コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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この夏の学び

[大友弘巳]
 毎年、7月から8月にかけては、戦争と平和について学んだり、考えたりする機会が多いのですが、今年は特に「加害者としての日本」について知らされたことが多く、胸が痛むと共に、日本がしてきたことをもっと知る必要があるとの思いを深めました。

1、「仲間に守られて僕は、地獄を生き抜いた」
    鳳儀萍著 足永昭訳 中国人殉難者全道慰霊祭実行委員会刊
この本は、私の子供のころからの友人足永氏が、著者と出会ってから4年がかりで翻訳し、編集や校正にも当たって出版に漕ぎ着けたもので、私へも贈ってくれたこと、内容は、私の故郷に近い北海道の栗山町の炭鉱で実際にあった出来事を記録したものであることなどから、興味を持って読むことになったものです。
昭和19年8月、14歳の中学生だった著者鳳氏は、上海の街中の検問所で傀儡政府の兵士によって不当逮捕され、日本軍に引き渡されて日本につれてこられ、約1年、栗山町の角田炭鉱で働かされた体験者です。

当時、日本国内では、成人男子は兵隊として大量に戦地に送られたため、炭鉱をはじめ工場の労働力が不足し、それを補うために、朝鮮や中国から大量の人々を強制的に日本に連れてきていたのです。中国からは約4万人近くといわれ、主に各地の炭鉱に送られ、飯場に収容され、粗末な食事しか与えられず、無給で強制労働に服せられたとのことで、長時間の過酷な労働の下で、病死するものが多く、反抗して殺されたり、自殺した人も含めて、1年間余で7千人近くが死亡したといわれています。(角田炭鉱では、300人が収容され、1年余のうちにその3分の1に当たる98人が無残な死を遂げたと鳳さんは記しています。)
著者が、当時の記録をメモにとっておいたものをもとに、記憶をよみがえらせて書いたもので、中国人が屈することなく抵抗し続けたことが描き出されており、「蟹工船」と似た物語的な実話となっています。
著者は戦後中国へ帰国して、学校へ戻り、医学を学んで医師として働き社会に貢献してきたわけですが、日本で亡くなった同胞のことを世に伝えようと、退職後にこの本を中国で出版することにしたそうです。
縁あって足永氏がボランティアで日本語に翻訳する作業を引き受けたことで、日本語版が日本人の手に入ることになりましたが、日本人として忘れてはならない戦争中のできごとを伝える資料として、貴重なものだと思います。

2、「日本人にとっての朝鮮問題」
    岩本正光著 学習の友社
本書は、「生協OB九条の会・埼玉」の学習会「北朝鮮にどう向き合うか」の講師を務めてくださった岩本氏が昨年執筆された著作で、今回の学習会の参考書として著者自ら持参された中から分けていただいたものです。
著者は、永年、日朝協会の活動に携わり、現在は代表理事を務められている方であり、韓国と北朝鮮のことについては詳しい研究者でもあります。
そして氏は、北朝鮮のロケット発射や核実験、拉致事件などには厳しい批判を持って見つめつつも、日本が過去に行ってきた侵略や植民地支配で朝鮮の人々に多大な損害と苦しみをかけたこと、しかも戦後64年も経った現在も北朝鮮とは講和条約を結んでおらず、国交も回復していないという異常な状態が続いていることを大きな問題としています。
2002年、小泉首相がピョンヤンを訪れ、「わが国が過去の植民地支配によって朝鮮の人びとに多大な損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持を表明する」と述べ、金正日国防委員長は「過去の歴史認識に関する総理の発言を理解し、また十分に受け入れられる」と述べたところまで行きながら、その後具体的な外交交渉が進展せず、関係悪化の方向へエスカレートしつつあるのが現状です。
進展しない理由はすべて北朝鮮側の問題と言い立てているだけでは、平和的解決の道は開かれないのではないかという疑問が募ってきます。

 3、「今こそ歴史の真実を!南京で何があったのか?~新たな絆をもとめて」
      名古屋と南京の友好都市30周年を記念する市民文化交流企画をすすめる会 発行
この報告書は、今年3月24日~29日、名古屋で開催された「名古屋と南京の友好都市30周年を記念する市民文化交流企画の記録」をまとめたものです。
主な内容は、「名古屋と南京の友好都市30周年市民文化交流の歴史と今」というテーマのパネルディスカッションの報告、及び、「“南京大虐殺”と日中市民交流の写真展」の写真の全容紹介、「写真展の感想文270通全文」とその分析を中心にした「名古屋での南京大虐殺展の意義と課題」という文書、などですが、見事な報告書であり、多くの人びとに一読をお薦めしたいものです。
パネルディスカッションでの安斎育郎氏の基調講演も面白く、写真展のパネルの文字は小さいですが誌上で全部を見ることができます。また感想文の中には、証言を補足する内容のものも含まれており、「名古屋での南京大虐殺展の意義と課題」は愛知教育大学の南教授がまとめられたものですが、南京大虐殺否定論に対する極めて論理的な判りやすい批判も展開しておられ、大変勉強になります。
この「企画をすすめる会」の事務局の中心を担ったのは「アジア・ボランティア・ネットワーク東海」であり、コラボ・コープOBの運営メンバー仲間でもある田辺氏が、率先して奮闘されたメンバーであることから、私にもこの報告書を送っていただけました。
「南京大虐殺の写真展示」ということで、右翼の街宣車が妨害に来たり、当初は企画を後援していた名古屋市が後援を取り消したりなどの困難を跳ね返して、1,200人余の市民の参加を得て写真展を成功させたことに敬意を表する次第です。

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