コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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生協間連帯についてー3

「斎藤嘉璋」

 県域越え合併の問題点

 昨20日の日経新聞は「首都圏3生協合併検討」「生協、規模拡大急ぐ」の記事を掲載しました。このブログの3月10日の稿でコープネットは今期中計(10年~12年)では連帯問題はまだ準備段階と位置付けているので、今後の連帯のあり方は広域合併の可否をふくめいろいろな選択肢が今後議論される、ついては私の意見も述べたい――と書きました。しかし、朝日新聞の夕刊にも同様の記事が載ったところを見るとあれこれのあり方論議を抜きに「3生協合併」を急いでいるようで、中身とあわせ進め方にも心配が高まってきます。
 報道されている首都圏3生協とはコープネット傘下のとうきょう、さいたま、ちばの3生協であり、別途、合併合意を進めているとされるのがユーコープ傘下のかながわ、しずおか、やまなしの3生協です。いずれも事業連合のなかで商品をはじめ事業上の諸機能の統合を進めてきた生協同士です。
 このような形の県域越え合併には大きく見て3つほどの問題点を感じます。
一つはすでに事業連合の場で事業の集約・機能統合しているので新聞では「規模拡大急ぐ」とかかれていますが新しい「規模の拡大」は考えられないということです。

 経済規模は同じでもこれまでの「共同化や統合」が「単一化」によって効率は上がるかと思われます。事業連合と単協本部の諸機能と運営がとかく大変という思いから、とくに専従者は単一化、合併で効率的な運営になることを望んでいると考えます。経済的規模は変わらないのであまり商品等の改善に期待はもてない(改善できるのなら事業連合ではなぜできないのか?)、期待できるのは組合員組織と専従職員組織が単一化し、組織運営と内部運営が効率化することのようです。それは、運営と事業執行者の期待でしょうが、組合員にとってのメリットとは言えないと思います。これまでの都県ごとの生協として培われた地域との関係などをふくめ、組合員の生協への愛着、モチベーションといったものが後退するでしょう。当然、組織運営や組合員活動を後退させないために都県ごとの運営強化策をとるべきだと考えますが、そのことは効率化に逆行するでしょう。
 2つめの問題は3生協が合併しても事業連合の関係は残るということです。コープネットは新生協と北関東共同センター以来の茨城、栃木、群馬の3生協と長野、新潟の5生協との共同運営になると思いますが、その点では運営の2重性は解消されません。ということは規模の拡大がない中で運営の効率化もあまり進まないということになります。
ということで、北関東3県と長野、新潟との合併も引き続き進めることが有力な選択肢になる可能性があります。しかし、首都圏・関東甲信の8都県にまたがる大生協の出現は日本の生協運動の発展でしょうか?会員生協の組合員が喜ぶこととは思えません。事業連合は会員生協の事業経営力を強化するためつくられ、諸機能の統合などもそのために進めています。合併のために連帯してきたわけではないのでネットは単協強化のためどうあるべきかさらに検討、努力すべきと考えます。
 3つめの問題はこのような一つの事業連合内の会員生協同士の合併は同じ地域に競合関係にある事業連合・会員生協を残す不正常さを持つということです。それは都県内での競合関係の広域化であり、組合員活動や対社会的活動などでマイナスです。これまで生協は都県ごとに各種生協があつまり県連をつくり、社会的役割を果たしてきましたがそのような構造が大きく変わります。もともと、県内合併であれば事業経営上のメリットがあるはずの宅配事業のインフラなどが統一できず、配送車が入り組んで走り回る姿が続きます。このような地域競合を激化させるような形の広域合併は連帯活動の前進だと思えないので、前の稿で分立する事業連合同士、その違う会員同士の県内での連帯こそ検討課題だと主張しました。「それは現実的でない」という反論がありそうですが、そんなにメリットが大きいとは思われない今回検討されている広域合併をお思いとどまれないものか、関係者に熟慮を期待するものです。

 諸外国と比較して
日生協の「虹流」に芳賀専務の講演録「ヨーロッパの生協の経験に学ぶー統合・連帯と長期ビジョンについて」が載っています。
芳賀専務はイギリスではかってCRSとCWSの二つの連合会の系統にわかれて喧嘩していたのが、CWSがCRSを吸収合併しコーペラティブグループCGとなりさらに合併を進めている経過に触れています。2つの連合会が会員生協を吸収合併し、勢力争いをしていたのはかなり古くからのことで、私は典型的な組合員不在の運営とみていました。日本の生協が事業連合という系統別に同じような勢力争いをするようなことがないよう、このイギリスの経験はマイナス連帯として「逆」に参考にすべきと考えます(連合会が単協と統合の揚句に倒産したフランスやドイツの例もあります)。
 イタリアでは9つの生協が3地区の3生協に合併することが検討されていると述べています。イタリヤの人口は約6000万人ですが、生協はローマ以北の北半分で活躍しており、その対象人口はほぼ日本の首都圏の人口(コープネット3生協の東京、埼玉、千葉の対象人口は2600万人)です。その北部でも3つのエリアは「食生活も文化も違うので無理をしないで一つにはしないで3つにしようとしている」そうです。イタリアでは小さな生協の合併を積み重ねてきていること、事業連合は地域連帯組織でありそれが競合するといった日本的存在ではないこと、最後は日本の首都圏の人口規模で一つにはしないで3つにしようとしていること、を学んでほしいと思いました。
 スイスの人口は757万人で、スイスにはコープスイスとミグロスの2グループがあり、それぞれ連合組織です。埼玉県の人口が717万人ですからスイスを真似るならさいたまコープは分割を考えなければならない規模です。
 私がイギリス、スイス、イタリアの生協視察をしたのは4年ほど前になるのでその連帯問題などで比較論を展開する自信はありません。強調したいのは日本の生協の事業構造(宅配事業中心)と連帯構造(事業連合の分立、競合)の特殊性を棚に上げて「連帯・統合」などを真似るべきではないということです。この間、日生協もコープネットもヨーロッパ生協の視察を繰り返していますが、そのような日本の特殊性とその克服についての見解がもっとほしいものだと思います。
日生協のヨーロッパ視察は長期ビジョン検討のためとのことで、「生協のありたい姿像」論議が続くようです。「2000億、3000億超える生協を急いでいくつつくるか」といった規模崇拝論などが「ありたい姿像」でないことを祈りたいものです。

4つめの心配
 田辺さんがこのブログで合併は総代会で決定できる事項となったが、その総代会決定で組合員個々人の出資金も合併生協に移行することになる、個々人の権利である出資金についてそれでいいのだろうか?と書かれている。法的には合併決定が有効であれば出資金も移動されるのであろうが、組合員の権利という点では田辺さんのような視点が非常に大切ではないかと感じました。前述の新聞では「コープかながわは静岡県と山梨県の生協と13年に合併することで合意した」とありますが、組合員は誰がどんな権限でそのような合意をしたのか、どこかの社長同士の会社の合併話か?組合員である私の同意などはどこで必要とされるのか?と疑問にもったのではないでしょうか。100万人を超える組合員の生協の合併が1%以下、1000人前後の総代で決められることーこのような生協法の改正は組合員の合意でやられたわけでない。今回の合併論議の背景に「生協法の改正でやりやすくなった」がある事、そんな気分にのった合併論と運営への心配が4つめです。

 私の故郷・新潟は生協後進県であり、日生協時代には地域2生協の合併を当時の県連幹部などと話していました。いまも身内が生協で働いており「今のところ2つの生協は2つの事業連合のお陰で頑張っている」との話を聞いていますが、そのため合併話などはなくなったようです。事業連合内での広域合併が進み、新潟もネット生協とパル生協の2つに固定化するのかな、後進性克服には県内合併が望ましいのだがーーなどと考えます。逆に、2つの事業連合が合併すれば状況は変わります。私の期待はネットとパルだけでなくすべての競合関係にある事業連合についてですが、事業連合同士の連帯、機能統一、組織合併が検討されることです。
それまでは単協の県域越え広域合併が保留されることが私の期待です(注―私は基本的に県域越え合併に反対で、単協が立ち行かなくなって解散する場合も県ごとがいい。1都7県が一度につぶれる形をつくってはならないという考えですが、これは必要なら別途展開したいと思っています。)


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