コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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事業連帯のあり方を考える~ 機能統合の最適化について

[大友弘巳]
 1月14日~15日と全国政策討論集会が開催されました。
私は1日目だけの傍聴参加でしたが、会長の挨拶、専務の報告、全体討論での発言を聞き、いよいよ、県域を越えた合併を選択肢の一つとする事業連帯のあり方の議論が本格的に始まる時期となったことを感じました。
 山下会長の挨拶では、「経営の自立は(各会員の)自己責任」と強調され、「今は生き残り戦略に集中して知恵を絞るべき」とも述べていましたが、他方では1980年にレイドロウ氏が提起した「三つの危機」にも触れ、「80年代の実践は明暗を分けた、暗の事例はフランス、ドイツ、アメリカのバークレー、明の事例はイタリア」と紹介しながら、「日本はまだチャレンジの時、連帯を後退させず、自立した経営の志を磨きあえるようにすることが大切」とし、連帯の議論にも問題提起をしています。
 矢野専務の報告では、事前配布の資料には「事業連合とその加盟単協との連帯のあり方について検討」となっていて、県域を越えた合併の議論については踏み込んだ記述はなかったのですが、口頭で以下のような趣旨の内容が語られました。
 「(ギョウーザ事件前に)県域を越えた合併の議論がいくつかあったのがいったん棚上げになっていたが、改めての議論になっている」とし、「いろいろな意見の違いがある(例えば事業連合でいくべきという意見は、地域への対応、ガバナンスの問題などを重視しての意見、合併を進めるべきという意見は、資金や人材の有効活用、社会的発信力を重視しての意見など)ので、多様性を認め合いながら議論すべき」と述べ、「どちらにせよ、まず機能統合を高度に進めていくことが前提となる」と結びました。

 山下会長が「今は生き残り戦略に集中して知恵を絞るべき」と述べたことと少し考えが違うようにも思えますが、現実に議論を始める動きがあることへの対応として専務がコメントしたものと考えられます。
 このコメントは県域を越える合併を推奨しているわけではありませんが、否定もしておらず、合併も選択肢のひとつとして事業連帯のあり方の検討を始めることに道を開いたわけで、いよいよ、本格的に議論が始まることになると感じた所以です。
 全体討論では、商品に関わって信頼再構築にもっと努力すべきという意見が多く出され、
地域の生産者、JAなどとの連携強化の事例もいくつか報告されましたし、コープこうべからは事業への組合員参加を強める取り組み、めいきん生協からは、福祉の視点ですべての事業を見直すなど、これまでの拡大中心のあり方を見直す動きも報告されました。
 岩手県連の加藤氏からは、10中計についてもっと厳しい総括が必要、レイドロウが提起した「思想上の危機」をわれわれ自身の問題と受け止め、この間のあり方の根本的な見直しを進めるべき(JAは大転換しようとしているという事例も紹介)とし、11次中計や新しいビジョン検討のお抽象的な論議よりも、単協ひとつ一つの強化、生協と組合員との関係の再構築、絆作りこそ優先課題とすべきと発言がありました。
 事業連帯や合併に関わる発言としては、コープネットの土屋専務から、店舗事業の連帯での求心力を高められるようにし、中核生協との連携を強められるようにしたいという内容で、どちらかと言えば事業連合として進めて行きたい意向と受け止めました。
 政策討論集会の資料を見ると、2日目の分散会でコープさっぽろから、全道単一化合併を進めて頑張っているという報告がされる内容になっていますので、2日目には合併についての注目度が高まったかもしれませんが、全体としては、事業連帯のあり方の議論がこれから始まり、その中で合併という選択肢も検討されるということになっていくのだろうと思っています。

 私は、県域を越えた合併には反対の意見ですが、事業連帯のあり方の議論は必要だと考えていますので、その立場で今後の議論を見詰め、自分の意見も述べていくようにしたいと思っています。
 今回は「どちらにせよ機能統合を高度に進めていくことが前提となる」と提起されたことに関連して、老婆心かも知れませんが、私見を述べてみたいと思います。

 コープネット事業連合では、中心となっているとうきょう、ちば、さいたま、の3生協の機能統合のレベルは大変高くなっています。組合員組織を除くほとんどの機能の統合を進め、それを事業連合に委託しています。
 問題は、それが最適とはいえないのではないかという問題が生れていることです。
 機能統合が自己目的ではなく、その機能を統合することによって最大の効果が生み出すことが目的であることは言うまでもありません。目指すべきは、生協グループとしての最適な組み合わせの機能統合ではないでしょうか。
 事業連合に委託することで、会員生協の自立性が損なわれたり、十分な効果が生み出せない、あるいは別の問題が生れるような機能については、会員生協に機能を残すべきと思われます。
 一番問題が大きいと感じるのは、店舗への運営指導と指揮に当たる店舗運営部の機能を統合したことです。(無店舗事業ではまだ会員生協に運営部を持っています)
 先に紹介したコープネット土屋専務の発言でも、店舗事業では求心力を持ちえていないことを自覚しているわけで、それは、受託した事業連合側の力量不足の問題ということだけではなく、赤字が急増している状態の下で、事業連合がそれを補填できるわけではなく、結果責任は会員生協が負うしかない中では、任せ切れない、信頼しきれないという関係が深まっていくのは当然のことと思います。
 運営部機能については会員生協それぞれが自己責任で全力をあげて、経営努力をするしかありませんし、そのためには会員生協にそれができる機能を再構築することが必要と考えるものです。

 ローカルスーパーやインディペンデント(独立小売商)が集まって作った事業連帯組織コーペラティブチェーンが日本でも発展してきており、既にCGCジャパンは会員企業の売上高合計で4兆円を越えています。物流や人材育成などのバックアップ機能の強化も着々と進めており、その会員企業が生協の店舗にとって大きな脅威となってきています。
スウェーデンでKFにとっての最大の脅威になっているのは、イーカというコーペラティブチェーンであることは、かねてから伝えられています。
 アメリカのニューヨーク周辺では、60年数年の歴史を持つ、ウエークファングループが高度な事業連帯を成功させ、グループの43社の統一店名ショップライト210数店舗の売上げ合計は1兆円近い(106億ドル)売上高となっており、ニューヨーク周辺の地域でのスーパーマーケットとしてはナンバーワンとなっています。
 ショップライトの店舗を見学した時に、「レギュラーチェーンに劣らないバックアップ機能の協同化と、小売商人として店舗運営の腕を磨き、きめ細かなサービスと顧客との結びつきで、大資本のレギュラーチェーンにはできない強みを発揮する、その二つの組み合わせが最強の競争力を作り出している」という話を聞いたことは今も忘れられません。
 生協の事業連合もコーペラティブチェーンとして分類されるものであり、バックアップ機能は最大限協同化しつつ、同時にそれぞれの会員生協が店舗運営の腕を磨くと共に、無店舗事業の組織も広げ、組合員はもちろん地域との結びつきを強めることで、もっとも強く力を発揮できるようになることを目指すべきではないかと考えさせられたものでした。
  
 パルシステムグループでは、これまで事業連合に統合していた宅配事業の運営部機能を会員生協へ戻すことを検討し、会員生協の判断で選択できるようにしたところ、複数の生協が会員生協へ戻すことを選択し、次年度から実施となると聞いています。
 高度に機能統合を進めてきた点ではコープネットより先進であり、経験を重ねてきたパルシステムがこうした見直しを進めたのは、組合員の拡大も供給高も伸び悩みになってきた中で、グループとして最も効果的に力を発揮できる体制、信頼関係を保てる体制を考えて検討されたのではないかと推察され、その判断に学ぶ必要があると思います。
 最適の組み合わせについて、これまでは試行錯誤の段階ですし、これからも見直しが必要となることがあるかもしれません。各事業連合によって事情が違い、組み合わせの適正さに違いがあることだって考えられます。
 他の多くの経験から学び、慎重に検討しつつ、やってみてうまく行かなければ改めることが最適な組み合わせに近づく大道と思われます。
 これまで進めてきたことを改めるのは勇気がいることですが、問題があれば早く改めることが責任ある態度であることは言うまでもありません。
 「最も効果があげられる会員生協と事業連合の関係性」を作り上げることに最善を尽くしてほしいと願うものです。

(注)ウエークファングループについてはご存知なかった方がおられると思われますので、ホームページのURLをご紹介します。分かりにくいですが自動翻訳での日本語訳も見られます。お試し下さい。
http://www.shoprite.com/cnt/Wakefern_Main.html

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