コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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「高島屋と阪急阪神、破談」の報道を読んで

[大友弘巳]

「統合、規模の利点みえず」
 3月26日の朝日新聞朝刊の1面に「高島屋と緩急阪神、破談」の大見出しに続いて、「統合、規模の利点見えず」との中見出しが続く記事が掲載されました。
 25日、両社がそれぞれ同時的に、東京と大阪で記者会見をして、検討を進めてきた「統合合併」は取りやめにし、これまで通りの業務提携を継続することにしたと発表し、その理由を説明すると共に、質問にも答えたことが紹介されています。
 理由の詳細は3面に、記者会見の模様は12面に掲載されており、大きな注目を集めたことが伺えます。
統合が実現すれば、売上高は1兆4856億円に及び、百貨店業界首位の三越伊勢丹ホールディングス(1兆4266億円)と肩を並べ、首位の地位を取って代わるはずだったのですが、「話し合うほどに考え方に差異があり、統合比率も議論したが、一致点はなかった」「統合後の成長戦略が描けず、議論が不十分なまま進めば、両社の良さを殺しかねないと言うことになった」など率直に語っています。
 注目したのは、規模の問題について、高島屋の鈴木社長は「規模が絶対的な条件ではないとの認識は当初からあった」と語っている点ですが、その考えは阪急阪神側も同様であったようです。そのことを負け惜しみと見る人もいるかもしれませんが、いまどき、「大きいことはいいことだと言う時代ではなくなった」と言う見詰め方が経営者の間でも広がっているのではないかと感じます。

「統合よりも足場固め」「収益回復を優先」
 3ページの大見出しは「統合よりも足場固め」、中見出しは「収益回復を優先」とされており、リードのなかでは、「『規模の拡大』では、業績回復を果たせないと判断したためだ。先ずは足元の基盤固めを優先しないと、不況を乗り切れない。そんな百貨店業界の苦境が背景にある。」とされています。
 「07年の大丸と松坂屋が、08年に三越と伊勢丹が統合。」それまで首位だった高島屋が追い越されたなかで、阪急阪神と統合すれば再びトップ企業の肩書きで有利になると想定したようですが、そんなシナリオが08年秋の金融危機で狂ってしまい、百貨店業界の業績はどの企業も売上が急落する事態に陥りました。
 「統合先行組も成果を手にしたとは言え」ず、「伊勢丹のノウハウ導入にとまどう三越では、早期退職に想定した倍の1,600人が手を挙げ、毎月の売上高も前年同月比10%以上の落ち込みが続」いており、働く従業員の士気の低下が伺えます。
 言うまでもなく、小売業にとっての最大の資源は顧客と直接接する多数の従業員であり、その人々の士気が衰えれば業績が急落することは当然の結果と思えます。
 「高島屋と阪急阪神に統合は当初、営業利益率が業界トップ級の3.6%を超える『勝ち組連合』と見られていた。しかし、両社共に09年度の営業利益率の予想は1%台に低下。目先の売上をとることに注力せざるを得なくなった。」という状況のようです。

「話し合うほど違い出た」「筋書き変わった」
 さらに、12ページの記者会見でのやり取りの大見出しは、高島屋側は「話し合うほど違い出た」、阪急阪神側は「筋書き変わった」とされており、統合が破談になった理由がそれぞれ紹介されています。
 高島屋は、「品ぞろえ、店舗戦略、人事制度などの経営課題を真剣に議論してきたが、話し合うほど考え方に差異が出てきた。」を挙げ、「規模は追求しないのか」の質問に対しては、「規模と体力は確かに重要な要素だが、絶対ではない。高島屋の規模なら、他社との競争にも負けない。」と応じています。
 阪急阪神は、「なぜ統合まで行かなかったのか」の質問に対して、「シナリオにないことが起きた。リーマンショック後の消費構造の変化で議論が複雑になった。」などと答え、「業界再編で、提携維持が(ほかの百貨店との統合の検討にとって)デメリットになるのでは(ないか)」との質問には「妨げになるとは思っていない。必ずしも規模は競争力にならなくなった。店舗(数)規模より内容。全国ネットでこれだけ売っていますというのは、大変なのではと感じている」と応じています。

生協の統合検討に当たっての教訓
 事業連合の中で高度な機能統合を進めてきたコープネットグループの3生協が、組織統合も選択肢の一つとして協同連帯のあり方を検討している今、以上のような、高島屋と阪急阪神の経験は大いに参考にしなければならない教訓を多く含んでいると思います。
 1、 3生協は、既に実質合併に近いところまで機能統合を進めてきているわけですが、その中で、競合条件や地域性、これまでの仕事中で培ってきた組織風土 などの違いを大事にしないで統合を進めていることの問題点が大きくなっているのではないかと私は感じています。
 さいたまコープの宅配や店舗の現場では、三越と同じような戸惑いや混乱が起こっており、誠に残念ながら、多くの職員が元気をなくしている様子が伺えます。
 2、 統合度が深まって、コープネットグループ3生協は既に実質的に一体性を強め、3生協合計の組合員組織、供給高規模は、日本の生協の中で第1位のグループになっており、商品取引などでのメリットは既に実現されているわけですが、反面、大規模組織の弱さ、硬直性が目立ってきているように思えます。
 ギョーザ事件や、リーマンショック以来の不況とデフレなど、環境の変化の速さ、激しさや、競合の激烈化の下で、迅速に、柔軟に対応することができず、供給高が計画を大きく下回り、09年度は年度決算では何とか赤字にはならずに済んでいる程度の見込みでしかなく、結果として物流施設が過大投資となってしまっていたり、遊休資産を抱え込んだり、店舗でも、投資回収の見込みが立たない新店舗が増えるなど、構造的な経営困難を抱えることになっていると見られます。
 変化や競争に機敏に対応して、迅速に取り組むためには、各生協毎にそれぞれの状況に即応しやすい組織と体制を作ることこそが緊急の課題のはずです。 そして、少なくとも今後2~3年は、事業の革新、経営の建て直しに専念して全力で取り組まなければならない時期と考えるのが当然と思います。
特につらい問題として、建て直しが困難と思われる店舗の閉鎖もかなり多数に渡って検討せざるを得なくなると考えられ、これらについて組合員の理解と協力を得ることには莫大なエネルギーが必要になると思われます。
 そんな状態の中で、大方の組合員からに理解と合意を得ることが必要で、膨大なエネルギーを必要とする、合併の検討を平行して進めることが妥当なのかどうか、どこまで真剣に考えられているのだろうかと、疑問が深まるばかりです。
 
新聞報道に対して、ダンマリで良いものか?
 3月20日の新聞各紙に、「首都圏3生協合併検討」「東京・埼玉・千葉 国内最大に」と
報道された件について、前回の投稿「なぜ合併を急ぐのか、こんな進め方で良いのか」を投稿しました。
 3生協とコープネットの幹部の中にも勿論それを読んだ人がいるはずですが、いまだに、組合員への釈明や、説明責任を果たそうとする動きが見えません。
 聞くところによると、コープネットや3生協が正式な取材を受けたわけではないということのようですから、「かながわ、しずおか、やまなしの3生協が13年3月に合併することで合意した」ことについての報道との関係で、かなり憶測的に書かれてしまったということなのかもしれません。
 が、もしそうであれば、コープネット3生協について「合併は13年前後になる公算が大きい」など書かれたのは、一方的な憶測記事でしかないことを、組合員へはもとより社会的にも明らかにすべきと思いますが、どうもそういうことはしないようです。
 ということは、社会的に見れば、あの記事は事実を伝えているものとして、当事者も認知しているとみなされることになりますが、本当にそれで済ませていて良いものでしょうか。
 それは、地区総代会への提案と違ったことを実際には進めていることを自認することにもなりますが、そう受け止められても気にかけないと言うことなのでしょうか。
 
 コープネットグループは、「正直」を大事な価値とするとかねてから述べてきていたはずです。それに照らしてみても、ダンマリで済ませてしまってよいとは到底思えません。

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