コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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「冬の兵士」を読んで

[加藤善正]
10月10日の「ブログ・リベラル21」において、半澤健市氏が「冬の兵士」(岩波書店、09・8・18刊、¥1900)を紹介されているのを見て早速購読した。その内容は半澤氏が詳しく書かれており、初めて知った事実も多く、IVAW(反戦イラク帰還兵の会)に結集している方々の真実の叫びを胸が痛む思いで知ると同時に、大いなる勇気を与えられた。身近な人にこの本をお勧めしたいるが、是非皆さんもこの本を買って精読されることをお勧めしたい。
この本は「イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実」の副題が示すように、04年7月、ボストンでの「平和を求める退役軍人の会」の年次総会で創設されたIVAWが08年3月開催した「冬の兵士」と題した公聴会での約50名の告発・証言が生々しく綴られている。詳しい内容は半澤氏が紹介されているので、読後感的な私の若干の意見を述べてみたい。


第1に感じたのは、アメリカにおけるIVAWなどの反戦運動がベトナム反戦運動のようになぜ広がらないか、について、「結びの言葉」でカミロ・メヒア氏(03・4~10、イラクに派兵されたが、再びイラクへ戻ることを拒否して投獄された最初の兵士。IVAWの現議長)が詳しく述べていることである。彼は答えとして、ベトナム戦争にまつわる政治的歴史的な文脈を分析することを指摘して、「当時は徴兵制度があったので、米国の中流家庭の子息も無関係ではいられなかったことが指摘できる。そのため、より富裕な層の怒りのたがが外れ、ついには徴兵への抵抗、兵士の集団脱走、良心的兵役拒否の申請、何百もの大学キャンパスでの戦闘的な反戦運動や大規模な街頭デモへとつながった」と述べている。 さらに「もう一つの局面は、当時は公民権運動(50年代の黒人解放運動から発展した、60年代アメリカの人種差別撤廃のための運動、63年のワシントン大行進を組織したキング牧師が運動の中心)から受け継いだ抵抗の遺産がまだ記憶に新しかったのに対して、今はそれがない。今の若い新兵や兵士は、公民権運動やベトナム戦争への抵抗でさえ参考にする手立てがない、こうした歴史は新世代の活動家から力を奪うために、公的記録から削除されている。 さらにもう一つの不利な点に、米国の大衆の個人的なかかわりの欠如がある。これは、全人口の0・5%にも満たない者しか戦闘に直接関与していないという事実だけでなく、その者たちが社会の最も貧しい層に属しているという事実でも説明できる。勤労者・有色人種・移民・保険もなく教育もない、一言でいえば、多くの欠乏を抱えている社会的経済的な力をほとんど持たない人々であることである」。  また彼は、「わが国のイラクへの軍事介入によって、イラク国民と米兵及びその家族の双方が味わう恐怖を、今日のアメリカ社会は自分のものとして体験していない」とし、その原因は、マスコミの偏向した報道があり、IVAWなどの反戦運動も大きなマスコミは無視を続けていると怒りをあらわにしている。

第2は、この不正義な戦争、偽りの開戦理由が明らかになった今日でも、このブッシュ大統領のの侵略戦争を率先してして支持・協力し、憲法を踏みにじって陸・海・空の自衛隊を派遣した小泉首相はじめ、自公政権と両党が未だに、この悪質な政治判断を「堅持」し続けていることに対する怒りである。特に、こうしたイラク侵略戦争の実態がかなり明らかになっていた05年、小泉首相の理不尽(衆議院では郵政民営化法が可決したのにもかかわらずその衆議院を解散した)な郵政選挙における自民党の大勝を許した我々日本人の欠陥・誤りである。この郵政選挙による自公3分の2以上の議席が、教育基本法を改悪し、国民投票法を強行させ、多くの悪法ともいうべき法律が3分の2の暴力的多数決で可決された。岩手の生協や民主団体は共同行動として、03年3月初旬以来「イラク侵略戦争反対・自衛隊の派兵反対」を掲げて「市民のつどい」(500名~3500名)を開くなど、粘り強い運動を展開してきたが、来年の3月20日にも、7年連続のつどいの開催を先日決定した。

03年から、イラク侵略戦争を粘り強く批判し、これを支持・協力して自衛隊を派兵したわが国政府を糾弾する、生協などの市民団体と連合と労連系の労組、民主団体が共同行動として力を合わせて「市民のつどい」を「継続は力なり」と開催しているのは、全国的にもあまりないのではではないか。こうした実践をつづけている者として、「冬の兵士」を読む中で、この戦争を支持し協力してきた「ものども」が、依然わがもの顔で存在していることを許していることが情けなくも思う。やはり、「冬の兵士」に証言されているようなこの戦争の「実相」を知らない国民が多いという現実に、私たちの「力不足」を痛感する。来年の「3・20市民のつどい」にはIVAWの代表を呼んで話を聞く機会を是非作りたいと考えている。

第3に印象的だったのは、この本の135ページの、マイケル・プライズナー君(24歳・03年3月から1年間イラクへ・フロリダ出身)の証言である。自らのイラクにおける自らの生々しい残虐な行為を、罪の意識にさいなまれながら述べた後、次のように決意を述べている。  「私たちはテロリストと戦っている教えられました。ところが本物のテロリストは私だった。そして本当のテロリズムはこの占領だ。軍隊内の人種差別は、他国の破壊と占領を正当化するための重要な手段として、長い間利用されてきました。人種偏見がなければ、兵士は、自分たちを戦場に送り出す億万長者よりも、イラクの人々との間に、もっと多くの共通点があることに気づくでしょう。私はイラクで何組かの家族を路上に放り出しました。帰国してみると、避けられたはずの悲惨なサブプライム危機で家を差し押さえされ、この国でも路上に放り出されている家族がいることを知りました。私たちの敵は8千キロも遠く離れたところにいるのではなく、敵はここに、私たちの国にいます。私たちが一体となって闘えばこの戦争を止めることができ、この政府をくい止め、より良い社会をつくり上げることができます。」  このように、アメリカの金融資本主義・新自由主義・産軍複合体など、世界経済を支配する一部勢力が核戦略による軍事的覇権主義拡大し、その「最大利潤の実現」のための「金融覇権・市場原理主義」が、アメリカの多くの貧しい人々の命と安全・暮らしそのものを破壊している現実を、24歳の若者が闘いの中で学び取っている。そしてこうしたアメリカの新自由主義・金融資本主義を唯一のモデルとして、わが国の「構造を改革する規制緩和・市場原理主義」を進めた小泉・竹中改革は必然的に、イラク侵略戦争支持・協力の道を強行したのである。 日本のマスコミはこの「小泉改革」を支援し、「もっと徹底した改革」さえ要求する論陣を張ってきた。そして、今なお、その破綻の「総括」もなく、竹中氏の詭弁と自己合理化を1ページにわたって開催する大新聞さえ存在する。

民主党内閣が誕生し、鳩山首相の施政演説も行なわれた。岩手県は県議会の過半数が民主党であり、今度の選挙で唯一の自民党議席(鈴木俊一氏)が失われ、衆参すべての議席が民主党のなった。こうした関係もあり民主党政権への期待は大きいが、すべてはこれからの政治そのもの、政策の実践・結果によってこそ、その真価が問われる。憲法に明記されている「政府の責任・義務」を求める国民的大運動が私たちの責任であることがいよいよ明らかになってきた。24日に開いたいわて生協・県連主催の「ピースキャンパス・オープンキャンパス」で、「週間金曜日」の北村肇編集長は、「鳩山内閣は”整体師”になれるか」と題して講演された。氏は、わが国の姿は根本の体が歪んでいる、その歪みの最大は「日米関係」であり、「格差と貧困を生んだ小泉改革」であり、マスコミの歪みも大きく、初山首相はこれら歪みを直す「整体師」にありうるか、厳しい構造的な論立ての話をされた。そして、諦めと傍観者でなく「整体師」にするための国民の要求運動の必要性を強調した。

私は「半澤健市」氏をリベラル21の健筆でしか知らなかったが、インターネットで調べて、氏の定年後の業績を知り尊敬の念をもった。近日その著書を購入して精読したい。

 

 

 

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| | 2009年11月08日(Sun)09:47 [EDIT]


冬の兵士の今後

加藤さん、はじめまして。半澤さんの「冬の兵士」評(リベラル21、10月10日のエントリ)のコメント欄に投稿した者です。同欄に加藤さんからTUPへの呼びかけがありましたので短い返事を残しましたが、翻訳チームの者がこのページを見つけてくれたので、こちらにもうかがいました。

「冬の兵士」に関してはいろいろ企画を考えています。すでに始めたものもあり(朗読会)、企画が進行しているものもあります。連絡を取り合いたいのでわたしにメールをくださいませんか。

藤澤みどり | URL | 2009年11月11日(Wed)00:11 [EDIT]


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| | 2009年12月02日(Wed)18:24 [EDIT]


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