コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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なぜ、「3生協合併」に賛成しないか、   その1

[大友弘巳]
何のための合併なのか~合併の自己目的化としか思えない
 私は埼玉県内での合併を何度も推進してきた者ですし、事業連合の創立にも関わり、リージョナル連帯を推進して機能統合も進めてきた者ですので、合併にすべて反対などと考えているわけでは決してありません。生協法改正運動のなかでは、私も、県域制限については撤廃し、生協が自主的に決められるようにすべきものと考えてきた一人です。
 しかし、同時に、安易に合併を目指すことは正しくないし、自主的に決められるようになればなるほど、本当に合併することが必要か、それが最も適切か、など、真摯に検討すべきだとも考えてきました。
なぜなら事業連合での機能統合なら、やってみてうまく行かない場合は、元に戻すなどの見直し対処が可能ですが、合併してしまうと元に戻すことはほぼ不可能だからです。
 当ブログの3月21日のページの最後に斉藤さんが述べておられるように、下手をすると、合併して大きくなったマンモス生協が、総崩れになってしまうことだって十分考えられるとも思っています。(フランスやドイツの生協の失敗の経験については昨年11月16日に掲載した「生協間の連帯について学んだこと」で紹介した通りです。)

 振り返ってみると、最初はコープとうきょうとさいたまコープの2生協の合併の可能性が話し合われていたのが、その後、ちばも一緒に合併の方向と聞こえてき、さらに2007年の暮れになったらかながわも含めて4生協合併の検討へとエスカレートし、ギョーザ問題が発生したら4生協合併は取りやめとなり、以来2年を経て今度は、とうきょう、ちば、さいたまの3生協合併へと、枠組み自体がどんどん変わっており、どの組み合わせでも良いとばかりに「合併ありき」に走っているとしか思えません。このように、まず、合併を自己目的化しているとしか思えないことに危惧を感じざるをえません。
また、前々回と前回の投稿で触れたように、検討の進め方も極めて強引であり、多数の組合員からの支持の力によって支えられている生協の運営としてあってはならない危うい進め方といわざるを得ません。

「県域を越えた『合併』についての懸念・メモ」
 約4年前、まだ生協法改正が実現していない時期でしたが、県域を越えた合併の検討がされ始めた頃、「県域を越えた『合併』についての懸念・メモ」を書いたことがありました。
 そのなかで、「合併」についての「懸念」として以下の5点をあげていたのですが、いずれも、今も同じように、いや、むしろ以前よりもっと強く懸念される事態になっていると感じています。
1、日本の生協の今後の展望を切り開くのは、県域を越えての合併による規模拡大よりも、それぞれの県内で「深く耕す」ことではないだろうか。
   足し算での規模拡大よりも、地域ごとのシエアアップ、そのためのレベルアップこそ存在価値を高める。
2、組合員としっかり結びついた組織をそれぞれ大切にし、強めていくことこそが大きな課題なのではないだろうか。
   最も大事なのは、組合員からの信頼。その信頼のもととなるのは親密感。自分たちの生協という実感が持てる関係。
3、地域社会とのつながりを大切にし、さらに強めていくことこそがさらに重要な課題となって行くのではないだろうか。 
地域の一員としての生協。地域に根ざして、地域とのつながりを広げる。
   都道府県毎に地域社会には違いがあり、培ってきたつながりを大切に。
4、「自立と協同」の理念をいっそう大切にし、お互いに責任を持って、共々頑張ることがだいではないだろうか。
   請負ともたれあいの関係に陥ってはならない。
   変化や競合に対する迅速な対応力こそ大事。
5、合併した組織、事業、経営をしっかり運営できるかどうかのリスクが大きい。
   ガバナンスやマネジメント、人材育成など、飛躍が求められるが、それを着実に成功させることが可能か。
以下、これら5点について、詳しく述べてみたいと思います。

1、県域を越えた広域合併よりも、「深く耕す」ことの重要性
<地域の中でのシェアの到達点の低さの現状>
 東京都の人口は約1300万人に及んでいます。埼玉県は717万人、千葉県は618万人となっており、スイス757万人、スウェーデン925万人と比べてみるとその人口の多さは一つの国並みです。
 スイスの場合、ミグロス生協は10の生協に分かれた連邦グループの合計で売上高2兆3千億円以上となっており、小売業の中でのシェアは29%におよんでいます。
 埼玉県の人口はほぼ同じ(スイスより5%少ないだけ)ですが、さいたまコープの09年度の事業高は1,063億円ほどに過ぎず、ミグロス生協の20分の1にも及ばない到達点です。
 コープとうきょうの場合は、同じように計算してみると、東京都の人口はスイスの1.7倍以上になっているのに、コープとうきょうの事業高はミグロス生協の14分の1ほどでしかありません。埼玉よりさらにシェアが低い状況です。
 このレベルでもう、さいたまコープもコープとうきょうも伸び悩みになっているわけで、ミグロス生協のように圧倒的多数の住民、組合員から支持される存在になるにははるかに道は遠いのですが、多くの可能性が残されているともいえます。
 全国的には地方ほど人口の減少の影響が大きく現れている中で、東京、埼玉、千葉は人口が増えつつあるわけで、供給が前年割れになっていることは恥ずかしいレベルであり、努力の方向を見直すべきではないかと考えざるをえません。

<目先の拡大の数や規模ばかり追うレベルから脱皮を>
《共同購入・宅配》

 09年度上半期までは新規加入の数ばかり追いかけているとしか思えなかったコープネット3生協の共同購入、宅配の様子でしたが、ようやくこのところ、加入してくれた組合員の利用定着とか、利用人数確保が強調されるようになってきたことは良かったと思っています。しかし、まだ初歩的な変化に過ぎません。
 利用定着も、利用人数確保も、目先の数だけ追う取り組みに終わるなら、組合員一人ひとりの利用結集レベルを高めていただけるようになることまでは難しいと思われます。
 共同購入・宅配の事業では、過去の成功体験に基づく粗放農業的な拡大方式から脱皮して、一人ひとりの組合員への役立ち度を高めるための、そして経営構造も大きく変えるようなイノベーションを実現することが必要な時期になっていると感じます。

《店舗》
 ここ数年、3生協合わせて10店舗前後のSMの新店を作ってきましたが、そのあらかたが計画の供給高を達成できず、膨大な赤字に苦しんでおり、投資回収の見込みも厳しいようです。
 店舗の機能はほとんどコープネットに集中した中でこのような結果になっているわけで、統合を進めればうまく行くと言うことではないことの何よりの証明になっています。
 当分出店は見合わせることになったようですが、ギョウーザ事件や不況・デフレ、そして競合激化などのせいにしているだけでなく、きちんと総括を深めるべきです。
 さもなければ、この先新店を作る力も出てこないし、組合員からの支持も得られません。
 店舗では、スクラップ&ビルドが大事なことですが、それは、商勢圏や商圏の中でより支持を広げたり、競争力を強める方向を重視し、結果としてシェアがアップする方向で戦略的に検討を進めたいものです。
 新店作りの数を追いかけることにばかり力が入り、既存店の充実強化が不十分では、結果としてスクラップが増えるばかりとなり、店舗トータルでの損益が良くならないばかりではなく、せっかく築いてきた地域のなかでの生協の地歩をぶち壊しにすることになりかねません。

《合併》
 3生協が合併すれば、日本一の大規模生協が首都圏に実現する、ということが、急いで合併したいと考える大きな要因となっているように感じています。
 ダントツ日本一の人口規模を持つ東京に、日本一の生協が実現してほしいと私も願っていますが、コープとうきょう、ちばコープ、さいたまコープの3生協を合併して組織規模、事業規模を1位にすることではそれほど値打ちが上がることとは思えません。
 手っ取り早く規模NO1を作ることができるとは考えますが、それはあまりに安直であり、シェアを高める、つまり質的なレベルアップを果たすことにはなりません。
 それは、質的に言えば、ちばコープやさいたまコープのコープとうきょう化でしかなく、ちばやさいたまの組合員、役職員に新たな活力をもたらすとは思えません。
 コープとうきょうが、東京の中で日本一の生協を築いてこそ、値打ちがあることですので、それを全力あげて目指してほしいし、そのためにコープネット事業連合が役に立てるようになってほしいものです。
 なぜなら、それはちばコープやさいたまコープにとっても役に立つ事業連帯に発展することになるはずだと思われるからです
 コープとうきょうの皆さんが「東京に日本一の生協を作りたいので応援してほしい」と
表明され、「ちば、さいたまはじめ他の生協も、それぞれの県の中でシェアを高めるように頑張ってほしい」と提起されれば、それは大変なインパクトを与え、コープネットグループ全体のモチベーションが一挙に高まるものと思います。
 それは、コープとうきょうの質的な飛躍を目指すことの決意とも受け止められますし、コープネットの連帯のありようを変えることも含めて大きく前進することにも繋がるものと期待されるからです。

長くなってしまいました。つづきは次回へ。

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