コラボ・コープOB

生協のOB同士で、交流と意見交換を進める場とします。  自分のこと、お互いのこと、生協のこと、世の中のこと、―-協同・平和をめざして。

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「今、過ぎ去った時代を振り返ること」の重要性を思う

 [大友弘巳]
  6月27日、ユニコープ友の会の第17回総会における記念講演で、蓮見音彦先生から、「『福武直―民主化と社会学の現実化を推進』にふれて」と題するお話を伺いました。
 7月2日が、福武先生が亡くなられて丁度20年目のご命日でしたので、タイムリーに講演が企画されたわけで、共々福武先生を偲ぶ機会としたいものです。
 蓮見先生は、福武先生の学風を受け継ぐ社会学の泰斗として、東京大学教授、東京学芸大学学長を務めながらご活躍されると共に、生協総研でも、発起人代表として創立の準備に当たっていた福武先生が急逝されたあとを受け継いだ大内力初代理事長に続いて、二代目理事長を受け継いでご指導下さった方であることは、多くの皆様がご存知の通りです。
 その蓮見先生が、昨年末、「福武直―民主化と社会学の現実化を推進」と題する著書を東
信堂より刊行されたので、それが今回の記念講演を企画するきっかけとなりました。

 蓮見先生のこの新著は、実質120ページ余のコンパクトなもので、「はしがき」、「第1章 生涯と時代的背景」、「第2章 研究の特質」、「第3章 戦後の社会学の展開と福武社会学」、という構成になっており、第1章で生協との関わりが触れられています。
「はしがき」の冒頭で、蓮見先生は、「今日の社会は将来に希望を持ちにくい閉塞感のただよう状況の中にあり、そのためにさまざまな社会問題を生じている。こうした状況に何故陥ってしまったのか、過ぎ去った時代を振り返ることが、その答えを見出し、新しい状況を切り開く手がかりを得ることになるのではないかと考えられる。」とし、「わが国の場合でいえば、太平洋戦争の敗戦から戦後の復興を経て経済の目覚しい成長に至る過程が、社会の広い領域にわたる大きな変動を見せた時期であるだけに、こうした検討にとって重要であろう。その時期には、いろいろ立場があるとはいえ、将来に希望を持つことができたし、より良い状況を目指して前進することができるという感覚が人々の間で広く共有されていた。今日あらためてその時期をふりかえり、今日までの移り変わりを確認することが、いろいろな分野・側面について必要なことだと思われる。」としています。
そしてその立場で、わが国の社会学界においては、福武先生の思想と活動とを考察することが最善のことと思われるとして以後の考察を進め、「本書は、このように民主化・人間解放という方向での新たな社会の建設を志向し、そのための社会分析を担う学問として、現実的な社会学の樹立と発展に精力的に取り組んだ福武直の軌跡をたどるものである」と締めくくっています。

福武先生を偲び、先生から学ぶことについてはまたあらためてのこととして、ここでは、「過ぎ去った時代を振り返って、(問題の)答えを見出し、状況を切り開く手がかりを得る」という蓮見先生の方法について感じたことについて触れたいと思います。
日本の生協運動も今や閉塞感がただよう状況となっており、なぜこうした状況に陥ったのか、過ぎ去った時代を振り返って答えを見出し、新しい状況を切り開く手がかりを見つける努力が必要になっているのではないだろうかと考えさせられました。
日本の生協の急速な成長発展の時代を振り返ることは、日生協創立50周年記念事業として編纂され2002年に刊行された「現代日本生協運動史」で取り組まれましたが、当時はまだ今ほどの困難な状況には陥っていませんでしたし、その後世代交代が進んできた中で、現役の皆さんにとってはあまり活用されない「蔵書」でしかなくなっているように思われ、過去を振り返って考察してみる努力は不十分なのではないかと思うのです。

日本の生協運動が1970年代以後急速に発展してきた要因は、時代背景にも恵まれたといえますが、主体的要因としては以下の三つが挙げられると私は思っています。
①「組合員自身が自らの願い・要求を実現するために出資し、利用し、運営に参加する、三位一体の活動」
②「組合員の願い実現のために、組合員と共にその先頭に立って奮闘する常勤者集団」
③「生協間の連帯はもとより、各種協同組合や、暮らしと平和、環境、などを守るさまざまな運動との連帯」
現在の閉塞状況をもたらしている要因として、組合員の顧客化現象、常勤者が元気をなくしていること、そして、連帯の幅の狭まり(事業連帯、統合合併などに頭が集中)などを感じています。
三位一体の組合員活動と、常勤者集団と、連帯の三つについての軌跡をたどり、移り変わりを確認し、その要因を検討すれば、いろいろなことに気づくことができるのではないかと思われますし、現状を克服する手がかりも見えてくるのではないかと思われます。
現役世代の問題だと済ませることなく、OBも、自らの問題として、考察を深める必要があることを痛感しています。

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