名運動」なども積極的に取り組まれたとは思えず、広がりが見られない残念な状況に陥っているように感じています。
 経営の建て直しのために内向きになりがちな状況なのかもしれませんが、「事業を通じて役割を担う」ことを狭く捉えて、生協の組合員の中での取り組みにとどまり、21世紀理念の実現を目指す活動を地域の中で積極的に推進することに、力が十分に入っていないのではないかと感じます。 

《地域の中での協同連帯を大切に》
 前回述べた生協の三つの力(組合員、役職員、連帯)のうちの「連帯の力」について、ともすると地域生協間の「連帯の力」のことにしか目が向いていないきらいがあるように思われます。
 生協の事業の視点だけでなく組合員のくらしの視点で考えると、リフキン教授の提起や、「生協の21世紀理念」を想起するまでもなく、地域(コミュニティ)の中で、生協への共感と共鳴があってこそ生協の存在があるわけで、地域の人々に支えられていることを自覚し、地域の中での「協同連帯の力」を築いていくことをゆるがせにしてはならないはずです。
 組合員のくらしは、地域の中でのさまざまな諸関係の重層的な組み合わせによって成り立っており、(地域購買)生協との関係は、そうした数多くの中の一つでしかありません。
地域の中で活動を進めていくためには、地域の中のさまざまな団体との関係に配慮し、広く共感と共鳴を得られるように努めながら、協同連帯の関係を強めていくことが大切であることはいうまでもありません。
 もちろんこの中には、医療生協など異業種生協との協同連帯も含まれます。
 また、労働者協同組合法が制定されようとしている中で、ワーカーズコープなど社会的協同組合の設立を支援し、それらとの協力共同によって地域の中での役割を高めていくことも検討すべき課題となっていると思われます。
 どこの生協にも共通していることですが、さいたまコープの場合も、元理事、組合員活動委員を経験された多数の方々が、地域の中で、別の分野で多彩な活動に参加しておられ、地域の中でオピニオンリーダーとして活躍しておられる方も数多く、さいたまコープの活動を見守ってくれていることを忘れてはならないと思います。
 「連帯の力」と言う時、「生協間の事業連帯」だけではなく、「地域の中での協同連帯」を大切にし、両方合わせて「人間らしいくらしの創造と持続可能な社会の実現を」目指すことが求められるのではないでしょうか。

②地域の中での協同連帯のあり方を考える~いくつかの論点について
《地域の中での協同連帯の現状と課題》

 地域やコミュニティについての定義は必ずしも共通認識となっているわけではありませんが、「日常生活圏」と仮設して具体的なイメージを描いてみると、一つの市の中にいくつかの地域(コミュニティ)があり、そこには市役所の支所や学校区や、ふだんのくらしを賄うスーパーマーケットがあり、町内会や老人会、趣味のサークルがあったりし、生協の店舗もその中の一つとして考えられます。
 生協ではこのような地域(コミュニティ)の中で、組合員組織としてコープ会を作っていますので、先ず組合員の中での活動を活発化すると共に、地域の人々、諸団体との結びつきを作り、協力共同しあうことを目指すことが大切ですが、この単位では地域の人々、諸団体とのつながりは、いまだ少ないのが現状です。
 県段階では、他の団体も県段階での組織が多く、生協県連もあり、消費者団体連絡会、平和・市民5団体、協同組合間提携協議会、ユニセフ埼玉支部、共同作業所連絡会、生態系保護協会、などなど、多くの諸団体との協同連帯の関係ができています。
 しかし、地域(コミュニティ)の段階ではこれらの団体に関わっている人々、諸団体がそれぞれバラバラに活動を進めているのが実情です。
 これらの協同連帯の関係のいっそうの強化のためには、全県を活動区域としているさいたまコープとして、県生協連と共に、これまで以上に積極的に関わっていくことが必要になると思います。
 そして、それぞれの団体が縦割りで地域(コミュニティ)単位ではバラバラに活動を進めていて、横のつながりが少ない現状を打開するために、生協が率先して地域(コミュニティ)毎の協同連帯を広げていくように努めることが今後の重要な課題となっていると思われます。

《「首都圏」というエリアについて》
 「首都圏に住む住民」という切り口でも、通勤圏、通学圏、ブランド商品などの買い物圏、医療圏、音楽会や演劇など文化行事への参加圏、などで共通の関係性を持っていることは事実であり「埼玉都民」などという言葉もあるくらいです。
 しかし、埼玉に住み、東京へ通勤や通学をしている場合の当事者の人々にとっては、くらしの中でのそのことのウエイトが高いでしょうが、それでもそれはくらしの一部でしかありませんし、それらに該当する人は埼玉の住民の中では一部でしかありません。
 首都圏単位での住民の組織というものについてはあまり聞いたことがありませんので、生協が県域を越えて合併を進めたとしても、地域の諸団体との協同連帯の関係を築くことができるのは県単位ということになってしまうものと考えられます。
 地域生協として地域に根ざして活動を進め、他の団体とも協同連帯を強めていこうとすると県毎となるのであれば、生協の組織も県単位であることがベストだと思われます。
 また、首都圏と一口に言っても、いわゆるドーナツ現象ということでの地域性に大きな違いがあり、人口密度、地価(したがって家賃の格差)、住民のくらしの状況、環境、社会的インフラの整備状況、小売業の競争条件、などなど東京都内と埼玉県や千葉県とはかなりの違いがあります。
 もちろん埼玉県内でも県南部と北部とでは大きな違いがあり、一律的な捉え方をしているようでは地域に根ざした存在たりえなくなる状況です。
 都心部と埼玉の県北や千葉の県南とではまったくと言ってよいほど大きな違いがあり、合併して一つの生協になった場合は、地域に根ざした生協として役割を担うにはよほどの分権化を進めなければ困難と思われます。
 SM店舗展開ということで考えると、主要なSMチェーンは首都圏単位で自由に店舗を展開していますので、生協も首都圏単位でリージョナルチェーンを組んで対応できるようにすることが必要ですが、そのためにコープネット事業連合を20年も前に設立して協同連帯を積み重ねてきたのですから、事業連合での連帯を成功させることこそが課題です。
店舗展開の成功を最優先して、地域の中での協同連帯の担い手となるべき生協のあり方を根本から揺るがす合併を無理押ししようとするような姿勢では、地域に根ざした価値ある生協を作っていくことは難しいのではないでしょうか。

《地域に根ざすとは、自治あってこそ》
 「3生協合併」を進める場合でも、当然のことながら県毎の「分権的運営」を大事にすることは検討されているようです。
 例えば、埼玉には埼玉県本部長を置いて、かなり大きな権限を持たせるようなことは考えていると思いますが、それでも今のさいたまコープの理事長と専務が持っている責任や権限と比較すれば大幅に限定されることになることは否めません。
 本部長は、埼玉の組合員から選挙で選ばれる関係ではなく、合併した場合のマンモス生協の理事長や専務から任命される部下でしかありませんから、埼玉の組合員に対する責任が第一義ではなく、上司たる理事長や専務からの指示に従い、上司に対する責任を負うことが第一義となります。もし常務など役員の一人が県本部長を兼ねるという場合でも、さして違いはないと思います。
 この間、事業連合への機能統合を合併に近いほどに進めてきたなかで、事業連合の現段階でさえ上意下達の関係が強まってきていることを感じる現状ですから、合併した場合は、さらに強大な本部主導の組織と運営になっていくものと予想されます。
 先日、ある組合員が、「私はさいたまコープの組合員になった覚えはあるけど、コープネットの組合員になった覚えはありません」と憤慨していたとの話を聞いて、胸が痛む思いをしました。
 既に地域に根ざした運営が崩れつつあるように感じられる現実への、厳しい指摘と感じるからです。
 これ以上そんな状態が進まないように担保するためには結局、埼玉のことは埼玉の組合員が選んだ代表が最高責任者として決めるという自治の権限を確保することが必要です。
 合併した場合はそこまでの分権はできないと思われますので、「3生協合併」はしないほうが良いとしか考えられないのです。




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