コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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生協の社会的活動について思うこと

[大友弘巳]

今日9月26日は、名古屋を初め東海地方に大きな災害をもたらした伊勢湾台風が上陸した日から50周年に当たるとの報道を見て、当時のことを思い出しました。
私は当時まだ埼玉大学の1年生でしたが、生協設立準備委員の1人として、何人かの委員と共に岐阜大学生協へ、小規模の国立大学で生協を成り立たせている事例から学ぶための調査・見学に出かける途中、名古屋を通ったのでした。
確かすでに半月くらいは過ぎていた頃だったのですが、名古屋市内はまだ水浸しの状態が続いていたのには驚きました。伊勢湾台風は死者・行方不明者5,000人超、負傷者39,000人と、台風による犠牲者の多かったことで戦後最大の記録を残していますが、犠牲が多くなった原因は平均海面よりも3.38mも上回る高潮が伊勢湾湾岸の一帯の地域を覆ってしまったことにあったようで、その海水がまだ引けきれずに残っていたのでした。

岐阜大学へ到着したら、少し遅れて専務の岩井さんが作業着に長靴姿で現れ、名古屋の被災地へ支援に出かけていたのを切り上げて戻ってきたとのことでした。私共見学者たちは、岐阜大学生協がそのような社会的活動でも積極的に役割を果たしていることに感心し、自分たちもそのような姿勢を学ばなければならないと感じた次第でした。
 
 日本生協連が刊行した「生協の社会的取り組み報告書2009年版」を読むと、今日の日本の生協は実に多彩に社会的取り組みを進めていることが紹介されています。
 減災活動や災害復興支援の取り組みでは、すべての都道府県で、県又は市町村行政と生協の間での「緊急時における物資供給等に関する協定」が締結されており、災害が発生すると、当該の都道府県の生協だけでなく、リージョナルに連携して対応するとか、全国的にも支援のネットワークが機能するなど、阪神淡路大震災の経験を生かして大きな役割を発揮できることが想定され、50年前とは格段に違う役割を生協陣営が担えるようになっていることを感じます。

環境に関する取り組みでは、事業者としての取り組み、組合員の運動としての取り組み、合わせて膨大な活動が紹介されており、これまた生協が日本の社会の中でなくてはならない大きな役割を担っていることを感じます。
福祉に関しても、事業者としての取り組みと組合員どうしの助け合い活動の両面で、また双方連動して大きな役割を担いつつあることが伺えますが、これについては、医療生協の組合員活動で取り組まれていること、医療生協と購買生協が連携して取り組んでいることなどには触れられていないのが惜しまれます。
消費者主体の社会づくり、食品の安全、食育、子育て支援、くらしの見直し、などについてももっと紹介すべき内容があるように思いますが、紙数が限られている中での制約もあるでしょうか。

残念なのは、平和・国際活動の取り扱いです。会員生協や県連で地道に取り組まれている膨大な活動が僅か6行の文章でいきいきと伝えられるはずはありません。この間、オバマ大統領のプラハでの演説を初め、鳩山首相の国連での演説、そして、国連安保理事会首脳会合で「核兵器のない世界」を目指す決議など、急速に核兵器廃絶を目指す気運が高まっている中、これを確実に前進させていく市民運動がいっそう重要になっていると思われ、生協は戦後再生した原点に立ち返って、平和運動の積極的な推進者として奮闘すべき時と感じます。今回のような取り上げ方では会員生協・組合員の活動を反映した報告書とはいえない矛盾が決定的に大きくなるものと思われ、来年発行されるであろう2010年版では、豊富な活動が紹介されることを期待したいものです。

また、いま国内で最大の問題の一つとなっている、貧困や格差、失業、高齢者や障碍を持ち生活苦に陥っている人びとに役立ち、暮らしを守る活動については、実態把握も不十分なように思われます。 山下会長の「ごあいさつ」の中では、賀川豊彦献身活動100年の年であることが紹介され、「賀川豊彦が実践してきた相互扶助の理念をあらためて確認し」、「よりいっそう社会的役割を果たせるよう」と触れられているのですが、報告書のどこを見ても賀川の献身に準じるような社会的役割発揮の事例は見当たりません。
先日、「きょうさ連(共同作業所連絡会)」の総会と第32回全国大会が3日間に渡って埼玉で開催されました。発足当時16作業所だったのが、現在は1,900作業所が連帯して活動しているとのことで、障碍を持った人たちとその家族が、自主的な組織と運動を大きく育ててこられたことに素晴らしいエネルギーを感じましたが、この間に各地の生協が作業所へ仕事を依頼するなどの協力をしてきたことも役に立っていたと思われます。
医療生協では、患者の命とくらしを守る活動で、さまざまな役割を発揮していますし、数は少ないですが信用生協の活動も注目に値します。
日本労働者協同組合連合会が30周年を迎えたことも、先日の岡本さんからの寄稿で伝えられており、労働者協同組合法の制定運動が進展することも期待されているようです。
私は、地域生協がこうした分野の活動に積極的に取り組むことで、組織の新たな広がりを実現するができるし、新たなエネルギーが育って行くのではないかと期待しています。
政権が交代したからと言って、貧困や格差、失業、生活苦などの問題は簡単に改善・改革が進んでいくとは思えません。でも、政治が耳を傾けるようになれば、人びとの運動に力を与えることになり、運動が高まっていくことになるでしょう。生協は立ち遅れることなく、運動を発展させる担い手として役割を発揮すべき時ではないでしょうか。

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